バイエルン国立歌劇場 2017年日本公演 モーツァルト作曲 『魔笛』 普遍のファンタジーを担う登場人物たちいずれも“当たり役”という強力キャスト!

 フィンランド生まれのベテラン・バス、マッティ・サルミネン。その豊かな声量と堂々たる風貌は、まさにザラストロそのもの! ザラストロは、夜の女王に言わせれば“娘をさらった悪者”ですが、実は賢者にして平和をもとめる人格者。さらにこのザラストロ、夜の女王の夫の友人で、彼が亡くなるときに「全てを焼き尽くす七重の日輪」を渡されていたのです。夫亡き後、夜の女王はこの「日輪」を取り戻し、権力を得ようと躍起になります。そんな母親の元には置いておけないと、ザラストロはパミーナを保護したというわけ。懐の深さを感じさせる説得力ある歌唱は、サルミネンの本領発揮の役どころです。

 美声テノール、ダニエル・ベーレが国際的な注目を集めることとなったのは、ほかでもないタミーノ役でした。タミーノは、大蛇に追われて失神してしまうちょっと頼りない王子として登場しますが、囚われのパミーナ救出に向ける決意は強固。そして試練にも見事に打ち勝っていきます。“助けてくれ!”と登場する冒頭のほか、パミーナの肖像画に向かって愛を歌い上げるアリアでは叙情的な美しい声が聴かせどころに。ダニエル・ベーレは、2012年のウィーン・フォルクスオーパー日本公演『ウィンザーの陽気な女房たち』のフェントン役でも、伸びやかな美しい声で純粋な青年の恋心を歌いました。長身でイケメンなところも王子タミーノにぴったり!

 アメリカ、ウィスコンシン出身のソプラノ。2008年からフランクフルト州立歌劇場を拠点に本格的な活躍をスタートしたブレンダ・ラエ。すでに世界の著名なオペラハウスで活躍していて、そのレパートリーには、夜の女王を筆頭に、『ナクソス島のアリアドネ』のツェルビネッタや『ホフマン物語』のオリンピアとジュリエッタ、『ランメルモールのルチア』と『マリア・ストゥアルダ』のタイトルロールなど、コロラトゥーラを駆使する難役がずらり。いくつかの録音がグラミー賞にノミネートもされています。いま最も注目すべきコロラトゥーラ・ソプラノの新鋭と言ってよいでしょう。『魔笛』最大の聴きものである夜の女王のアリアでの本領発揮に期待!

 ハンナ=エリザベス・ミュラーは、いわばバイエルン国立歌劇場の“生え抜き”。バイエルン国立歌劇場オペラ・スタジオを経て、アンサンブル・メンバーとして活躍、2013年にはミュンヘン・オペラ・フェスティバル賞を獲得しました。翌2014年にはザルツブルク復活祭音楽祭でティーレマン指揮『アラベラ』のズデンカで一躍注目を集め、オペルン・ヴェルト誌の年間最優秀若手歌手に選ばれました。2016/17年シーズンにはメトロポリタン歌劇場へのデビューも果たす注目の実力派です。強力な母親とは異なり、穏やかさをもちながらも毅然とした芯の強さをもつパミーナには、彼女の持ち味である堂々たる声量が魅力に。

 ハンガリーにルーツをもつバリトン、ミヒャエル・ナジの声楽キャリアはシュツットガルトの少年合唱団がスタート。ベルリン・コーミッシェオーパーでの活躍を経て、2006年からはフランクフルト・オペラに拠点を移し、モーツァルトからワーグナー、さらにロシア・オペラなど幅広いレパートリーで成功していますが、なかでもパパゲーノは最大の当たり役といえるでしょう。2013年にはバーデン・バーデンでラトル指揮ベルリン・フィルとの共演でも注目されました。パパゲーノは、全身を鳥の羽で装い、楽観的な性格でありながら臆病で強がりというキャラクター。感情をありのままに表現し、聴衆から親近感や笑いを誘うこの役には、歌唱力だけでなく演技力も要求されます。

 フランス人ソプラノ、エルザ・ベノワは、アムステルダム音楽院を2011年に卒業、2013年から15年にはバイエルン国立歌劇場オペラ・スタジオで研鑽を重ねました。2015/16年シーズンには、クラーゲンフルト市立劇場のメンバーとして活躍。驚くほど美しく魅力的な存在感と評された期待の若手。 パパゲーナは、“18歳と2分”の年齢だと言いながら、老婆の姿でパパゲーノの前に現れます。でも、最後にはパパゲーノとお揃いの鳥の羽の衣裳を着た愛らしい娘として登場! パパゲーノとの二重唱「パ・パ・パのアリア」での愛らしさには、思わず微笑んでしまうはず。

2017年日本公演
バイエルン国立歌劇場

『タンホイザー』(全3幕)

【公演日】

2017年
9月21日(木)3:00p.m.
9月25日(月)3:00p.m.
9月28日(木)3:00p.m.

会場:NHKホール

指揮:キリル・ペトレンコ
演出:ロメオ・カステルッチ

【予定される主な配役】

領主ヘルマン:ゲオルク・ゼッペンフェルト
タンホイザー:クラウス・フロリアン・フォークト
ウォルフラム:マティアス・ゲルネ
エリーザベト:アンネッテ・ダッシュ
ヴェーヌス:エレーナ・パンクラトヴァ

【入場料[税込]】

S=¥65,000 A=¥59,000 B=¥54,000 C=¥42,000 D=¥32,000 E=¥25,000 F=¥17,000
エコノミー券= ¥15,000 学生券= ¥8,000

『魔笛』(全2幕)

【公演日】

2017年
9月23日(土・祝)3:00p.m.
9月24日(日)3:00p.m.
9月27日(水)6:00p.m.
9月29日(金)3:00p.m.

会場:東京文化会館

指揮:アッシャー・フィッシュ
演出:アウグスト・エヴァーディング

【予定される主な配役】

ザラストロ:マッティ・サルミネン
タミーノ:ダニエル・ベーレ
夜の女王:ブレンダ・ラエ
パミーナ:ハンナ=エリザベス・ミュラー
パパゲーノ:ミヒャエル・ナジ

【入場料[税込]】

S=¥56,000 A=¥49,000 B=¥42,000 C=¥35,000 D=¥26,000 E=¥20,000 F=¥16,000
エコノミー券=¥15,000 学生券=¥8,000

* E、F 券は指定プレイガイド(イープラス、チケットぴあ、ローソンチケット )のみで発売。
*エコノミー券はイープラスのみで3月19日(日)より、学生券はNBS WEBチケットのみで8月18日(金)より受付。

<2演目セット券 [S, A, B席]>
WEBチケット先行発売[座席選択]
2月27日(月)21:00~3月6日(月)18:00
WEB&電話一斉発売
3月18日(土)10:00より
NBSチケットセンター:03-3791-8888/東京文化会館チケットサービス:03-5685-0650



<単独券 [S 〜 D席]> WEBチケット先行発売 [座席選択]
3月25日(土)~3月31日(金) 一斉発売
4月15日(土)