プロローグ ~フロレスタン14世の城~
国王フロレスタン14世と王妃の間に、長い間待ち望まれていた子供が誕生した。城では、オーロラと名付けられた娘の誕生を祝う宴の準備が進められている。招待客たちが到着し、国王夫妻を祝福する。善の精リラも妖精たちを率いてやってきた。5人の妖精たちは、オーロラ姫に人間のさまざまな美徳を贈る。
最後にリラの精がオーロラに贈り物をしようとしたそのとき、突如として不穏な空気が漂う。悪の精カラボスが現れたのだ。人々は長い間その姿を見ていなかったので、カラボスが生きているのかどうかもおぼつかなかった。その名は、カタラビュットの招待客名簿から抜け落ちていた。カラボスは怒り心頭に発し、「オーロラは糸紡ぎ針を指に刺し、若くして死ぬ」と予言する。皆が絶望に打ちひしがれる中、リラの精がオーロラ姫への贈り物を贈る。それは、「オーロラは死ぬのではなく、長い間眠るだけ。やがて現れる一人の王子の口づけで、オーロラは夢から呼び覚まされる」という約束だった。こうしてリラの精は、オーロラの洗礼の母となった。
第1幕 ~成人したオーロラ~
オーロラ姫は成人を迎え、城では貴族や村人たちを招いて祝宴が繰り広げられている。求婚するためにやってきた4 人の王子とともに優雅に踊るオーロラ姫を、皆が祝福する。
そんな喜ばしい祝いの場に、怪しげな雰囲気をまとった、見慣れぬ者が現れる。お祝いの花を受け取り、無邪気に踊ってみせるオーロラ姫だったが、花に隠されていた糸紡ぎ針に指を刺したことにより、倒れ込み、意識を失う。オーロラに糸紡ぎの針を渡したのは、あの悪の精カラボスだった。
勝ち誇ったような高笑いとともに姿を消すカラボス。カラボスの予言は成就したかのように見えたが、リラの精の約束通り、オーロラ姫は長い眠りへと入る。王国のすべての人々に魔法がかけられ、リラの花に包みこまれた城は、森の中でひっそりと眠りにつく。
第2幕 ~百年後の森で~
若き王子、デジレが森の中で狩りをしている。友人たちが楽しそうに遊ぶ中で、デジレの心は晴れず、いつになく物憂げな表情だ。ふと、どこからか懐かしい香りを感じたデジレ。皆と別れ一人でいると、自身の洗礼の母であるリラの精に出会い、オーロラ姫の幻を見せられる。オーロラ姫を目覚めさせることができるのは自分だけだと知らされたデジレは、彼女に会わせてほしいとリラの精に懇願する。デジレはリラの精の導きで、魔法の舟に乗り、森の奥へと続く川を進んでいく。
王国に辿り着くと、荒れ果てた城はカラボス一味によって厳重に見張られていた。リラの精の従者たちがカラボスの手下たちとの戦いを繰り広げる中、デジレは城の奥深くへと進み、オーロラ姫の姿を見つける。彼女に口づけをすると、呪いは解け、カラボスも消え失せた。
長い眠りから目覚めたオーロラ姫は、ひと目デジレの姿を見た瞬間に、彼が夢の中で出会った王子だと確信する。愛の力が勝ち、オーロラ姫は王国を目覚めさせる。
第3幕 ~結婚式~
城では、オーロラ姫とデジレ王子の結婚式が行われる。カタラビュットは、この祝宴のためにさまざまに趣向を凝らした仮面舞踏会を準備していた。おとぎ話の登場人物に扮した城の舞踊手たちが、次々とお祝いの踊りを踊る。
アポテオーズ
王は若い二人を祝福し、幸福に包まれた王国の人々は、リラの精を讃える。