「ボレロ」
振付: | モーリス・ベジャール |
音楽: | モーリス・ラヴェル |
近年パリ・オペラ座バレエ団が輩出したエトワールの中でもカリスマ的なオーラを放つオレリー・デュポン。2015年春に行われたパリ・オペラ座でのアデュー公演はフランス国内の映画館でライブ上映されるほど関心を呼び、それから1年もたたないうちに発表された彼女の芸術監督への就任にバレエ界は話題騒然となりました。そのデュポンが、2017年2月、東京バレエ団とともにモーリス・ベジャール振付の傑作「ボレロ」を踊ります。
若い頃から盤石のテクニックと華やかさを備えていた彼女は、”グラン・エトワール“と称されたマニュエル・ルグリとペアを組むことで実力を引き上げられ、古典バレエはもとよりコンテンポラリーにおいても強烈なインパクトと豊かな表現力を併せ持つ唯一無二の存在となりました。赤い円テーブルの上で、儀式のように繰り返されるリズムと旋律に身をまかせ、やがて爆発的なフィナーレを迎える「ボレロ」。円熟のデュポンが本作で完全燃焼するさまを、想像しただけで鳥肌がたつというバレエ・ファンも多いのではないでしょうか。まさに見逃すことのできない舞台です!
Photo:AFP=時事
オレリー・デュポン(パリ・オペラ座バレエ団 芸術監督)
Aurelie Dupont
1989年パリ・オペラ座バレエ団に入団。ヴァルナ国際コンクールで金賞受賞。98年「ドン・キホーテ」主演後にエトワールに任命された。早くから古典とコンテンポラリーの両分野で活躍し、マニュエル・ルグリ率いるグループ公演や世界バレエフェスティバルで数多く来日。15年5月にアデュー公演を行い、翌シーズンはバレエ・ミストレスとしてパリ・オペラ座で活動。その途中の16年2月、次期芸術監督への就任が電撃的に報じられた。16/17シーズンよりその任にある。
「中国の不思議な役人」
振付: | モーリス・ベジャール |
音楽: | ベラ・バルトーク |
裏町で通りがかりの人々を襲う無頼漢たち。けれども不思議な“中国の役人”だけは、何をしても息の根を止められません。無頼漢たちをも戦慄させるこの中国の役人は、ある熱い思いを遂げることで瞑目するのです…。
ベジャールがバルトーク作曲のパントマイム劇を、敬愛するフリッツ・ラング監督の映画のイメージを借りて創作。退廃的で濃厚な空気が横溢するなか、バルトークの劇的な音楽にのせて、意表をつく場面がスピーディーに展開していきます。木村和夫は本作のタイトル・ロールをバレエ団初演から演じ、そのクールで鬼気迫る演技が高い評価を得てきました。彼の最後の“中国の役人”となる今回の舞台は必見です!
写真はウィーン国立歌劇場公演よりPhoto:Kiyonori Hasegawa
木村 和夫
Kazuo Kimura
1984年東京バレエ団に入団。2年後の「ザ・カブキ」初演で力弥に、89年ノイマイヤー「月に寄せる七つの俳句」初演では“月”に抜擢。以来、あらゆるレパートリーに出演し、柔軟な筋肉を生かした、精確でしなやかなダンスはバレエ団随一と称されてきた。ベジャールの「中国の不思議な役人」の標題役は初演から演じ、絶賛を浴びてきた代表作の一つ。
「中国の不思議な役人」 | 2/22(水) | 2/23(木) | |
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首領 | 柄本弾 | 森川茉央 | |
娘 | 宮川新大 | 入戸野伊織 | |
中国の役人 | 木村和夫 | 木村和夫 | |
ジークフリート | 森川茉央 | ブラウリオ・アルバレス | |
若い男 | 伝田陽美 | 二瓶加奈子 |
「イン・ザ・ナイト」(東京バレエ団初演)
振付: | ジェローム・ロビンズ |
音楽: | フレデリック・ショパン |
※「イン・ザ・ナイト」はバレエ団初演のため、配役はリハーサル後に決定となります。決まり次第、ホームページ等で発表いたします。
「ウェストサイド物語」等のミュージカルでも知られる20世紀の巨匠ジェローム・ロビンズがショパンのノクターンを中心としたピアノ曲に振付けたロマンティックで詩情漂う名作。豪華な夜会服に身を包んだ3組のカップルが、夜空の下、それぞれの関係性や恋模様を匂わせながら洗練されたダンスを繰り広げます。生粋のニューヨークっ子であるロビンズの作風はアメリカ的な明るさをもちつつも、粋のきわみともいえるセンスと音楽性が身上。「20世紀のアメリカの傑作をレパートリーに」という芸術監督の斎藤友佳理の意思をもとに、東京バレエ団が初めて挑戦するロビンズ作品にどうぞご期待ください!
写真はウィーン国立歌劇場公演よりPhoto:Kiyonori Hasegawa
※音楽は「イン・ザ・ナイト」はピアノ演奏、他は特別録音による音源を使用します。