振付:ジョン・クランコ
音楽:セルゲイ・プロコフィエフ
装置・衣裳:ユルゲン・ローゼ
明け方、モンタギューの息子、ロミオが美しいロザラインに愛の告白をしている。日が昇ると、市場は街の人々でいっぱいになり、そこには、不倶戴天の敵ともいうべきキャピュレット家とモンターギュ家の者たちもいる。怒りがぶつかり合い、争いが始まる。ヴェローナ侯が現われ、両家に対しこれ以上不仲が続くようだったら両者に罪を与えると警告し、場合によっては死刑にも処すると宣告する。ロミオと友人のベンヴォーリオとマキューシオは、キャピュレット家の親族の男、ティボルトとしぶしぶと和解を示す。
ジュリエットは、母親のキャピュレット夫人からはじめての舞踏服を授かる。そして翌日、フィアンセのパリス伯爵と初めて会うことになっていることを聞かされる。いよいよ彼女は、少女時代に別れを告げねばならない。
キャピュレット家の舞踏会につぎつぎと客人が訪れ、中にはロザラインの姿もある。彼女を追って、仮面をつけたロミオと友人たちも舞踏会に現われる。
ジュリエットは客人らとパリスに紹介される。パリスと踊りながら、彼女とロミオは互いに見つめあい、一目で恋に落ちる。ロミオの素性を怪しむティボルトは対決しようとするが、もてなしの慣習に従おうとするジュリエットの父親に止められる。
寝室のバルコニーに出てジュリエットはロミオのことを夢想している。そこへ彼が庭に現われ、ふたりは永遠の愛を誓い合う。
広場はカーニバルで盛り上がっている。夢心地のロミオは周囲のお祭り騒ぎにも興味がない。ジュリエットの乳母が手紙を届けに来て、そこにはジュリエットから僧ローレンスの礼拝堂で会いたいと書いてある。
修道院で僧ローレンスは若い恋人たちの結婚に立ち会う。
カーニバルの真っ最中に、ロミオは広場へ戻ってくる。ティボルトが話しかけるが、ロミオは闘おうとはしない。怒ったマキューシオがティボルトと決闘し、彼の手でマキューシオは死をとげる。呆然として取り乱したロミオは、ティボルトに襲いかかり殺してしまう。
ジュリエットの寝室で恋人たちは夜明けに目覚め、追放の身となったロミオはジュリエットのもとを、ヴェローナを去らねばならない。キャピュレット夫人がパリスを伴って入ってくるが、ジュリエットはパリスを拒絶する。
ジュリエットが僧ローレンスに助けを求めると、ローレンスは仮死状態になれる眠り薬をジュリエットに与え、「ロミオがキャピュレット家の墓所でジュリエットとおちあえば、ふたりでそこから一緒に逃れられる」と説明する。
両親が戻ると、ジュリエットはパリスとの結婚を承諾する。パリスが両親と立ち去ると、ジュリエットは眠り薬を飲み、発見した家族と友人らはジュリエットが死んでしまったと思う。
僧ローレンスからの計画を明かす知らせを受け取っていなかったロミオは、ジュリエットが死んでしまったと思い込み、墓所へ駆けつける。そこでいたみ悲しんでいるパリスを見つけ殺してしまう。最期にジュリエットを抱きしめ、ロミオは短剣を心臓に突き刺す。ジュリエットが目覚め、息絶えたロミオを見とめる。深い悲しみに打ちひしがれ、ジュリエットも自ら命を絶つ。