ミラノ・スカラ座とウィーン国立歌劇場は、イタリア・オペラとドイツ・オペラの双璧だが、世界に冠たる存在を支えているのが、それらの座付きオーケストラだ。彼らは数々のオペラ上演で、あらゆる登場人物の喜びや哀しみを表現し尽くしてきたからこそ、人生の機微を聴き手に切々と訴えることができる。ミラノ・スカラ座管弦楽団の個性は、イタリアの青い空を思わせる輝かしく美しい響きとイタリアの血ならではの豊かな歌心と情熱的な表現力、そしてオペラで培われたドラマティックな音楽づくりだ。
今回のミラノ・スカラ座来日記念特別演奏会では、音楽監督のリッカルド・シャイーがベートーヴェン・イヤーにちなみ交響曲第8番、第9番を、巨匠ズービン・メータが定評のあるマーラーの交響曲第3番を振る。オーケストラ・ファンにとって、シャイーといえばライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団やルツェルン祝祭管弦楽団を率いてのR.シュトラウスやベートーヴェン、マーラーといったドイツものを得意としている印象が強いのではないか。なかでもベートーヴェンに関しては評論家やファンからの評価も高い。楽譜はもとより、さまざまな文献を研究した成果として、シャイーの指揮するベートーヴェンは伝統を踏まえたうえで鮮烈な輝きを放つ。
もう一人のマエストロ、ズービン・メータも幅広いレパートリーをもっていることは周知のとおり。ロサンゼルス・フィルとの初来日から51年、これまでイスラエル・フィル、ウィーン・フィル、ベルリン・フィルなどとの来日演奏会で、さまざまな作品で多くの人々を魅了してきた。マーラーはメータが若い時から愛してやまない作曲家の一人だが、今日、多くの人々がマーラーの楽曲を愛するようになったのは、メータの演奏が大きく貢献していると言われている。オリンピック・イヤーでありベートーヴェン・イヤーである今年、ミラノ・スカラ座の来日公演を機に催される特別演奏会で、二人のマエストロの指揮のもと、それぞれ十八番のベートーヴェンとマーラーの合唱とソリスト付きの作品を取り上げるのは、日本の音楽史上でも特筆大書されるべき出来事だ。なにしろ、ミラノ・スカラ座の合唱団は圧倒的な世界ナンバーワン。ソリスト陣も実力者ぞろい。スカラ座のオーケストラがどんなベートーヴェン、マーラーの音を奏でるのか。興味は尽きない。日本に居ながらにして、この豪華陣容でベートーヴェンの「第九」とマーラーの交響曲第3番を聴けるのは、空前にしてほとんど絶後のチャンスになるだろう。
音楽監督
リッカルド・シャイー
ミラノ生まれ。2015年1月にミラノ・スカラ座主席客演指揮者に就任。2017年より同歌劇場音楽監督に就いた。コンサートとオペラの双方において欧米で活躍。これまでにベルリン放送響、ロイヤル・コンセルトヘボウ管の首席指揮者を務めるほか、ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管ではカペルマイスターを務め、数多くの優れた録音を行った。また、ボローニャ歌劇場音楽監督としてのほか、ウィーン国立歌劇場、メトロポリタン歌劇場など主要歌劇場の指揮台に立っている。1994年イタリア共和国上級騎士勲章を受章。
指揮
ズービン・メータ
ボンベイ生まれ。ウィーン、イギリスでそのキャリアをスタートし、瞬く間にオーケストラ、オペラ指揮者として脚光を浴びるようになった。ウィーン・フィル、ベルリン・フィル、イスラエル・フィルとは、50年以上におよぶ関係を築いているほか、モントリオール響、ロサンゼルス・フィル、ニューヨーク・フィルの音楽監督を務め、フィレンツェ歌劇場やバイエルン国立歌劇場の音楽監督としても手腕を奮った。世界的なオーケストラおよびオペラ指揮者として、現代を代表する一人と認められている。
ミラノ・スカラ座管弦楽団
