芸術監督オレリー・デュポンのもと、新時代を迎えているパリ・オペラ座バレエ団。 “バレエの殿堂”の威力をあらためて示すエトワールたちは、誰もが日本公演への意欲満々! パリ在住のジャーナリスト、濱田琴子さんによる現地取材でご紹介します。
ジョシュア・オファルト Josua Hoffalt 期待と信頼に応えるエトワールとしての初ツアー
「プルミエに上がってすぐが、最後のオペラ座のツアーだったかな。『ジゼル』のヒラリオン役でした。この仕事は肉体的にそれほどきつくなかったので、東京見物をする余裕があったことを覚えていますよ」
来たる3月の来日では、ジョシュアにそんな時間はどうやらなさそうだ。エトワールとして初めてツアーに参加する今回、彼が配役されているのは『ラ・シルフィード』、〈グラン・ガラ〉の『テーマとヴァリエーション』と『アザー•ダンス』。つまり、踊らないのは『ダフニスとクロエ』だけというように、大活躍をするのだから。
「来日公演のプログラムの内容はとても充実していますね。もっと長期間のツアーだったらいいのに、って残念に思います」
このように、今からやる気満々。〈グラン・ガラ〉で踊る2作品には、ショパンとチャイコフスキーという好きな作曲家の曲にのせて踊る喜びがあるという。どちらもパートナーはドロテ・ジルベールだ。 『ラ・シルフィード』はリュドミラ・パリエロと踊るが、ジェイムズ役に彼が取り組むのは今回が初めて。
「興奮していますよ! ピエール・ラコットが復元した『ラ・シルフィード』というのは、絵画に例えたらルーヴル美術館にかかっている巨匠の作品のようなものですからね。ダンサーのキャリアにとって、このロマンティック・バレエの代表作を踊れる機会が得られるのは大切なことです。テクニック的には、なかなか特殊な作品といえます。プティット・バットリーが多くって…‥だから、とりわけ下肢の仕事が重要となるので、それなりの準備をしようと思っています」
ミリアム・ウルド=ブラーム Myriam Ould-Braham Photo: James Bort / OnP 満を持して挑む初役シルフィード役は芸術監督のお墨付き!
オペラ座の年末公演『白鳥の湖』で、ミリアム・ウルド=ブラームはオディール/オデットに初役で挑む。愛くるしいフランス人形のようなイメージの強い彼女が、どんな黒鳥を踊るのだろう?と、これはバレエファンの好奇心をおおいに刺激することだ。“夜と昼”ほどの違いをみせます! と彼女も初舞台への意気込みを語る。
この後、さらに初役が続く。意外に思えるが、『ラ・シルフィード』で主役を踊るのは3月の来日公演が初めてなのだという。彼女はこの役にぴったり!と、芸術監督オレリーが言うように、ミリアムも自分の持つ雰囲気がロマンティック・バレエ向きであることを承知している。
「空気の精シルフィード役は、『ラ・バヤデール』のニキヤや、『ドン・キホーテ』のキトリより、私には入りやすい役といえますね。パートナーが気の合うマチアスというのも、とても嬉しいです」
『リーズの結婚』を10年前に一緒に踊って以来、彼は彼女の最高のパートナーであり続けている。世界的名声に惑わされることなく、常に誠実で、繊細な気遣いを忘れないマチアス。舞台上で彼と視線が合うと、つい笑みが浮かんでしまうそうだ。そんな素晴らしい関係の二人は、〈グラン・ガラ〉で踊るバランシンの『テーマとヴァリエーション』でも観客を楽しませることだろう。
久々の来日を心待ちするミリアム。3歳にもならない長男と2週間以上離れるのは、睡眠時間がとれる嬉しさがあるものの、寂しくなるに違いない!と気持ちが行ったり来たり。こう言って、ちょっぴりママさん顔を見せた。
プレゼントキャンペーン NBS創立35周年記念クリスマス&お年玉キャンペーン
NBSの創立35周年を記念して、パリ・オペラ座バレエ団2017年日本公演のチケットをご購入いただいた方の中から、抽選で特別プレゼントを進呈する「クリスマス&お年玉キャンペーン」を開催します。
下記キャンペーン期間内にNBS WEBチケット、またはNBSチケットセンターの電話予約にてパリ・オペラ座バレエ団公演のS,A席をご購入いただいた方が対象となります。(バレエの祭典は追加券購入者が対象となります)
昇進ニュース ジェルマン・ルーヴェ昇進2017年1月よりプルミエに!
日本公演『ダフニスとクロエ』に主演するジェルマン・ルーヴェは2017年1月からプルミエに昇進! パリで行われたバレエファン注目の昇級コンクールについて、濵田琴子さんによるレポートをご紹介。
オペラ座バレエ団恒例のコール・ド・バレエ昇級コンクールが11月4日(男子)、5日(女子)に開催された。結果発表は毎回スリリングであるが、これまでに比べ、今回は誰もが納得できる公正な結果に終わったといえる。
1席のプルミエ・ダンスールの空きを獲得したのは、下馬評通りにジェルマン・ルーヴェだった。クラシックもコンテンポラリーも技術的に優れている。身体のラインが美しく、どことなく夢見がちな雰囲気の持ち主の彼はプリンス役が似合うこと間違いなしのダンサー。オペラ座の年末公演『白鳥の湖』では、初役でジークフリートを踊る。
ジェルマンに次いで2位となったのは、来日公演の『ダフニスとクロエ』でドルコン役に配されているマルク・モロー。自由曲で背中の表現も見事な『ダンシズ・アット・ア・ギャザリング』を披露した後に、観客席側にいたダンサーから「あれ、踊ってみたいって気にさせられた!」という賛辞が聞こえたほど。 それだけにプルミエの空きが1席しかなかったのは、とても残念だ。
女子でプルミエールへの昇級を決めたのはセウン・パク。静かな微笑みをたたえ、美しいダンスを踊る。スジェのクラスは8名が参加。通常は6位まで順位がつくのだが、票が割れたため4位以下の発表はなかった。2位はマリオン・バルボー、3位はエレオノール・ゲリノー。偶然にも二人とも自由曲が『アザー・ダンス』だった。タイプの異なる二人である。好みによって評価が分かれるが、エレオノールは人間的な深みを感じさせる成熟したパフォーマンスを見せた。技術的にも申し分のない彼女の『ラ・シルフィード』でのパ・ド・ドゥにぜひ期待を。
取材・文/濵田琴子(ジャーナリスト、パリ在住)
2017年
3月2日(木)6:30p.m.
3月3日(金)6:30p.m.
3月4日(土)1:30p.m.
3月4日(土)6:30p.m.
3月5日(日)3:00p.m.
会場:東京文化会館
2017年
3月9日(木)6:30p.m.
3月10日(金)6:30p.m.
3月11日(土)1:30p.m.
3月11日(土)6:30p.m.
3月12日(日)3:00p.m.
会場:東京文化会館
S=¥27,000 A=¥24,000 B=¥21,000 C=¥17,000 D=¥13,000 E=¥9,000
エコノミー券=¥4,000 学生券=¥4,000
★ペア割引(S,A,B席) ★親子ペア券(S,A,B席)
*エコノミー券はイープラスのみで、学生券はNBS WEBチケットのみで、2017年2月3日(金)より発売。
*表記の出演者は2016年9月23日現在の予定です。オペラ座バレエ団の都合、出演者の怪我等の理由により変更になる場合があります。
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