解説 STORY・聴きどころ 指揮者・キャスト
指揮:リッカルド・ムーティ Riccardo Muti

生地のナポリでピアノを学び、その後ミラノのヴェルディ音楽院で作曲と指揮を学んだ。1967年、グィド・カンテルリ・コンクールで優勝。これを機にフィレンツェ五月音楽祭の首席客演指揮者となる。1971年よりザルツブルク音楽祭に出演。72年から82年にはロンドン・フィル首席指揮者、80年から92年にはフィルハーモニア管弦楽団の首席指揮者を務めた。86年から2005年ミラノ・スカラ座音楽監督。この間の04年にはルイジ・ケルビーニ・ユーゲント・オーケストラを設立した。コンサート指揮者としては世界中のオーケストラと、オペラ指揮者としては著名なオペラハウスおよび音楽祭で活躍。ザルツブルク音楽祭では『コシ・ファン・トゥッテ』、ザルツブルク復活祭音楽祭ではチマローザ作曲『カランドリーノの帰還』、フィレンツェ五月音楽祭では『オルフェオとエウリディーチェ』、ピアチェンツァでは『ドン・パスクァーレ』を指揮。ウィーン国立歌劇場には、73年に『アイーダ』を振ってデビュー。以来、『コシ・ファン・トゥッテ』、『ドン・ジョヴァンニ』、『運命の力』、『メフィストフェレ』、『ノルマ』、『フィガロの結婚』、『リゴレット』など、新演出を含む数々の作品を指揮している。2007/08年シーズンには同劇場で『コシ・ファン・トゥッテ』の音楽新校訂上演を指揮。

フィオルディリージ:バルバラ・フリットリ Barbara Frittoli

ミラノ生まれ。ヴェルディ音楽院でG.カネッティに師事。数々の国際的なコンクールでの受賞を得たフリットリは、その優れた才能によって、数多くの著名な指揮者と共演し、世界中で人気と実力を認められている。これまでに、メトロポリタン歌劇場、コヴェント・ガーデン、ミラノ・スカラ座、バスティーユ、バイエルン国立歌劇場をはじめ、フィレンツェ、ナポリ、ローマ、ジュネーヴ、ボローニャ、ブリュッセル、ニース、チューリヒ、バルセロナ、バレンシアの歌劇場に出演。また、ザルツブルクやラヴェンナ、グラインドボーン、ヴェルヴィエほかの音楽祭でも活躍している。これらの舞台で演じたレパートリーとしては、『ボエーム』のミミ、『カルメン』のミカエラ、『フィガロの結婚』の伯爵夫人、『オテロ』のデズデモナ、『コシ・ファン・トゥッテ』のフィオルディリージ、『ドン・ジョヴァンニ』のドンナ・エルヴィーラ、『トゥーランドット』のリュー、『ファルスタッフ』のアリーチェ、『シモン・ボッカネグラ』のアメリア、『トロヴァトーレ』のレオノーラなどがある。ウィーン国立歌劇場には、1993年11月8日に『ボエーム』のミミを歌ってデビューした。以後、『ドン・ジョヴァンニ』のドンナ・アンナとドンナ・エルヴィーラ、『シモン・ボッカネグラ』のアメリア、『フィガロの結婚』の伯爵夫人、『オテロ』のデズデモナなどを歌っている。2007/08年シーズンには、音楽新校訂上演の『コシ・ファン・トゥッテ』のフィオルディリージを歌う。

