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イントロダクション 白鳥の湖 眠れる森の美女 カンパニー 公演概要
 
   
 1962年に創立されたオーストラリア・バレエ団はオーストラリアの主要芸術団体の一つであり、40年以上にわたってオーストラリアのバレエ界を牽引してきた。
 世界で最も多忙なバレエ団のひとつとして、同団はオーストラリア国内の都市や地方での公演のほかに定期的な海外公演も含め、年間約170回の公演を行っている。
 多才性、技術的卓越性、そして温かい親しみやすいスタイルがオーストラリア・バレエ団の特徴であり、これらの資質は批評家からも観客からも高い評価を受けている。
 オーストラリア・バレエ団の多岐にわたるレパートリーは「古典を大切にしながらも、挑戦を恐れない」というバレエ団のビジョンを反映している。毎年、古典のレパートリーのほかに、オーストラリアや世界の主要振付家によるコンテポラリーの作品、そしてこの躍動的な芸術形態の発展と未来を探求する新作を上演している。
 2006年の初めに、オーストラリア・バレエ団は英国批評家協会の全英ダンス賞より最優秀外国ダンス・カンパニー賞という栄誉を受けた。同年、バレエ団はイリ・キリアンの作品に対して、最優秀バレエ/ダンス作品部門でヘルプマン賞を授与された。
 
 「『白鳥の湖』にしても『眠れる森の美女』にしても、いや他の名だたるバレエ作品にしてもそうだけど、僕は一つの振付版のみに固執しなくてもいいのでは? と思っているんです。振付家やデザイナーが変わることによって、ガラッと作品のイメージが変わり、それまで気づかなかった本質が見えたりもする。『眠れる森の美女』などは、映画『ムーラン・ルージュ』の(オーストラリア人の)バズ・ラーマン監督とも一緒に作りたいね、という話もあったくらいで(笑)」

 あるバレエ団の花形だったダンサーが、そのまま芸術監督に昇格するという例はもちろん世界でも少なくないが、オーストラリア・バレエ団の現芸術監督デヴィッド・マッカリスターの場合は、理想形といえるだろう。彼自身、メイナ・ギールグッドとロス・ストレットンという「全くタイプの異なる2人の芸術監督の時代」にダンサーとして活躍して、「2人のいいところをお手本に(笑)」現職をつとめているが、その根底にあるのは「オーストラリア・バレエ団のダンサーとして、エキサイティングで充実したキャリアを積むことができた素晴らしい体験を後輩ダンサーたちにも味わわせてあげたい」という想い。事実、マッカリスターの行動力は神出鬼没と言ってもいいほどで、公演がある夜はバレエ団の支援者やファンとにこやかに交流していたかと思うと、翌日の公演前は自らクラスを受け持って、ダンサーたちの状態をさりげなくチェックするといった具合だ。加えて、少しでも時間があるときは「バレエ以外の、例えばケイト・ブランシェット主演の舞台『ヘッダ・ガブラー』などを観に行って感激して、何とかうちのカンパニーとのコラボレーションが出来ないものかと考えたり(笑)」と、これはもう人生のすべてをオーストラリア・バレエ団に捧げているといってもいいだろう。

 そんな彼が率いる同バレエ団の舞台が面白くないわけがない。元々、年間の公演数の多さと積極的に海外公演を行っているバレエ団として、オーストラリア以外でも高い評価と人気を得ていたが、例えばダイアナ元妃、チャールズ皇太子、カミラ夫人をオデット、ジークフリート、ロットバルト(!)に見立てたグレアム・マーフィー版『白鳥の湖』を上演した英国では「始めのうちはキワ物を見せられるんじゃないか、と構えていたロンドンの観客たちが、どんどん作品の世界に入り込んで来てくれたのを舞台で踊っていても感じた」とダンサー達が今も興奮した面持ちで語るほどの大成功をおさめている。

「でもダンサー達には、永遠にこの版の『白鳥の湖』や『眠れる森の美女』だけをやるわけじゃないよ、と言っているんです(笑)。ダンサーは新作に挑戦することも大好きだけど、チュチュをつける古典的な作品も愛しているから、そのバランスを保つことが肝心で」

 マッカリスターがこう言うように、来年の上演演目の一つにピーター・ライト振付版の古典的な『くるみ割り人形』があるかと思えば、グレアム・マーフィー振付の養老院を舞台にした、主人公クララが老婆というヴァージョンの『くるみ割り人形』もレパートリーにある同バレエ団。
「他にもノイマイヤーやウィリアム・フォーサイス、あ、ベジャールの作品なども踊ります。ベジャールの『パリの喜び』の主役ビムはバレエ団初演時、私が踊ったんですよ。ベジャールさんからも「素晴らしい舞台だった。君の踊りも素晴らしかった。……ただ、唯一の問題は君の背が高すぎることだね」との言葉をいただいて。思わず「ヤッター!」でしたね。僕自身、いつも他の役には背が低いといわれていたから(笑)」

 こうして世界の巨匠たちとも太い絆を持ち、ダンサーの育成に関しては「コンテンポラリーのクラスはもちろん、最近はリズムや運動神経、音楽性を養うために、タップやジャズのクラスまで設けていますよ。幅広ければ広いほど、精神的にも肉体的にも柔軟なダンサーになれるから」と言うマッカリスター。この言葉はそっくりオーストラリア・バレエ団の“自由で柔軟な創造性とあくなき向上心”を持つ美質につながっている!
 
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