あなたはシルヴィ・ギエムの「ボレロ」を見たか!
このステージは世界のバレエ史の伝説になる!

その引退を惜しみながらも、バレエ・ファンが開催を待ちこがれていたのが本公演です。本公演をもってシルヴィ・ギエムが日本のファンに別れを告げることになります。

100年にひとりの天才プリマといわれるギエムは、デビュー以来、数々の伝説を残してきました。パリ・オペラ座時代の史上最年少でのエトワール昇級や、英国ロイヤル・バレエ団への移籍でフランス政府をして「国家的損失」と言わしめるなど、バレエの枠を超えて世界の耳目を集めてきました。古典を極め、演劇的な作品、コンテンポラリーに次々に挑み、前人未到の境地に分け入り、バレエ界のスーパースターとして幅広く活躍してきました。

この9月には世界的に顕著な業績を上げた芸術家に授与される高松宮殿下記念世界文化賞受賞が発表されたばかり。そんなギエムの代名詞といえるのがベジャール振付の「ボレロ」です。全国ツアーのラストを飾るこの横浜での「ボレロ」は絶対に見逃せません。

文字通りギエムのバレエ人生の掉尾を飾る本公演には「ボレロ」以外にも魅力的な演目が並びます。「TWO」は、気鋭の振付家マリファントの「腕の旋回」というアイデアをギエムがずば抜けた身体能力で魅せるコンテンポラリーの傑作。「ドリームタイム」は鬼才振付家キリアンと作曲家武満徹がオーストラリアの先住民族の祭礼を訪ね、神聖な体験を共有したことから生まれた作品。また、ウィリアム・フォーサイスの傑作「イン・ザ・ミドル・サムワット・エレヴェイテッド」は、これまで東京バレエ団245回に及ぶ共演を重ねるかたわら、芸術面へのアドバイスやダンサーへの指導にも積極的だったギエムが、東京バレエ団はフォーサイス作品にも取り組むべき、という一言から実現したものです。

世界のバレエの歴史を次々に塗り替えてきたギエムの引退が、カウントダウンに入りました。横浜での「シルヴィ・ギエム ファイナル」、ツアー最終公演にどうぞご期待ください。

100年にひとりの天才プリマが、これにて見納めになります。

あなたはシルヴィ・ギエムを見たか?!

“全国公演では、私が愛する「ボレロ」も踊ります。
この作品を最後に踊る場所、それは日本以外にあり得ません。
いろいろなことが始まった日本で、
「ボレロ」に、お客様に、舞台に、
たくさんのことに“さよなら”を告げる・・・
私にはとても筋が通っているように思えるのです。

◆プログラム

ラッセル・マリファント振付 「Two」
モーリス・ベジャール振付 「ボレロ」
イリ・キリアン振付 「ドリームタイム」
ウィリアム・フォーサイス振付 「イン・ザ・ミドル・サムホワット・エレヴェイテッド」

Photo:Kiyonori Hasegawa

「Two」

振付: ラッセル・マリファント
音楽: アンディ・カウトン

シルヴィ・ギエム

Photo:Kiyonori Hasegawa

「ボレロ」

振付: モーリス・ベジャール
音楽: モーリス・ラヴェル

シルヴィ・ギエム&東京バレエ団

Photo:Kiyonori Hasegawa

「ドリームタイム」

振付: イリ・キリアン
音楽: 武満 徹

東京バレエ団

Photo:Dominik Mentzos

「イン・ザ・ミドル・サムホワット・
エレヴェイテッド」

振付: ウィリアム・フォーサイス
音楽: トム・ウィレムス(レスリー・タックとの共同制作)

東京バレエ団(初演)