躍進する東京バレエ団 vol.11 The Tokyo Ballet

 小顔につぶらな瞳、手脚長くすらっとした体つき。今年6月『ラ・シルフィード』のタイトル・ロールに抜擢され注目を浴びた。重力を感じさせない軽やかな跳躍、柔らかな体使いは妖精そのもの。農夫ジェイムズを誘惑する場面では、抑えた演技ながら純朴な若者を破滅の道へと巧まず引きこんでいく。繊細な感受性も兼ね備えた期待のバレリーナである。
 恵まれた肢体や柔軟性は天性のものだが、上体と脚がなめらかにつながる優美な踊りは幼少からの鍛錬のたまものであろう。ボリショイ・バレエ学校仕込みの本格派だ。
 昨春以降、子どものためのバレエ『ねむれる森の美女』のオーロラ姫を各地で踊る。若々しくチャーミングな踊りは好評を博し上げ潮にのっている。
 来春、ジョン・ノイマイヤー版『ロミオとジュリエット』のジュリエット役に巨匠自らの指名を受けて挑む。激しくはかなく生き急いだ若い男女の恋物語のヒロインにぴったり。2014年は一段と飛躍を遂げる年となりそうだ。

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