ドラベッラ:アンゲリカ・キルヒシュラーガー Angelika Kirchschlager

ザルツブルクに生まれたキルヒシュラーガーは、ウィーン音楽大学でワルター・ベリーに師事した。最初に契約したのはグラーツの歌劇場だった。以後、フランクフルト、ロンドン、ライプツィヒ、モスクワ、東京、シアトル、サンフランシスコ、ニューヨーク、パリなど、世界中の著名な歌劇場で活躍している。ウィーン国立歌劇場には、1994年9月20日に『フィガロの結婚』のケルビーノ役でデビューした。これまでに同劇場で歌ったレパートリーとしては、『こうもり』のオルロフスキー、『セビリャの理髪師』のロジーナ、『ホフマン物語』のニクラウス、『ばらの騎士』のオクタヴィアン、『ナクソス島のアリアドネ』の作曲家、『メリー・ウィドウ』のヴァランシェンヌ、『パレストリーナ』のシッラ、『ジャンニ・スキッキ』のラウレッタ、『ロミオとジュリエット』のステファノなどがある。特筆すべき最近の成功としては、『ゾフィーの選択』のタイトル・ロールがある。ロンドンでの世界初演と同様に、ウィーンでもこの役での成功をおさめたことにより、オーストリア宮廷歌手の称号を与えられた。今シーズン、ウィーン国立歌劇場では、音楽新校訂上演となる『コシ・ファン・トゥッテ』のドラベッラのほか、『ばらの騎士』のオクタヴィアン、『カプリッチョ』の新演出でクレロンを歌う。

グリエルモ:イルデブランド・ダルカンジェロ Ildebrando D'Arcangelo

ペスカーラ生まれ。バス-バリトンのダルカンジェロは、1989年と91年にトーティ・ダル・モンテ国際コンクールで優勝。これを機に『コシ・ファン・トゥッテ』と『ドン・ジョヴァンニ』でデビューした。ほどなくコンサートおよびオペラで活躍する。共演した指揮者には、ゲルギエフ、アッバード、小澤征爾、ハイティンク、ホグウッド、ムーティ、ガーディナー、チョン・ミョンフン、シャイー、アーノンクール、ガッティ、ヤーコプス、パッパーノ、故ショルティなどがいる。『ドン・ジョヴァンニ』のタイトル・ロールとレポレロの両役をはじめ、ヴェルディ、ベッリーニ、ロッシーニ、ドニゼッティ、ストラヴィンスキーなどを主なレパートリーとして、これまでにウィーン国立歌劇場、コヴェント・ガーデン、バスティーユ・オペラ、メトロポリタン歌劇場、シカゴ・リリック・オペラ、ローマ歌劇場などに出演。ザルツブルク音楽祭には、2002年に『ドン・ジョヴァンニ』のレポレロでデビュー。さらに2006年には新演出『フィガロの結婚』でタイトル・ロールを歌った。

フェッランド:ミヒャエル・シャーデ Michael Schade

ジュネーヴ生まれ。ドイツとカナダで成長し、ニューヨークのカーティス音楽院で学んだ。ボローニャ市立劇場やペーザロ音楽祭に出演した後、1991/92年のシーズンにサンフランシスコ歌劇場とジュネーヴ大劇場にデビューした。以後、活躍の場を広げ、これまでにメトロポリタン歌劇場、パリ・オペラ座、ミラノ・スカラ座、シカゴ・リリック・オペラ、ザルツブルク音楽祭など、著名な歌劇場や音楽祭に出演を重ねている。ウィーン国立歌劇場には、1992年9月2日に『セビリャの理髪師』のアルマヴィーヴァ伯爵でデビュー。以来、同歌劇場ではこれまでに『コシ・ファン・トゥッテ』のフェッランド、『ドン・ジョヴァンニ』のドン・オッターヴィオ、『後宮からの逃走』のベルモンテ、『愛の妙薬』のネモリーノ、『フィデリオ』のヤキーノ、『ニュルンベルクのマイスタージンガー』のダーヴィッド、『無口な女』のヘンリー、『魔笛』のタミーノ、『こうもり』のアルフレート、『アラベラ』のマッテオ、『椿姫』のアルフレード、『ダフネ』のロイキッポスなどを歌っている。また、ウィーン国立歌劇場再開50周年記念ンサートでは『イドメネオ』(抜粋)のタイトル・ロールを務めた。2007/08年のシーズンには、『アラベラ』のマッテオ、『魔笛』のタミーノ、新演出の『カプリッチョ』のフラマンを歌う。

