「カルメン」

振付:アルベルト・アロンソ
音楽:ジョルジュ・ビゼー、ロディオン・シチェドリン

男性を惑わす魔性の女の代名詞として、あまりにも有名な「カルメン」。振付家アルベルト・アロンソは、プロスペール・メリメの原 作とジョルジュ・ビゼーのオペラ音楽に綿密な解釈をほどこし、この永遠のファム・ファタールの物語を、鮮烈なヒロイン・バレエとして生まれ変わらせた。
同名のバレエではローラン・プティ振付の官能的な作品も有名だが、このアロンソ版は、原作本来のテーマである“宿命”に焦点が当てられていることが特徴。舞台装置は全編を通して闘牛場。生と死の闘いを祝祭的な儀式として見せるこの円形の劇場で、ヒロインのカルメンと恋人のホセ、闘牛士エスカミリオと牛の2組が闘いと葛藤のダンスを繰り広げる最終場の迫力は息詰るほどの緊張感が漂う。女性ダンサーが演じる“牛”は、ここでは“宿命”の象徴であり、運命に抗って、自らの生を圧倒的に生きるヒロイン、カルメンのドラマが鮮やかに浮かび上がる。
本作はもともとボリショイ・バレエ団のマイヤ・プリセツカヤの強烈な個性に当てて創作され、彼女の夫であるロディオン・シチェドリンがビゼーの音楽をバレエ用に編曲した。東京バレエ団は1972年に早くもプリセツカヤを招聘してこれを上演。1999年に斎藤 友佳里がカルメンに挑戦し、独自のカルメン像を構築している。上野水香は2007年に本作に初めて挑戦した。

Photo: Kiyonori Hasegawa

「スプリング・アンド・フォール」

振付:ジョン・ノイマイヤー
音楽:アントニン・ドヴォルザーク

ジョン・ノイマイヤーが、アントニン・ドヴォルザークの哀調を帯びた流麗な名曲「弦楽セレナーデ」にのせて創作した作品。7人の女性ダンサーと10人の男性ダンサーによって、甘美な抒情やみずみずしい躍動美の世界が織りなされる。また、作品の題名は、イギリスの叙情詩人ジェラード・ホプキンズの詩作から借用された。詩人が言葉の語感やリズムによって文字通り以上の深い世界を表現するように、ノイマイヤーは題名の意味を、ダンスによって多義的でメタフィジカルな世界へと展開している。

Photo: Kiyonori Hasegawa

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