オネーギン

※※11月29日(土)の「オネーギン」でタチヤーナを演じる予定となっていた、エレーナ・テンチコワは怪我のため来日することができなくなりました。代わって、スー・ジン・カンがカラボスを演じます。ご了承くださいませ。

※上記の配役は2008年11月11日現在の予定です。出演者の病気や怪我、シュツットガルト・バレエ団の都合により変更になることがあります。変更の場合、入場料の払い戻しや他公演への振り替えはいたしませんのであらかじめご了承ください。

[第1幕]
第1場:ラーリナ夫人邸の庭
ラーリナ夫人、オリガ、乳母が、夜会服の仕上げをしながら、間近に迫ったタチヤーナの誕生祝いについてお喋りしている。ラーリナ夫人は将来に思いを馳せている。近隣の少女たちが現れ、古くから伝わる遊びに興じる。鏡を覗くと恋する人が現れるという遊びだ。オリガの婚約者の若い詩人レンスキーがペテルブルクから来た友人を連れてやってくる。レンスキーはオネーギンを紹介する。オネーギンは都会の生活に飽きて、田舎へ気晴らしに来ているのだ。若々しくロマンティックな夢を追うタチヤーナは、彼女のまわりの田舎者とかけ離れた、この都会的で優雅な青年に恋してしまう。一方、オネーギンはタチヤーナのことを、恋愛小説を読みすぎた夢見がちな少女くらいにしか考えていない。
第2場:タチヤーナの寝室
初恋のオネーギンのことで想像力に火をつけられたタチヤーナは、オネーギンを夢みながら熱烈な恋文をしたため、乳母に届けるように頼む。

 

[第2幕]
第1場:タチヤーナの誕生日
田舎貴族たちがタチヤーナの誕生日を祝いに集まっているが、オネーギンは彼らを退屈極まりないと感じ、あくびを噛み殺している。礼儀正しく振舞う気分にさえなれない。そのうえ、タチヤーナからもらった手紙にも苛立ちを感じていた。それは、単なる子供っぽい愛の告白としか思えなかったからである。辺りが静かになったところで、彼はタチヤーナを探し出し、彼女を愛することはできないと伝え、恋文を破いてしまう。タチヤーナの悲しみはオネーギンの同情を引くどころか、かえって彼の苛立ちを募らせるばかりだ。そこへ遠縁のグレーミン公爵が現れる。彼はタチヤーナに恋していて、ラーリナ夫人は、輝ける縁談に期待をかけている。しかし、心の痛手を抱えるタチヤーナはこの優しい親戚に殆ど気付かない。オネーギンは、退屈を紛らわすためにオリガに言い寄ってレンスキーを怒らせようとし、オリガは軽い気持ちで一緒にからかう。しかし、激情にかられたレンスキーは事を深刻に受け止め、オネーギンに決闘を申し込む。
第2場:決闘の場
タチヤーナとオリガは、レンスキーをなだめようとするが、友人オネーギンの裏切りと、婚約者の気まぐれによって彼の高潔でロマンティックな理想は砕け散ってしまった。レンスキーは決闘をすべきだと言い張り、オネーギンは友人を殺してしまう。

 

[第3幕]
第1場:サンクト・ペテルブルク
月日が発ち、自らの虚しさから逃れるように世界を放浪した末、サンクト・ペテルブルクに戻ってきたオネーギンは、グレーミン公爵邸の舞踏会に迎え入れられる。グレーミン公爵は結婚しており、風格と気品に溢れる彼の若い妻が、かつて自分が拒んだつまらない田舎少女のタチヤーナだと気付き、オネーギンは驚愕する。自分の犯した過ちと、失った物の大きさに恐れおののくオネーギンには、今や人生は一層虚しく、無意味に感じられる。
第2場:タチヤーナの私室
オネーギンはタチヤーナに愛を打ち明け、会いたいと記した手紙を書いたが、彼女は彼に会う気はない。タチヤーナは疑いもしない夫に、今夜は1人にしないでと懇願するが、空しく終わる。オネーギンが現れ、彼女への愛を告白する。タチヤーナは感情の嵐に動揺しながらも、オネーギンの改心は遅すぎたと悟る。彼女はオネーギンの眼の前で手紙を破り、永遠に自分の前から消えることを命ずる。