ミラノ・スカラ座会場の1778年に創設されたこのオーケストラは、イタリア・オペラの歴史に重要な足跡を遺してきた。トスカニーニ、デ・サバタ、カラヤン、ジュリーニ、バーンスタイン、C・アッバード、ムーティなど、スカラ座が輩出した、時代に名を記す指揮者たちのもと、オペラの演奏にかけて世界でも指折りのオーケストラとして認められているだけでなく、コンサート活動においてもきわめて高い国際的評価を獲得している。
ミラノ・スカラ座合唱団
ミラノ・スカラ座会場の1778年、サリエリ作曲『見出されたエウローパ』以来、同歌劇場のオペラを支えてきた。オペラ指揮者および歴代の優れた合唱指導者により、合唱団はイタリアのみならず世界的にも卓越したレベルに達することとなった。“彼らの合唱は芸術品である”と呼ばれることさえある。オペラはもとより、その柔軟性により、合唱交響曲から室内楽、20世紀および現代の作品までをレパートリーとしている。
NHK東京児童合唱団
タマラ・ウィルソン(ソプラノ)
クラウディア・ハックル(コントラルト)
ペーター・ゾン(テノール)
トマス・コニエチュニー(バス・バリトン)
日程: | 2020年 9月18日(金) 19:00 |
会場: | サントリーホール |
ダニエラ・シンドラム(メゾ・ソプラノ)
NHK東京児童合唱団
日程: | 2020年 9月24日(木) 19:00 |
会場: | 東京文化会館 |
S | ¥32,000 |
A | ¥29,000 |
B | ¥26,000 |
C | ¥22,000 |
D | ¥18,000 |
E | ¥14,000(9/24のみ) |
ダイワU29シート | ¥5,000 NBS WEBチケットのみで6/26(金)20時から引換券を発売。 |
入場券ご購入にあたり、下記についてあらかじめご了承ください。
※表記の出演者と曲目は2020年2月17日現在の予定です。出演者の病気や怪我、出演団体の都合で出演できなくなったり曲目が変更になる場合があります。それらの変更にともなうチケットの払い戻し、公演日・券種の変更はお受けできません。最終出演者および曲目の正式発表は演奏会当日とさせていただきます。
※未就学児童のご入場はお断りします。
シャイー(ベートーヴェン)&メータ(マーラー)2演目セット券[S~C席]: 受付期間 4/14(火)21:00~5/21(木)18:00
単独券[S~C席]: 受付期間 4/21(火)21:00~5/21(木)18:00
5/23(土)10:00より
¥5,000
NBS WEBチケットのみで6/26(金)20時から引換券を発売。
※チラシ、NBSニュース等でお知らせしていたチケットの発売日が、当初の予定から、3月5日現在変更になっております。
e+ (イープラス) | https://eplus.jp/ ※座席選択先行受付:5/18(月)10:00~5/21(木)18:00(WEBのみ) |
チケットぴあ | 0570-02-9999 Pコード:178-947 https://w.pia.jp/t/scala-2020-s/ ※プリセール:5/18(月)10:00~5/21(木)18:00(WEBのみ) |
ローソンチケット | 0570-000-407(オペレーター対応 10:00~18:00) Lコード:35113 https://l-tike.com/scala-orchestra/ ※先行受付:5/18(月)10:00~5/21(木)18:00(WEBのみ) |
LINE TICKET | https://ticket.line.me (電子チケット) ※LINEチケット先行:5/18(月)10:00~5/21(木)18:00 |
サントリーホール チケットセンター(サントリーホール公演のみ) |
0570-55-0017(10:00~18:00) https://www.suntory.co.jp/suntoryhall/ |
東京文化会館 チケットサービス(東京文化会館公演のみ) |
03-5685-0650(10:00~18:00) |
主催: | 公益財団法人日本舞台芸術振興会/日本経済新聞社 |
特別協賛: | |
後援: | 在日イタリア大使館 |