「ドン・ジョヴァンニ」全2幕

指揮: リッカルド・ムーティ

演出:キアラ・ムーティ
美術:アレッサンドロ・カメラ
衣裳:トンマーゾ・ラガットッラ
照明:ヴァンサン・ロングマール

本プロダクションは、トリノ王立歌劇場とパレルモ・マッシモ劇場の共同制作。
Co-production of TEATRO REGIO TORINO and TEATRO MASSIMO DI PALERMO


Photo: Andrea Macchia / Teatro Regio Torino

あらすじ

 稀代の色男として名を馳せているドン・ジョヴァンニ。ある晩貴族の令嬢ドンナ・アンナを誘惑するために屋敷へ忍び込んだところをアンナの父である騎士長に見つかり、決闘のすえに騎士長は殺されてしまう。アンナは婚約者ドン・オッターヴィオに復讐をせまる。

 屋敷から逃げ出したドン・ジョヴァンニが道すがら出会った美女は、かつての恋人ドンナ・エルヴィーラであった。彼女を従者レポレッロに押し付けてドン・ジョヴァンニは逃走、その途中で村娘ツェルリーナと農夫マゼットの結婚式に遭遇し、ツェルリーナを誘惑するがそこへエルヴィーラやアンナたちが乗り込んでくる。

 彼女たちの追及から逃げおおせたドン・ジョヴァンニとレポレッロが墓地で落ち合うと、そこに建てられた騎士長の石像が警告を発するが彼は一向に気にとめず騎士長を晩餐に招待する。ドン・ジョヴァンニの晩餐に騎士長の石像が現れ改心を求めるが……

Photo: Silvia Lelli

演出

キアラ・ムーティ

女優、作家、演出家であるキアラ・ムーティは、ジョルジョ・ストレーレルによって設立されたピッコロ・テアトロ演劇学校(現ミラノ市立パオロ・グラッシ演劇学校)で学び1995年に舞台デビューを果たした。それ以来、イタリアの主要な演劇祭や劇場で女優として活躍し、受賞多数。演劇の演出を数多く手がけた後、2012年にラヴェンナ・フェスティバルにて『聖スザンナ』(ヒンデミット作曲、指揮:リッカルド・ムーティ)でオペラ演出家としてデビュー。以降はローマ歌劇場『ディードとエネアス』(2013年)、『マノン・レスコー』(2014年)、バーリ・ペトルツェッリ劇場『フィガロの結婚』(2016年)、ナポリのサン・カルロ劇場『コジ・ファン・トゥッテ』(2018年)、フィレンツェ五月音楽祭『蝶々夫人』(2021年)、そして2022年にはトリエステ・ヴェルディ劇場で世界初演となるニコラ・ピオヴァーニ作『AMOROSAPRESENZA』、トリノ王立歌劇場『ドン・ジョヴァンニ』など次々と演出し、大きな成功をおさめている。


Photo: Fabio Anselmin

ドン・ジョヴァンニ

ルカ・ミケレッティ

イタリアのバリトン歌手、俳優、演出家。これまでにミラノ・スカラ座、メトロポリタン歌劇場、英国ロイヤル・オペラ、フィレンツェ五月音楽祭、アレーナ・ディ・ヴェローナなど、世界有数の劇場で歌声を披露してきた。
リッカルド・ムーティ、ズービン・メータ、チョン・ミョンフン、ダニエレ・ガッティなどの著名な指揮者と共演し、ゼフィレッリ、ストレーレル、ロンコーニ、マクヴィカーらが演出を手がけた作品に数多く出演。
レパートリーにはモーツァルトのダ・ポンテ三部作、数多くのヴェルディの諸役(ヤーゴ、リゴレット、ルーナ伯爵、マクベス)、『カルメンエスカミーリョからオペレッタ、歌曲、宗教曲まで幅広いレパートリーを誇る。
演出家としてはソフォクレス『アイアス』、ビゼー『カルメン』、レハール『メリー・ウィドウ』をはじめオペラ、演劇の両分野で活躍。2025/26シーズンにはフェニーチェ歌劇場で『シモン・ボッカネグラ』の演出を予定している。
ミラノとヴェネツィアにて文学と演劇学の学位、ローマ・ラ・サピエンツァ大学にてイタリア研究の博士号を取得。これまでの功績に対し、ウブ賞、国際ピランデッロ賞、フランコ・エンリケス賞を受賞している。

