




フィレンツェ歌劇場来日記念特別演奏会
ズービン・メータ指揮 フィレンツェ五月音楽祭管弦楽団・合唱団
神に出会える瞬間が訪れる!
ヴェルディ作曲「レクイエム」
VERDI REQUIEM
イタリア統一の魂の讃歌
ヴェルディ作曲による「レクイエム」が、アレッサンドロ・マンゾーニに捧げられていることは広く知られています。マンゾーニはイタリア最大の国民作家であり、イタリア統一の精神的指導者として国民的な尊敬を受けていました。ヴェルディも彼の作品がイタリア人の愛国心を奮い立たせたという点で、イタリア統一運動(リソルジメント)の象徴的な存在でした。ヴェルディはマンゾーニを神のように崇め深く敬愛していました。マンゾーニが亡くなると、その死を哀悼するミサ曲の作曲に着手し、マンゾーニの一周忌に初演しました。それがこの「レクイエム」なのです。 今回のフィレンツェ歌劇場日本公演は、イタリア統一150周年を記念して実現したものですが、ヴェルディもマンゾーニもイタリア統一運動と深い関わりがあるだけに、この「レクイエム」の上演こそ、もっとも150周年を祝うにふさわしいものになるでしょう。 ヴェルディの激情のこもった「レクイエム」には、ヴェルディのオペラを歌いこなすことのできる、高度なテクニックをもった歌手が必要です。指揮者ズービン・メータは、豊富な経験と厳しい目をもって4人のソリストを選びました。ソプラノのクリスティン・ルイスは若手ながら近年ヴェルディ・オペラを中心に活躍が注目されている実力派。2013/14年シーズンには、リッカルド・ムーティ指揮の『アイーダ』でウィーン国立歌劇場へのデビューが予定されています。メゾ・ソプラノのダニエラ・バルチェッローナは、すでに世界の舞台での活躍が知られているイタリア最高のメゾ。テノールには、スカラ座をはじめとした世界の著名な歌劇場でリリック・テノールとして引っ張りだこのファビオ・サルトーリ。バスにも、ヴェルディ・バスとして世界のトップに挙げられるロベルト・スカンディウッツィが登場します。ズービン・メータの指揮のもと、現代に生きるイタリア人たちが生まれながらにしてもっている作品への共感が、イタリアの「魂」を響かせるヴェルディの「レクイエム」に、どうぞご期待ください。
巨匠メータの厳しい目によって選び抜かれたソリストたち
ソプラノ:クリスティン・ルイス
アメリカ、アーカンソー出身。同世代をリードするリリコ・スピント・ソプラノの一人として活躍している。2007/08年シーズンに『トロヴァトーレ』のレオノーラをジェノヴァのカルロ・フェリーチェで歌いイタリア・デビュー。またたく間にヨーロッパ各地の歌劇場に招かれるようになった。本公演が初来日となる。
メゾ・ソプラノ:ダニエラ・バルチェッローナ
イタリア、トリエステ生まれ。1999年にペーザロのロッシーニ・フェスティバルで『タンクレディ』のタイトル・ロールを演じ、一躍注目を集めた。以後、舞台栄えのする美貌と実力で、一気に活躍の場を広げた。現在、最も人気をもつメゾ・ソプラノの一人として幅広いレパートリーで世界中で活躍している。
テノール:ファビオ・サルトーリ
イタリア、トレヴィーゾ生まれ。ヴェネツィアのフェニーチェ劇場でオペラ・デビュー。1997年にはミラノ・スカラ座のシーズン開幕を飾る『マクベス』のマクダフを演じた。優れたリリック・テノールとして活躍。2008年には新しくオープンしたオスロ・オペラで、メータ指揮のもと『ドン・カルロ』に出演。
バス:ロベルト・スカンディウッツィ
イタリア、トレヴィーゾで声楽を学んだ。1982年にスカラ座『フィガロの結婚』でデビュー。1991年英国ロイヤル・オペラ『シモン・ボッカネグラ』のフィエスコ役が、国際的なキャリアのきっかけとなった。ヴェルディの諸役はもとより、幅広いレパートリーをもち、欧米の著名な歌劇場で活躍している。
Photo:Teatro del Maggio Musicale Fiorentino
※表記の配役は2010年10月20日現在の予定です。病気や怪我などのやむを得ない事情により出演者が変更なる場合があります。予定されていた出演者がやむを得ず出演できない場合、代役を立てて上演することになっておりますので、あらかじめご了承ください。出演者の変更にともなうチケットの払い戻し、公演日・券種の変更はお受けできません。最終出演者は当日発表とさせていただきます。