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美しい湖を臨む王国の結婚披露宴。セレブリティたちに祝福される、ジークフリート王子と新婦オデットのロイヤル・キス。それは一点の曇りもない晴れやかな光景のはずだった、黒衣の男爵夫人の存在がしだいに増していくまでは。
彼女は、結婚前夜まで王子と逢瀬を楽しんでいた王子の愛人！ その事実に気づき錯乱したプリンセスが、幻影の白鳥の湖に見たものは･･･!?
オーストラリア・バレエ団40周年記念にグレアム・マーフィーによって創作されたこの「白鳥の湖」は、クラシック・バレエのヒロインであるオデットを、全世界が注視した英国王室の故ダイアナ元妃と重ね合わせた独創的な作品です。今も人々の心に痛ましい記憶として残る衝撃的なプリンセスの悲劇が、オデットとジークフリート、そして女性に想定されたロットバルト男爵夫人との三角関係になぞらえられ、凄絶な愛と裏切りのドラマが展開します。
ドラマティックな作風で知られるマーフィーは、古典バレエの「白鳥の湖」を詳細に研究し、音楽構成をプティパ／イワノフ版より以前の、より悲劇性の強い原典に戻しました。また男爵夫人をハンガリー人とすることでチャルダッシュの踊りを第1幕に挿入、他の民族舞踊を削るなどの創意を加えました。その結果、現代人が共感できるドラマとして再生した本作は、当のスキャンダルの本家イギリスで上演された際にも、観客はもとより、保守的なことで知られる英国批評家たちから異例の絶賛を浴びたのです。
数々の現代版「白鳥の湖」の中でも、もっとも衝撃的にして感動的な話題作をどうぞお見逃しなく！ |
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