エディタ・グルベローヴァ ウィーン国立歌劇場「アンナ・ボレーナ」が日本最後の舞台に!
ウィーン国立歌劇場総裁ドミニク・マイヤーの記者会見レポート(5/7付)でもお知らせしましたが、"完全無欠のコロラトゥーラのプリマ・ドンナ""ベルカントのディーヴァ"と称賛され、30年以上にわたって日本の聴衆を酔わせてきたエディタ・グルベローヴァが、今秋のウィーン国立歌劇場公演「アンナ・ボレーナ」を日本における最後の舞台とすることを、彼女の所属エージェントを通じて正式に発表しました。グルベローヴァは歌手として日本の舞台から退くことを決意しており、今後はリサイタル等での来日もありません。
グルベローヴァは1970年にウィーン国立歌劇場の「魔笛」の夜の女王で本格的なデビューを飾り、カール・ベーム指揮による「ナクソス島のアリアドネ」でツェルビネッタを歌って一躍国際的な注目を集めました。1980年にはウィーン国立歌劇場とともに来日。「後宮からの逃走」のコンスタンツェと「ナクソス島のアリアドネ」のツェルビネッタを歌い、圧倒的な美声と驚異的な技巧をもって日本初登場の舞台をセンセーショナルに飾りました。
その後もウィーン国立歌劇場、フィレンツェ歌劇場、バイエルン国立歌劇場とともに来日し、「ランメルモールのルチア」と「シャモニーのリンダ」のタイトルロール、「椿姫」のヴィオレッタ、「ドン・ジョヴァンニ」のドンナ・アンナ、「ロベルト・デヴェリュー」のエリザベッタで登場。また1987年の第1回を皮切りに12回にわたって開催したリサイタルはつねに熱狂を巻き起こし、2003年には自身満を持しての「ノルマ」全2幕を演奏会形式で実現、深い感銘を与えました。
昨秋のバイエルン国立歌劇場公演前のインタビューで、グルベローヴァは日本の観客について、「日本のファンの皆様とは深い結びつきを感じており、誠実な応援には感謝の念が絶えない。近しい友だち、家族のようにも感じています」と語っています。今回の「アンナ・ボレーナ」は、彼女が日本への特別な想いを込めて歌うファイナル・ステージとなります。希代のディーヴァ、グルベローヴァの天上の歌声を心に刻み込むために、ぜひ劇場にお運びください!
※近日中にエディタ・グルベローヴァのインタビューを掲載します。楽しみにお待ちください。