シルヴィア

STORY

第1幕———聖なる森


シルヴィア:ゼナイダ・ヤノウスキー、 アミンタ:デヴィッド・マッカテリ

愛の神エロスの神殿の前で、森の精たちが月の光を浴びながら踊る。そこへシルヴィアに恋する羊飼いのアミンタが踏み込み、踊りは遮られる。アミンタはシルヴィアと従者たちがやって来る気配を感じて身を隠し、彼女たちが狩の成功を祝いながら踊る様子を眺める。女神ディアナに仕えるニンフの一人であるシルヴィアは愛を放棄することを誓っており、エロスの像を嘲る。一方、同じようにこっそりシルヴィアの様子を眺めていた悪しき狩人オリオンも、彼女の美しさに激しく胸を焦がし、何としてでも我がものにしようと心に決める。

アミンタは、マントが見つかって、隠れ場所から引きずり出される。アミンタはシルヴィアへの恋心を打ち明けるが、激怒したシルヴィアは、悪戯をなじってエロスに弓を引く。エロスをかばおうとしたアミンタは、シルヴィアの矢で心臓を射られてしまう。エロスはシルヴィアに矢を放って応酬する。動揺したシルヴィアは自分の心臓に突き刺さった矢を抜き、仲間と共にその場を去る。

野良仕事に行く途中の農民たちが、エロスを讃えて踊る。農民たちが去ったところへオリオンが登場し、横たわるアミンタの体を満足げに見るが、シルヴィアが戻ってきたため身を隠す。エロスの矢に心臓を射られたシルヴィアは、アミンタの亡骸を見て悲嘆に暮れる。オリオンは飛び出してシルヴィアを捕え、自分の住む島の洞窟へとさらっていく。

農民の一人がシルヴィアのさらわれる様子を目撃し、仲間を呼び戻す。彼らもまた、アミンタの亡骸を見て涙に暮れる。集まった者の中に、マントをまとった見知らぬ男の姿があり、皆から助けを求められる。男が近くの藪で花を一本摘み、その花びらをアミンタの唇に押し付けると、アミンタは息を吹き返す。アミンタが礼を言うと、男はシルヴィアがさらわれたことを告げる。シルヴィアの弓が農民に見つかったことから、男は自分がエロスであることを明かし、アミンタにシルヴィアを探しに行かせる。

第2幕———オリオンの島の洞窟

オリオンは、宝石や美しい服でシルヴィアを誘惑し、その愛を得ようとするがうまくいかない。シルヴィアはエロスの矢によって、アミンタへの愛に気づかされるが、逃げ出そうとした時に、その矢をオリオンに奪われてしまう。オリオンから酒を勧められたシルヴィアは、言い寄られるのを避けて、逆にオリオンに酒を勧める。そして自分はオリオンのために踊り続け、オリオンを酔いつぶれさせる。矢を取り戻したシルヴィアは、エロスに助けを求めて祈る。エロスは姿を現し、ダイアナの神殿でシルヴィアを待ちわびているアミンタの様子をシルヴィアに見せる。そして二人を再会させるべく、シルヴィアを連れてアミンタのもとへ向かう。

第3幕———ダイアナの神殿近くの海岸

シルヴィア:マリアネラ・ヌニェス
アミンタ:ルパート・ペネファーザー

酒神バッカスを讃える祭りが、シルヴィアを探しにきたアミンタによって遮られる。アミンタはシルヴィアがダイアナの神殿にいるのではないかと思っているのだが、扉は閉ざされている。そこへ、エロス、シルヴィアと従者たちを乗せた船が近づいてくる。エロスは恋人たちを引き合わせる。
皆が大喜びするところへオリオンが現れる。オリオンは再びシルヴィアをさらっていこうと心に決めている。シルヴィアは神殿に身を隠すが、アミンタと決闘したオリオンが神殿に押し入ろうとする。侵入に激怒してダイアナが姿を現し、オリオンを殺す。ディアナの怒りは今度は恋人たちに向けられ、二人が結ばれることを禁じる。エロスは、ダイアナ自身もただの羊飼いにすぎないエンデュミオンにかつて夢中になっていたことを彼女に思い出させる。ディアナの心は和らぎ、恋人たちに祝福を与える。

Photo:Bill Cooper