英国バーミンガム・ロイヤル・バレエ団 2015年日本公演
ロイヤル・バレエ団の姉妹カンパニーが魅せる、これぞ英国バレエの真髄!
巧みなドラマトゥルギーと心理描写。これぞ英国が極めた古典全幕バレエ! 「白鳥の湖」 全4幕 音楽:ピョートル・イリーチ・チャイコフスキー 振付:レフ・イワーノフ、マリウス、プティパ、ピーター・ライト 制作:ピーター・ライト、ガリーナ・サムソワ 美術:フィリップ・プロウズ 照明:ピーター・テイゲン 本演出の初演:1981年11月27日、 バーミンガム・ロイヤル・バレエ団(サドラーズ・ウェルズ・ロイヤル・バレエ団)
チャイコフスキーの音楽によるクラシック・バレエ不朽の名作『白鳥の湖』。初演の地ロシアをはじめ、世界のあまたの振付家たちが改訂を施し、多種多彩なバージョンが上演され続けていますが、演劇的バレエの伝統息づく英国において、英国ロイヤル・バレエ団のアンソニー・ダウエル版とともに双璧をなす作品とされているのが、英国バーミンガム・ロイヤル・バレエ団が上演している、ピーター・ライト版です。
前芸術監督として1977年から18年にわたって英国バーミンガム・ロイヤル・バレエ団を率いたライトは、『ジゼル』『コッペリア』はじめ古典作品のリアリティ溢れる改訂で世界的に高い評価を得ています。この『白鳥の湖』も、登場人物の細やかな心理描写をはじめ、巧みなドラマトゥルギーと重厚な美しさに満ちた舞台で、批評家、観客の絶大な支持を獲得しています。
その演出で最も特徴的とされているのは、幕開きに父王の葬列の様子が描かれていること。王の死を受け、すぐにも即位し、結婚しなければならないという、王子を取り巻く状況をより具体的に提示することで、その心理を丁寧に描き出すことに成功しています。王子に寄り添う従者ベンノの存在も重要で、このバージョンならではの衝撃的なラストにも、心揺さぶられるはず。
1981年、サドラーズ・ウェルズ・ロイヤル・バレエ団時代に初演され、30年以上にわたって愛されてきた、英国が誇るマスターピース。どうぞお楽しみに!
父王の逝去により、ジークフリート王子は王位を継ぎ、妻をめとらなければならない。彼の気を紛らわすパーティーが催されるが、突然亡き王の妃が現れ、翌日の舞踏会で花嫁を選ぶよう言いのこす。従者ベンノは、気落ちする彼に、成人祝いに贈られた弓を試そうと提案、二人は宮殿を後にした。
湖畔に佇むジークフリート。そこに一羽の白鳥が舞い降り、美しい乙女、オデット姫に変身した。彼女は悪魔ロットバルトの魔法で白鳥の姿に変えられ、真夜中から夜明けの間だけ人間の姿に戻れると話す。恋に落ちたことのない青年が永遠の愛を誓わなければ、その呪いは解けない。ジークフリートは彼女に永遠の愛を誓う。
翌日、宮殿で舞踏会が開かれる。そこにロットバルトとその娘でオデットそっくりのオディールが登場。ジークフリートは彼女をオデットと信じ込み、求婚する。すると窓辺にオデットの姿が! 彼は別人に愛を誓ってしまった。絶望した彼は宮殿を飛び出し、湖畔へと向かう……。
4月25日(土)2:00p.m./4月27日(月)6:30p.m. オデット/オディール: ジェンナ・ロバーツ(プリンシパル) オーストラリア出身。当地でバレエを学び、ロイヤル・バレエ学校を経て、2003年英国バーミンガム・ロイヤル・バレエ団に入団。間もなく頭角を現し、08年にファースト・ソリストに昇格。一時、怪我で辛い時期を過ごしたが、その後多くの作品で成功をおさめ、11/12シーズンの終わりにプリンシパルに昇格した。彼女の細くて長い脚は「アポロ」やバランシンの作品で大いに活かされ、高い評価を得ている。他に「白鳥の湖」、「くるみ割り人形」「ロミオとジュリエット」「眠れる森の美女」などで主演している。 ジークフリート王子: マシュー・ゴールディング(英国ロイヤル・バレエ団 プリンシパル) カナダ、サスカチュワン州生まれ。カナダのロイヤル・ウィベグ・バレエ学校とアメリカ、ワシントンD.C.のユニバーサル・バレエ・アカデミーで学ぶ。2002年、ユース・アメリカ・グランプリでグランプリを受賞。同年ローザンヌ国際バレエコンクールでスカラシップを獲得し、英国ロイヤル・バレエ学校に留学。03年、アメリカン・バレエ・シアターに入団。09年、オランダ国立バレエに移籍にプリンシパルとして活躍。14年に英国ロイヤル・バレエ団にプリンシパルとして移籍した。英国ロイヤル・バレエ団では、「ドン・キホーテ」、「眠れる森の美女」、「真夏の夜の夢」、「マノン」などに主演。 4月26日(日)2:00p.m. オデット/オディール: セリーヌ・ギッテンス(ソリスト) カナダのバンクーバーで生まれ育ち、3歳で母の指導のもとバレエを始める。2001年にバンクーバー・ごー・バレエ・アカデミーに入学。06年にバーミンガム・ロイヤル・バレエ団に入団。09年にファースト・アーティストに、11年にソリストに昇格。主なレパートリーとして、ピーター・ライト版およびガリーナ・サムソワ版「白鳥の湖」のオデット/オディール、「二羽の鳩」のジプシーの少女、「シルヴィア」のディアナなどがある。 ジークフリート王子: タイロン・シングルトン(プリシパル) サリーに生まれ、トリングのアート・エデュケーション・スクールと英国ロイヤル・バレエ学校に学ぶ。2003年に英国ロイヤル・バレエ団に入団。05年にファースト・ソリスト、07年にソリストに、13/14シーズンにプリンシパルに昇格した。早くから頭角を現し、「淑女と道化」のムーンドッグ、「シェイクスピア組曲」のオテロなど様々な役柄を演じてきている。「美女と野獣」、「白鳥の湖」、「コッペリア」、「シンデレラ」などで主演する一方、コンテンポラリー作品でも活躍する。 指揮:フィリップ・エリス 演奏:東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団