振付: | ジル・ロマン |
音楽: | ジョン・ゾーン |
台本・ ヴィデオ共同作業: |
マルク・オローニュ |
衣裳: | アンリ・ダヴィラ |
照明: | ドミニク・ロマン |
現代的な問題意識を内包するスタイリッシュなダンスを数々発表して、ベジャール亡き後のバレエ団を活性化させてきた芸術監督ジル・ロマン。彼と、多様性に富んだ音楽を展開する現代アメリカ音楽の巨匠、ジョン・ゾーンとの、出会いと語らいから生まれた、2019年4月初演の最新作が日本公演に登場します。現代人をとりまく関係性や環境をさまざまに暗示させながら、つぎつぎと繰り出されるパワーを秘めたダンスは、「まれなる詩情とエレガンス、優しさの息づく、動く絵画」と評されました。
「人はいつでも夢想する」(ルートヴィヒ・ホールの作品から借りたタイトル)は、そのタイトルが作品のすべてを語っています。いったいバレエが旅でないとすれば、何だと言えるでしょう?
コンパスもGPSもなく、道しるべも説明もないまま、ただひとつイマジネーションのみをたよりに、この旅に挑んでください。踊るダンサーたちの視線、欲求、個性の中に、そしてジョン・ゾーンの豊かで偉大な作品に対する私の限りない称賛の中に、この作品の源泉を汲み取っていただけることでしょう。
たくさんの愛をこめて、良い旅を!
— ジル・ロマン
振付: | モーリス・ベジャール |
音楽: | ジャック・ブレル、バルバラ |
衣裳: | ジャン=ポール・ノット |
照明: | ドミニク・ロマン |
ジャック・ブレルとバルバラという二人のシャンソン歌手の13の歌を使い、映像を使いながら、愛と詩情とユーモアあふれる情景が綴られていく、ベジャール珠玉の作品。ベジャールは題材となる人物たちを愛し、彼らと深く同化することで独特の作品を生み出しました。2002年にジル・ロマンとエリザベット・ロスのために創作された本作は、これまで〈世界バレエフェスティバル〉などのガラ公演でも抜粋の形で何度も踊られ喝采を浴びてきました。衣裳は、ベルギーの人気デザイナー、ジャン=ポール・ノットが担当。
指揮: | モーリス・ベジャール |
音楽: | モーリス・ラヴェル |
巨大な赤いテーブルの上で踊る孤高の“メロディ”と、そのカリスマに導かれて群がる “リズム”たち。ラヴェルが構築した精巧な音楽をダンスで鮮やかに展開しながら、爆発的な絶頂をもって終結し、観る者に衝撃とカタルシスを与える「ボレロ」。舞踊が古来もつ神秘的な力を再現する儀式とも呼ばれ、日本でも数々のスターダンサーたちが名演を残した、ベジャール不滅の傑作です。本家のベジャール・バレエ団による圧倒的な舞台を味わってください!
── 司祭館はいまだその魅力を失わず、庭の輝きも以前のまま
振付: | モーリス・ベジャール |
音楽: | クイーン/W.A.モーツァルト |
衣裳: | ジャンニ・ヴェルサーチ |
映画「ボヘミアン・ラプソディ」がアカデミー賞4冠を獲得。そのメガヒットぶりが社会現象とも呼ばれた、世界的なロックバンド、クイーン。モーリス・ベジャールが彼らの音楽を使って、ロックとバレエを融合させた奇跡のステージがこの「バレエ・フォー・ライフ」です。
ベジャールは、クイーンの象徴的な存在だったフレディ・マーキュリーと、ベジャール作品でカリスマ的な存在感を放ったダンサーのジョルジュ・ドンという、同時期にともに45歳で夭逝した二人のアーティストへのオマージュとしてこの作品を創作しました。衣裳を担当したのは、80~90年代のファッション界の寵児だったジャンニ・ヴェルサーチ。彼もまたフレディやドンと同世代で、本作の初演を待たずに凶弾に倒れた犠牲者でした。
全編に響き渡るのはクイーンのきらめくヒット曲。ダンサーたちが生を炸裂させるなか、フレディと思しき人物がトレードマークだった衣裳を身に着けて登場します。ところどころにモーツァルトの音楽が挿入され、病気や死、天国のイメージが鮮やかに対比されます。クライマックスは“現代の犠牲者たち”への追悼式ともいうべき厳かな雰囲気を帯び、客席は感動に包まれます。
1997年の本作パリ初演には最後にクイーンのメンバーが登場して演奏を行い、この大胆なステージへの支持を表明。クイーンのブライアン・メイは「ベジャールのやることはすべてが衝撃的で、天才の証だ」とインタビューで語っています。以来、ヨーロッパ、アジア、南米、ロシアと、国境を越えてつねに熱狂を生んだステージが、日本に13年ぶりに還ってきます!
今から30年あまり前のことだ。ベルリオーズの意表を突く音楽が爆撃や機関銃の音でさえぎられるなか、型破りなフレール・ローランが、ジョルジュ・ドンとヒトミ・アサカワを前にして、こう叫んだ。「戦いをやめて、愛し合おう」。
そして今日、ちょうど「ロメオとジュリエット」を創った頃の私とほぼ同年齢のジル・ロマンが、この作品を一度も見たことのないダンサーたちに囲まれて、こう答える。「あなたは、“戦いをやめて、愛し合おう”と言いました。なのになぜ愛は我々に戦いを強いるのでしょうか?」
いわゆる戦後と呼ばれるようになってからも、世界で絶え間なく起こっている数知れない戦争の問題に加えて、愛ゆえに生じてしまう死の問題を抱えることになった若者たちの苦悩の叫びなのである!
私のバレエ作品にとって何よりも重要なのは、出会いである。つまり音楽との出会い、生との出会い、死との出会い、愛との出会い、そして人々との出会い・・・。こうした人々の過去や作品が、私のなかで“転生”する。同じようにかつてダンサーだった私が、毎回、出演者たちのなかで“転生”し、以前の私を凌駕してゆくのだ。
クイーンの音楽には、いっぺんで惚れ込んでしまった。アイデア、強烈さ、ユーモア、愛・・・ここにはすべてがある。私は、彼らのことが気に入った。彼らは私を触発し、導いてくれるのである。ところで私は、次のようなことを確信している。すなわち、我々がいつかは赴くことになる“ノー・マンズ・ランド”において、フレディ・マーキュリーがときどき、モーツァルトとともにピアノに向かっているであろうことを⋯⋯。
これは若者と希望についてのバレエ作品だ、というべきであろう。なぜなら、根っからの楽観主義者である私は結局のところ、クイーンが歌っているように“ショウ・マスト・ゴー・オン”というふうに考えているからである。
— モーリス・ベジャール
イッツ・ア・ビューティフル・デイ
タイム
レット・ミー・リヴ
ブライトン・ロック
ヘヴン・フォー・エヴリワン
アイ・ワズ・ボーン・トゥ・ラヴ・ユー
カインド・オブ・マジック
ゲット・ダウン・メイク・ラヴ
シーサイド・ランデヴー
(予言者の唄)
テイク・マイ・ブレス・アウェイ
ラジオ・ガ・ガ
ウインターズ・テイル
(ザ・グレート・プリテンダー)
ミリオネア・ワルツ
ラヴ・オブ・マイ・ライフ〜ブライトン・ロック
ボヘミアン・ラプソディ
ブレイク・フリー
ショウ・マスト・ゴー・オン
コジ・ファン・トゥッテ
エジプト王タモス
ピアノ協奏曲第21番
フリーメーソンのための葬送音楽K.477
協奏交響曲変ホ長調K.364