ザ・カブキ

歌舞伎の「仮名手本忠臣蔵」をもとに創作された「ザ・カブキ」は、現代の青年が『忠臣蔵』の時代にタイムスリップし、武士“由良之助”となって主君の仇討ちに生き、死んでいく物語です。日本が世界に誇る伝統芸能と精神文化の武士道を、西欧のバレエという手法で絶妙に表現した舞台は、1986年の初演以来、世界中で反響を呼び、総上演数160回のうち、じつに106回が有名オペラハウスを中心とした海外の舞台で上演されてきました。来年6月から7月にかけて行う第24次海外公演でも、ミラノ・スカラ座、ハンブルク・オペラ、ベルリン国立歌劇場での公演が決まっています。

東京バレエ団では、ベジャールが遺したこの傑作を未来へと繋げるため、第24次海外公演に先駆けて上演する「ザ・カブキ」に20歳と17歳の若手ダンサーを抜擢しました。初日に由良之助を演じるのは、2008年に18歳で東京バレエ団に入団し、09年の「白鳥の湖」<Stars of Tomorrow>でロットバルトに抜擢され、堂々とした舞台を見せた柄本弾(つかもと だん)。そして、入団1年目、弱冠17歳の二階堂由依(にかいどう ゆい)が顔世御前役で鮮烈なデビューを飾ります。若さほとばしる二人の舞台に期待が高まります。

また、2008年に第23次海外ツアーではじめて顔世御前を演じ、絶賛された上野水香が、日本デビューを果たします。その上野を支え、由良之助を演じるのが後藤晴雄。後藤は1992年に19歳で抜擢され以来、世界の檜舞台で由良之助を演じ、喝采を浴びてきました。

バレエと歌舞伎の所作が明示する現在と過去。バレエの跳躍や回転技で躍動する武士たち。豪華な内掛けをガウンのようにさばく腰元たち・・・。異国の人々 が日本人や日本文化の何に興味をもち、何が国境を超えて人々を感動させるのか。私たち自身も知らなかった日本について教えてくれ、真の異文化コラボレー ションを示唆してくれた、モーリス・ベジャールから日本への素晴らしい贈り物――「ザ・カブキ」の魅力を、思う存分味わってください!

「ザ・カブキ」上演記録

1 1986 4月 世界初演 東京、大阪 4 2 9月~10月 第9次海外公演 ヨーロッパ 31 3 1987 7月 凱旋公演 東京 2 4 8月~12月 全国縦断公演 全国 20 5 1988 2月~4月 第10次海外公演 ヨーロッパ 30 6 12月 神奈川 1 7 1990 9月 東京 2 8 1992 10月 第13次海外公演 ロシア 9 9 1993 5月 <ベジャール・ガラⅢ> 東京 2 10 9月~10月 第14次海外公演 ヨーロッパ 6 11 12月 東京 1 12 1998 1月 東京 1 13 8月~9月 第17次海外公演 南米 5 14 1999 4月~6月 第18次海外公演 ヨーロッパ 8 15 12月 創立35周年記念<ベジャール・ガラ>前夜祭 全国 8 16 2001 10月 第19次海外公演 ヨーロッパ 7 17 2002 12月 討ち入り300年記念公演 東京、他 4 18 2004 4月 創立40周年記念<ベジャール・ガラⅡ> 東京 2 19 4月 第46回大阪国際フェスティバル 大阪 1 20 5月~7月 第21次海外公演 ヨーロッパ 2 21 2007 1月 東京、他 4 22 2008 5月~7月 第23次海外公演 ヨーロッパ 8 23 2008 12月 東京 2         合計      160

2008年6月、ベジャール・バレエ団の本拠地スイス・ローザンヌ、ボーリュー劇場で喝采を浴びた「ザ・カブキ」

photo:Kiyonori Hasegawa、Philippe Pache

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