ブルメイステル版「白鳥の湖」とは?

ロシアの振付家ブルメイステルによる、世界的に成功を収めたドラマティックな演出版です(1953年初演)。ブルメイステルはチャイコフスキーの原曲に立ち返り、ドラマ性を高め、最大の見どころである第三幕では民族舞踊の踊り手が実は悪魔の手先だったという、劇的な展開に変更しました。

1960年にはパリ・オペラ座バレエ団が「白鳥の湖」初演にこの版を採用。 ミラノ・スカラ座バレエ団のレパートリーにもなっています。

ウラジーミル・パーヴロヴィチ・ブルメイステル
(1904~1971)

第1幕

若い王子は王宮の生活に息が詰まりそうだ。貴族たちや城も彼にはうとましい。宮廷生活につきもののお追従や礼儀作法が窮屈で仕方がない。

第2幕

ジークフリート王子は狩りの最中に湖のほとりで白鳥に姿を変えられた娘たちに出会い、その中にオデットを見出す。ジークフリートとオデットは恋に落ちた。ジークフリートは生涯オデットに忠実であること、悪魔の呪いから娘たちを救うことを誓う。

第3幕

王妃であるジークフリートの母は、王子に花嫁を選ばせるために自分の城で宴を催す。オデットを愛している王子は、花嫁を選ぶことを拒む。
このとき、悪魔が騎士ロットバルトに身をやつして城に現れる。彼は、オデットにそっくりの自分の娘オ ディールを連れてきた。あまりに似ているので惑わされた王子は、自分の花嫁にオディールを選んでしまう。悪魔は勝利する。

第4幕

自分の過ちを悟った王子は湖へと急ぐ。彼はオデットに許しを乞うが、彼女は去っていく。誓いは破られ、オデットは悪魔の呪いから逃れることができない。悪魔は王子を殺めようとする。嵐が巻き起こり、湖の水が岸からあふれ出る。王子に死の危険が迫っているのを見て、オデットは自分の命もかえりみず彼のもとへ飛び込む。

Photos: Kiyonori Hasegawa, Shoko Matsuhashi

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