異国情緒豊かな古代インドを舞台に、主人公ニキヤと恋人の戦士ソロルが愛憎渦巻く宮殿の陰謀に巻き込まれる悲恋を描く、古典の名作「ラ・バヤデール」。

東京バレエ団は、伝説の名プリマ、ナタリア・マカロワによる演出・振付版を2009年に初演。ニキヤのソロルへの純粋な愛を精霊の世界で描く名場面、“影の王国”の群舞がマカロワを感嘆させ、その完成度の高さは各紙各方面から絶賛を浴びました。またニキヤが陰謀に倒れた後、逡巡しながら結婚式に臨むソロルと王女ガムザッティに、魂となったニキヤがからむドラマティックな踊り。そこから寺院の崩壊というカタストロフになだれこむラストシーンは、見る人を興奮と感動の渦に巻き込む、マカロワ版ならではの見どころです。

本公演では、しなやかな体躯を駆使した爆発的なダンスを見せる新世代スター、ダニエル・カマルゴをゲストに迎え、東京バレエ団きってのスター上野水香がスケールアップした舞台をお見せします。また、才能を華麗に花開かせて急成長中のプリンシパル、川島麻実子が初主演に挑み、パワーと柔軟な演技力を併せ持つ柄本弾とともに主演を競います。脇を固める豊かなソリスト陣と自慢の群舞、そしてミラノ製の壮大なスケールの美術とディテイルまで凝った美しい衣裳に彩られた舞台をどうぞお楽しみください。

Photo:Kiyonori Hasegawa