「ドン・キホーテ」

振付:ルドルフ・ヌレエフ(マリウス・プティパに基づく)
音楽:ルドヴィク・ミンクス
編曲:ジョン・ランチベリー
衣裳デザイン:バリー・ケイ
装置デザイン:リチャード・ロバーツ(バリー・ケイデザインのオリジナル映画に基づく)
This production of Don Quixote has been adapted for the stage from the 1973 film Don Quixote, which was produced by International Arts and The Australian Ballet.

あらすじ

風変わりだが高貴な老紳士であるドン・キホーテは騎士道物語にとりつかれている。中世の遍歴騎士の後継者になる夢を見た彼は、物語に登場するドゥルシネア姫を守るため召使いのサンチョ・パンサをお供に旅に出る。バルセロナの港町では宿屋の娘キトリと床屋のバジルが愛し合っている。しかしキトリの父ロレンツォは娘を町の貴族ガマーシュと結婚させたい。そこに旅をするドン・キホーテが通りかかり、町の人々を巻き込んで大騒動を巻き起こす!

Photo: Rainee Lantry

ヌレエフ主演で世界を席巻した、豪華絢爛なプロダクション!
シルヴィ・ギエムも指導に加わって話題に。

古典バレエの中でも抜群の人気を誇る「ドン・キホーテ」。南国スペインを舞台に繰り広げられる陽気で情熱的な物語、華麗な超絶技巧の数々はまさしくバレエの“華”です。今回上演するのは、オーストラリア・バレエ団と特別な関わりをもつ“ヌレエフ版”。1960年代に幾度となく同団に客演していた20世紀のカリスマ・スター、ルドルフ・ヌレエフは、1970年には自身の演出による「ドン・キホーテ」をバレエ団に提供。この舞台は1973年にヌレエフ自身の主演で映画化され同団の名を一躍世界に知らしめました。ことに花や果物、衣裳のテクスチャーにまでこだわった舞台装置と衣裳は、スパニッシュな香りを見事に描き出して評判になりました。

2021 年に芸術監督に就任したデヴィッド・ホールバーグは、2023 年カンパニー60周年記念シーズン幕開けの演目としてこの「ドン・キホーテ」を選び、映画が映し出す臨場感をそのまま舞台に再現すべく装置をリニューアル。このプロダクションはオーストラリア本国で計32公演、動員人数43,000人を記録し大成功を収めました。さらにはヌレエフの薫陶を受けた伝説的プリマ、シルヴィ・ギエムが主要キャストの指導にあたり作品のエッセンスを伝授したことでSNSでも話題に。

力強くエネルギーに満ち溢れた振付とコミカルな人間模様、ダンサー泣かせの超絶テクニックに加え、第2 幕の煌びやかな夢の世界が魅力のヌレエフ版は、オーストラリア・バレエ団の発展の歴史を象徴する渾身の超大作でもあります。ぜひ劇場で体感してください!

Photos: Rainee Lantry

ルドルフ・ヌレエフ
Rudolf Nureyev
(1938~1993)

旧ソ連邦出身。1955年にレニングラード・バレエ学校(現在のワガノワ・バレエ・アカデミー)を経て、キーロフ・バレエ(現在のマリインスキー・バレエ)に入団。1961年キーロフ・バレエのパリ公演直後にブルージェ空港で亡命。以後、英国ロイヤル・バレエ団をはじめ世界中のバレエ団に客演し多くの振付家の作品を踊る。1983年パリ・オペラ座バレエ団の芸術監督に就任(~89年)後、「白鳥の湖」や「眠れる森の美女」などの古典作品の演出・振付や「ロミオとジュリエット」などを新制作。シルヴィ・ギエムやマニュエル・ルグリをはじめ“ヌレエフ世代”と呼ばれる綺羅星のごときダンサーたちを見出した。監督退任後の1992年、パリ・オペラ座での「ラ・バヤデール」が最後の仕事となる。

NBSチケットセンター 
(月-金 10:00~16:00 土日祝・休)

03-3791-8888

東京バレエ団   「ジゼル」全2幕
  • 2025/05 会場:東京文化会館