Photo: Francesca Errichiello

ドンナ・アンナ

マリア・グラツィア・スキアーヴォ

ナポリ生まれ。ナポリ音楽院でR.パッサーロに師事し、優秀な成績で卒業した。ローマのサンタ・チェチーリア音楽コンクールとクレルモ=フェラン国際声楽コンクールでそれぞれ第一位を受賞。『雌猫のチェネレントラ』の主役、『ラ・ガッタ・チェネレントラ』特にベルカントとロマン派のレパートリーで高評を得ており、『椿姫』ヴィオレッタ、『ランメルモールのルチア』、『セミラーミデ』のタイトルロール、『フィガロの結婚』スザンナ、『魔笛』パミーナなどでフィレンツェ歌劇場、ナポリのサン・カルロ劇場、フェニーチェ歌劇場、チューリッヒ歌劇場などの著名な歌劇場に出演を重ねている。リッカルド・ムーティとはザルツブルク音楽祭で『救われたベトゥーリア』のアミタール役に抜擢されたことを皮切りにしばしば共演を重ねている。録音にも精力的に取り組み、パイジェッロやカヴァッリなど上演が稀な作品にも取り組んでいる。

Photo: Ugo Car levaro e Ewa Lang

ドンナ・エルヴィーラ

マリアンジェラ・シチリア

エクス=アン=プロヴァンス音楽祭のモーツァルト・アカデミーとペーザロのロッシーニ・アカデミーで研鑽をつみ、2014年にロサンゼルスで開催されたオペラリア・コンクールで第3位を受賞。以後は『椿姫』ヴィオレッタ、『ラ・ボエーム』ミミ、『愛の妙薬』アディーナ、『ジュリオ・チェーザレ』クレオパトラなど、イタリア・オペラの大作からベルカントの諸役まで、ミラノ・スカラ座、パリ・オペラ座、ザルツブルク音楽祭、フィレンツェ歌劇場などの世界有数の歌劇場で歌い、「確固たる声の奇跡」(ル・モンド紙)、「プロヴァンスの朝日のように輝くソプラノの声」(ターゲスシュピーゲル紙)などと称賛されている。これまでにリッカルド・ムーティ、リッカルド・シャイ―、アントニオ・パッパーノ、ミケーレ・マリオッティらとも共演を重ねる。
25/26シーズンはミラノ・スカラ座『トゥーランドット』リュー、パルマ王立劇場『オテロ』デズデモーナ、さらにハンブルク国立歌劇場『マリア・ストゥアルダ』タイトルロールデビューなどが予定されている。

ドン・オッターヴィオ

ジョヴァンニ・サラ

イタリア・レッコ生まれ。ジュゼッペ・ヴェルディ音楽院、ミラノ・スカラ座アカデミーにて研鑽を積み、2017年ソニア王妃国際音楽コンクール第2位、2014年アスリコ・コンクール第1位などの受賞歴多数。同世代のテノール歌手の中でも大きな注目を集める。
これまでに『ラ・ボエーム』ロドルフォ、『椿姫』アルフレード、『魔笛』タミーノ、『皇帝ティートの慈悲』ティートなどの主役のほか、コンサートのソリストとしても多くの役をミラノ・スカラ座、バイエルン国立歌劇場、ベルリン・ドイツ・オペラ、フィレンツェ歌劇場などの著名な歌劇場で歌い、その舞台はしばしば「完璧な歌唱技術」などと称賛されている。
2025/26シーズンには英国ロイヤル・オペラに『椿姫』アルフレード役でデビューを果たすほか、ミラノ・スカラ座『コジ・ファン・トゥッテ』フェランド、トリノ王立歌劇場『マクベス』マクダフなどの出演を予定している。

Photo: Michele Monasta

レポレッロ

アレッサンドロ・ルオンゴ

イタリアのピサ生まれ、ルチアーノ・ロベルティに師事。アレッサンドロ・コルベッリ、レナート・ブルゾン、ミレッラ・フレーニらからも指導を受けた。
ピサのオペラスタジオで研鑽を積み、2001年ルッカでのニーノ・ロータ作曲『フィレンチェの麦わら帽子』がオペラ・デビューとなった。
これまでに、ローマ歌劇場、フェニーチェ歌劇場、マドリッドのテアトロ・レアル、ボローニャ歌劇場、ミラノ・スカラ座のほか、モデナ、ピアチェンツァ、ルッカ、フレンツェ、ナポリの歌劇場およびラヴェンナ・フェスティバルなどにも出演。
2016年のウィーン国立歌劇場日本公演では、リッカルド・ムーティ指揮『フィガロの結婚』のフィガロを歌った。
ローマ歌劇場では、これまでに『愛の妙薬』のベルコーレ、『フィガロの結婚』のアルマヴィーヴァ伯爵、『ベンヴェヌート・チェッリー』のフィエラモスカ、『マリア・ストゥアルダ』のグリエルモ・セシル卿などを歌っているほか、2018年6月には新演出『ボエーム』のマルチェッロを歌った。

