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公演概要 ファルスタッフ トゥーランドット フィレンツェ歌劇団 ニュース
フィレンツェ歌劇場
中国映画の“クロサワ”チャン・イーモウ
 「プッチーニが喜んでくれる舞台にしたい」。オペラ演出を初めて手がけたチャン・イーモウの演出意図はこれに終始したといいます。プッチーニは生涯に12のオペラを残しましたが、そのうち9作までが本国イタリア以外が舞台となっていました。いわゆる“異国趣味”ともいえるかもしれません。最後の作品『トゥーランドット』の舞台となった中国を彼は一度も訪れてはいません。残された『トゥーランドット』は世界のオペラハウスにおける人気作品でありながら、あくまで西洋人の視点で中国が描かれ、我々日本人が外国のオペラハウスで上演される『蝶々夫人』の演出に対して違和感があるように、どこか空々しさを感じることが多かったように思います。作品の持つドラマの描き方に鮮やかな手腕を発揮するチャン・イーモウは、音楽と作品のテーマを見つめ、舞台となる中国を知り尽くしているからこそ、魅惑的な視覚世界を現出させることに成功しました。いまやチャン・イーモウ演出『トゥーランドット』が、現代における最高のプロダクションと衆目は一致していますが、彼の起用はメータの着想であり、進取の気性に富むフィレンツェ歌劇場だからこそ実現できたのです。このプロダクションは、前回の日本公演以降も、ソウル、パリ、ミュンヘンなどで多くの聴衆を熱狂させてきました。世界各地での確固たる評価を得て、今秋再び日本に上陸します。
演出:チャン・イーモウ
 1951年、中国の西安生まれ。紡績工場の工員として働いた後、1978年、北京電影(映画)学院に入学。1982年から、広西省の映画撮影所にカメラマンとして勤務。1984年の『黄色い大地』では、第5回中国映画金鶏賞で、最優秀撮影奨を授賞。1987年にはウー・ティエン監督の『古井戸』に俳優として主演して、東京国際映画祭で最優秀主演男優賞を授賞する。
 1987年の『赤いコーリャン』(ベルリン映画祭金熊賞受賞)で監督デビュー。『菊豆』(1990年・カンヌ映画祭ルイス・ブニュエル特別賞)、『紅夢』(1991年・ヴェネチア映画祭銀獅子賞受賞)、『秋菊の物語』(1992年・ヴェネチア映画祭金獅子賞受賞)、『活きる!』(1994年・カンヌ映画祭審査員特別賞)などの話題作を次々と発表し、国際的な評価を揺るぎないものとした。その他の作品として、『上海ルージュ』、『あの子を探して』、『初恋の来た道』、『至福のとき』、『HERO』、『LOVERS』などがある。最新作は高倉健主演で話題を呼ぶ『単騎、千里を走る。』。
 第60回フィレンツェ五月音楽祭では『トゥーランドット』の演出家としてオペラの世界に初挑戦し、大成功をおさめる。1998年に、北京の紫禁城において上演されたほか、ソウル、パリ、ミュンヘンなどでも上演され、各地で絶賛を博している。


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