デスピーナ:ラウラ・タトゥレスク Laura Tatulescu

アメリカ合衆国のブリッジポート(コネティカット州)生まれ。ルーマニアのブカレストの国立音楽大学とディヌ・リパッティ音楽院で、ヴァイオリン、ヴィオラ、ピアノ、教育学および声楽を学んだ。1999年から2005年にかけて、数々の声楽コンクールに入賞。2004年6月、ルーマニア国立歌劇場に『ファウスト』のマルグリットでデビューした。大学を修了してからは、多くのオペラ、オラトリオ、コンサートに出演、その軌跡は一連の録音で確認することができる。2005/06年にはWAZメデイアグループから芸術家奨学金を受けた。ウィーン国立歌劇場には2005年11月29日、『愛の妙薬』のジャンネッタ役でデビュー。以来、同歌劇場で『こうもり』のイーダ、『ドン・カルロ』のテバルド、『バスティアンとバスティエンヌ』のバスティエンヌ、『フィガロの結婚』のバルバリーナおよびスザンナ、『リンゴの木の中のおばあさん』のアンディ、『ボリス・ゴドゥノフ』のクセーニャ、『ウェルテル』のゾフィーを歌った。2007/08年のシーズンは『魔笛』のパミーナ、『スペードの女王』(新演出)のマーシャ/クローエ、『愛の妙薬』のアディーナ、『コシ・ファン・トゥッテ』のデスピーナ、『マノン』のプーセットなどを歌う。

ドン・アルフォンソ:ナターレ・デ・カローリス Natale de Carolis

レナート・グエリフィとマリア・ヴィットーリア・ロマーノに師事して歌唱を学び、名門のトーティ・ダル・モンテ国際コンクールで優勝を果たした。1983 年、スポレートで『セビリャの理髪師』のバジリオを歌ってデビューし、その他にも『愛の妙薬』のドゥルカマーラ、ドン・パスクァーレや『フィガロの結婚』のフィガロなどをここで歌った。その成功によって、ミラノ・スカラ座、メトロポリタン・オペラ、シドニー・オペラ、ザルツブルク音楽祭、グラインドボーン音楽祭、テルアヴィヴ、コヴェント・ガーデン、ベルリン国立歌劇場、パレルモ、フランクフルト、カリアーリ、ローマ、ケルン、コロン劇場、東京新国立劇場、マドリードのレアル劇場、ボローニャ、ナポリ、ヴェネチア、フィレンツェ五月音楽祭など、世界中の主要な歌劇場に出演している。その他、デ・カローリスが成功をおさめた役には、『ファルスタッフ』のフォード、『フェドーラ』のデ・シリエ、『イタリアのトルコ人』のセリム、『マノン』のレスコー、『コシ・ファン・トゥッテ』のグリエルモとドン・アルフォンソ、『ラ・ボエーム』のショナール、『チェネントラ』のドン・マニフィコ、『ドン・ジョヴァンニ』のレポレロとドン・ジョヴァンニ、『ウェルテル』のアルベール、『フィガロの結婚』の伯爵などがある。ウィーン国立歌劇場には、1993年に『フィガロの結婚』のフィガロ役でデビュー。2007/2008年のシーズンには、音楽新校訂上演となるモーツァルトの『コシ・ファン・トゥッテ』でドン・アルフォンソを歌う。

※表記の出演者は2008年1月末日現在の予定です。やむを得ない事情により出演者が変更になる場合があります。その場合、指揮者、主演歌手であっても代役を立てて上演いたしますので、あらかじめご了承ください。出演者変更にともなうチケットの払い戻し、公演日・券種の変更はお受けできません。最終出演者は当日発表とさせていただきます。