助成:文化芸術振興費補助金(トップレベルの舞台芸術創造事業)
〈モーリス・ベジャール没後5年 記念シリーズ2〉
20世紀最高の振付家、その大きさ、豊かさを再発見!
ベジャール・ガラ
「中国の不思議な役人」 「火の鳥」/「ギリシャの踊り」 「ドン・ジョヴァンニ」
Maurice Béjart Gala
※音楽は特別録音によるテープを使用します
東京バレエ団 THE TOKYO BALLET
総監督:佐々木忠次 芸術監督:飯田宗孝
ベジャールの海の中で味わう、
めくるめく熱狂・興奮・陶酔・ユーモア!
20世紀後半のバレエに革命的変革をもたらし、現代最高の振付家と謳われた、モーリス・ベジャールの没後5年記念シリーズ第二弾は、ベジャールの傑作選でお贈りする〈ベジャール・ガラ〉です。
まず、劇的な構造とインパクトをもつバルトークのマイム劇に1920年代の映画の雰囲気を盛り込んだ、ベジャール90年代の傑作「中国の不思議な役人」は、注目の競演でお届けします! 初日には元ベジャール・バレエ団の小林十市が2年前の「M」に続いて特別出演し、1日限りベジャール・ダンサーとして復活。伝説の十八番が再びお目見えします。いっぽう2日目には、東京バレエ団初演以来、本作の演技で絶賛を浴びてきた木村和夫が、本役最後となる演技を披露します。
その木村和夫が初日に演じるのは、ベジャールの“3大傑作”に数えられる「火の鳥」。彼が演じる“火の鳥”もいよいよ最後の機会となります。
2日目、「火の鳥」に代わって上演するのは、今年7月、横浜港湾での野外公演でも見る者を陶酔に誘った「ギリシャの踊り」。そして女性ダンサーたちが、見えざる“憧れの君”に想いを馳せるチャーミングな「ドン・ジョヴァンニ」は両日にわたってお届けします。
ベジャールが選び表現した豊かな音楽の海の中で、熱狂・興奮・陶酔・ユーモアをたっぷりと味わえるこのベジャール祭に、あなたもぜひご参加ください!
※↓罫線で囲んでください。
小林十市(特別出演)
1989年モーリス・ベジャール・バレエ団(BBL)に入団。「春の祭典」「火の鳥」「中国の不思議な役人」等で主要な役を踊る。2002年にベジャール振付のソロ「東京ジェスチャー」で新境地を拓くが、翌年、腰椎を痛めてBBLを退団。俳優に転向し、舞台を中心に活動する。2010年、東京バレエ団公演「M」の“Ⅳ-シ(死)”役でダンサーとして復活。 本公演はベジャール・ダンサーとして2度目の復活の舞台となる。
上演作品・キャスト
「中国の不思議な役人」(1/19,20上演)
音楽:ベラ・バルトーク
バルトーク作曲のパントマイム劇を、ベジャールが敬愛するフリッツ・ラングの映画のイメージを借りてバレエ化した。無頼漢たちが次々と人を襲い、身包み剥がしていく。だが3番目に現れた“中国の役人”だけは、何をしても息の根を止めることができない・・・。ベジャールは無頼漢の“娘”役を男性に、娘が襲う“若い男”役を女性に演じさせることで作品に倒錯感を与え、濃厚な世界を作り出すことに成功した。
■主な配役
役人: 小林十市(1/19)、木村和夫(1/20)
娘: 小笠原亮(1/19)、宮本祐宜(1/20)
「火の鳥」(1/19のみ上演)
音楽:イーゴリ・ストラヴィンスキー
ベジャールは、ストラヴィンスキーがロシア人であるということと、革新的な作曲家であるということに注目し、バレエ用全曲ではなく組曲を用いて、独自のバレエ「火の鳥」を創作した。設定はパルチザンの闘争。ジーンズの作業服に身をかためた革命軍のグループの踊り。その中のひとりが作業服を脱いで赤いタイツ姿となり、リーダー“火の鳥”になる。闘いの果てにリーダーは倒れるが、不死鳥が現われて彼を蘇らせる。
■主な配役
火の鳥:木村和夫
「ギリシャの踊り」(1/20のみ上演)
音楽:ミキス・テオドラキス
原題は「タラサ、われらの海」。ギリシャ人作曲家ミキス・テオドラキスのエキゾティックな音楽にのせた、文字通り、地中海をテーマにしたダンス。晴れわたる空ときらめく陽光のもと、風をはらみつつも穏やかにたゆたう碧い海。そして、古代から幾多の人間の生を育んできた母なる海――若者たちや娘たちの官能的な美しさを湛えたダンスが、めくるめく地中海のイメージを舞台に出現させ、祝祭的な陶酔の波が押し寄せてくる。
■主な配役
ソロ:後藤晴雄
二人の若者:小笠原亮、岡崎隼也
パ・ド・ドゥ:小出領子、梅澤紘輝
ハサピコ:上野水香、高岸直樹
「ドン・ジョヴァンニ」(1/19,20上演)
音楽:フレデリック・ショパン
名うてのプレイボーイ、ドン・ジョヴァンニ。その姿は見えないけれど、女の子たちは彼に向かってはしゃいだり気取ったり泣いたり笑ったり。モーツァルト=ショパンの愛らしい楽曲にのせて、愛と情熱を込めたヴァリエーションやキュートなラインダンスを踊る。ところが憧れの彼はじつは…。実態のないアイドルへの微妙な乙女心が、ユーモアたっぷりに描かれた作品。
■主な配役
ヴァリエーション6:上野水香(1/19)、吉岡美佳(1/20)