巨匠メータと“世界一の弦”IPO―かたい絆の最強コンビ!
ズービン・メータ指揮 イスラエル・フィルハーモニー管弦楽団
The Israel Philharmonic Orchestra MUSIC DIRECTOR Zubin Mehta photo: Helikon photo: Oded Antman


世界でも稀な絆でつながる巨匠指揮者と名門楽団の豊かな個性が味わえる!
イスラエル・フィルとズービン・メータの関係は古い。メータが初めてこのオーケストラを指揮したのは1961年。いまから53年も前のことである。急病の指揮者の代役として、この年まだ25歳の青年に声がかかったのだった。それから数年おきに招かれるうちに連帯が強まり、1968年に音楽顧問、1977年に音楽監督、そして1981年に終身音楽監督になった。このコンビで初めて来日したのは、その2年後の1983年のことである。
31年前のこの日本公演のとき、マーラーの交響曲第5番をメインとするプログラムを聴いたが、指揮者と楽員が互いに深く信頼しあっていることを実感した。その後も、この関係は揺らぐどころかますます強固なものとなった。たび重なる来日公演は、その何よりの証明だった。
メータは、音楽的にも人間的にも、早くからこのオーケストラと固い結びつきを感じてきたという。いうまでもなく、イスラエルは周辺国との関係が難しい。メータが音楽顧問となってからも、戦争に発展したことが何度かあったが、そのたびにメータは他の仕事を放り出して駆けつけ、困難な状況下にある市民とオーケストラを慰め、励ますために指揮台に登った。
3年前の東日本大震災のとき、フィレンツェ歌劇場と来日していたメータは、公演続行を強く希望しながらも、いったんは離日を余儀なくされた。しかしその後すぐに戻ってきて、「東京・春・音楽祭」でベートーヴェンの《合唱》を指揮してくれたときの感動は、いまも忘れられない。
多忙なスケジュールの合間のわずかな隙間を利用してのこの献身的な活動ぶりを見て、イスラエル・フィルがなぜこの指揮者をかくも深く、かくも長く信頼するのか、初めて本当にわかった気がした。
そして、あのような困難な時期にあえて《合唱》を選ぶメータの決意に、この曲が本当に必要とされるのはどのような状況なのか、そして作曲家がこの曲に込めた熱い願いがどんなものなのか、初めて本当にわかった気がした。
そのメータとイスラエル・フィルが、4年ぶりに来日する。今回はどんな音楽を聴かせてくれるのか。
このオーケストラは、弦の響きに特色がある。濃厚で豊かな艶をもち、ときにむせかえるような官能性を発揮する。ヴィヴァルディの《4つのヴァイオリンのための協奏曲ホ短調》は、その特長をまさに活かせる曲目だし、モーツァルトの《リンツ》交響曲も、豊麗で艶やかに響くだろう。
そして、メインのチャイコフスキーの交響曲第5番。美しく印象的なメロディとともに、チャイコフスキーの作品のなかでもドラマチックで力強いエネルギーにみち、とりわけ人気の高い傑作交響曲だ。輝かしい金管を支え、憂いのあるメロディを歌い、第3楽章では優美なワルツを奏でる弦楽セクション。このコンビの豊かな個性と力が、ここで存分に発揮されるはずだ。
山崎浩太郎 (音楽評論家)



ズービン・メータ(終身音楽監督) Zubin Mehta photo: Helikon イスラエル・フィルハーモニー管弦楽団(IPO)の終身音楽監督であるズービン・メータは、現代を代表するオーケストラおよびオペラ指揮者である。IPOとは、オーケストラとメータがともに25歳を迎えた1961年の初顔合わせから数えて、50年におよぶ固い絆で結ばれている。この間メータは、イスラエルの危機的時期や戦争に際して、ためらうことなくIPOのもとに駆けつけて特別コンサートを催し、人々を勇気づけた。 1936年インドのボンベイ生まれ。ウィーン、イギリスでキャリアをスタートし、瞬く間にオーケストラ、オペラ指揮者として脚光を浴びる。モントリオール交響楽団、ロサンジェルス・フィル、ニューヨーク・フィルの音楽監督を歴任し、フィレンツェ歌劇場の首席指揮者、バイエルン国立歌劇場の音楽監督としても腕をふるった。 イスラエル・フィルハーモニー管弦楽団(IPO) The Israel Philharmonic Orchestra photo: Shai Skiff 名ヴァイオリニスト、ブロニスラフ・フーベルマンの呼びかけで欧州各国の優秀なユダヤ系音楽家たちが結集し、イスラエル建国に先立つ1936年にその前身が創設された。テルアビブで催された第1回演奏会の指揮は、アルトゥール・トスカニーニ。以来、バーンスタイン、ショルティ、マゼール、バレンボイム、メータをはじめ、錚々たる名指揮者たちとの共演で名を馳せている。ことに弦楽パートはユダヤ民族ならではの色合いや精神性がにじみ出るとも評され、音質・表現ともに一糸乱れぬアンサンブルの見事さはウィーン・フィルやベルリン・フィルを凌ぐとまで称えられている。 予定される曲目 A.ヴィヴァルディ :4つのヴァイオリンのための協奏曲ホ短調 Op. 3 No.4 RV550 W.A.モーツァルト :交響曲 第36番 ハ長調 「リンツ」K.425 P.I.チャイコフスキー:交響曲 第5番 ホ短調Op.64 ※曲目は演奏者の都合により変更になることがあります。

公演日&会場
![]() 公演日:10月26日(日)2:00 p.m.
会場:サントリーホール |
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入場料(税込)
S=¥25,000 A=¥22,000 B=¥19,000 C=¥16,000 ◆エコノミー券 ¥7,000 ◆学生券 ¥6,000 ※10人以上のグループでご購入の場合、割引があります。詳しくはNBSまでお問い合わせください。 |
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チケット発売方法
![]() 一斉前売り開始 6月14日(土)より
電話でのお申し込みNBSチケットセンター TEL03-3791-8888 平日:10:00~18:00 土曜:10:00~13:00 日・祝休みインターネットでのお申し込みNBS WEBチケット *ご利用いただく際には、事前に会員登録(登録料・年会費無料)が必要となります。 *NBSチケットセンターとは別の会員登録となります。NBS WEBチケット会員 座席選択先行予約(S,A,B券)受付期間:5/20(火)10:00~6/6(金)18:00 |
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前売所
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お問い合わせ・お申し込み
財団法人日本舞台芸術振興会 NBSチケットセンター 03-3791-8888 (平日10:00〜18:00、土曜10:00〜13:00、日祝休)
他都市公演
モーリス・ベジャール振付 ベートーヴェン「第九交響曲」
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