Photo: Simona Aquino

ツェルリーナ

フランチェスカ・ディ・サウロ

イタリア生まれ、ナポリのサン・ピエトロ・ア・マジェッラ音楽院を卒業後、フィレンツェ五月音楽祭アカデミーにて研鑽を積む。『カルメン』表題役、『セビリアの理髪師』ロジーナ、『奥様女中』セルピーナ、『アルジェのイタリア女』のイザベラとズルマ、『ホフマン物語』ジュリエッタなど、バロックから現代作品まで幅広いレパートリーを誇る。これまでにミラノのスカラ座、フィレンツェ歌劇場、コロン劇場、トリノ王立歌劇場などの主要な劇場に出演し、リッカルド・ムーティ、ダニエル・オーレン、マルコ・アルミリアートらの著名な指揮者とも共演を重ねる。近年はボローニャ歌劇場にて『コジ・ファン・トゥッテ』、サレルノ『ノルマ』、そしてミラノ・スカラ座での新演出版『カヴァレリア・ルスティカーナ』ローラ役で成功をおさめた。
ベッペ・デ・トマージ国際オペラ歌唱コンクール第1位、第1回「ジュディッタ・パスタ」国際声楽コンクール第1位をはじめ国際コンクールでも数多く優勝している。

マゼット

レオン・コーシャヴィッチ

1991年クロアチア生まれ。往年の名歌手であるホセ・ヴァン・ダムやジョルジョ・スーリアンらに師事し、早くからその才能を注目される。生地の歌劇場でデビューを果たし、これまでに『フィガロの結婚』フィガロ、『ドン・ジョヴァンニ』マゼット、『ロメオとジュリエット』マキューシオ、『こうもり』ファルケなどの幅広い役をレパートリーにしてきた。クロアチア国立歌劇場をはじめ、モントリオール歌劇場、マドリード王立歌劇場、シャンゼリゼ劇場、ブリュッセルのモネ劇場などの由緒ある劇場に次々と出演を重ねる。今シーズンはザンクト・ガレン劇場『3つのオレンジへの恋』レアンドロ、シャンゼリゼ劇場にて演奏会形式『コジ・ファン・トゥッテ』やナタリー・シュトゥッツマンとニューヨーク・フィルハーモニックとの共演によるコンサート・シリーズに参加する。

騎士長

ヴィットリオ・デ・カンポ

1992年イタリアのティラーノ生まれ。ミラノ=ビコッカ大学で経済学と商学を学びながら、同時にパトリツィア・ファブリ指導のもとで研鑽を重ねる。
トッレ・デル・ラーゴのプッチーニ音楽祭における『トスカ』で初舞台を踏み、ラヴェンナのアリギエーリ劇場における秋の三部作ではクリスティーナ・マッツァヴィッラーニ・ムーティ演出、ニコラ・パスコフスキ指揮による『アイーダ』でランフィス役でデビュー、またアレッサンドロ・ベニーニ指揮による『ノルマ』オロヴェーゾにも抜擢された。「リッカルド・ムーティ イタリア・オペラ・アカデミー」にたびたび参加し、ムーティ指揮で『ナブッコ』ベルの大司教を、ミラノ、リミニ、ラヴェンナで歌った。22年夏には、エアフルトのドームシュトゥーフェン音楽祭でもこの役を演じている。
その才能は様々な国際声楽コンクールで認められており、2022年、第14回ジュリオ・ネリ・コンクールで最優秀バス・ヴォイス賞及び聴衆賞ほか、受賞多数。

NBSチケットセンター 
(月-金 10:00~16:00 土日祝・休)

03-3791-8888

東京バレエ団  「くるみ割り人形」全2幕
  • 2025/12 会場:東京文化会館、他
Zenith of Ballet   ―至高の舞―
  • 2026/01 会場:Bunkamuraオーチャードホール
〈上野水香オン・ステージ〉
  • 2026/03 会場:東京文化会館、他
オペラ  「ドン・ジョヴァンニ」全2幕
  • 2026/04 会場:東京文化会館