現代バレエの巨匠振付家、モーリス・ベジャールが、国際的な作曲家の黛敏郎と、東京バレエ団とのコラボレーションによって生み出した傑作バレエ、それが「ザ・カブキ」です。
歌舞伎の「仮名手本忠臣蔵」をもとにした物語は、現代の青年が“忠臣蔵”の時代にタイムスリップし、サムライ“由良之助”となって主君の仇討ちを果たすまでを描きます。歌舞伎と武士道──日本が世界に誇る伝統芸能と精神文化が、バレエという西欧の様式で絶妙に表現される舞台は、斬新にしてダイナミック。1986年、東京での衝撃的な初演以来、世界中の名門歌劇場で喝采を浴びつづけ、現在まで日本を含む世界16か国で197回上演されてきました。
そして2019年7月、世界を制覇してきた「ザ・カブキ」が久々に、名門中の名門であるウィーン国立歌劇場とミラノ・スカラ座に登場することが決定! 今回はその壮行会ともいえる公演です。
由良之助を演じるのは、20歳で抜擢されて以来、数々の歌劇場で“討ち入り”を率いて“由良之助”の風格が身についた柄本弾。そして、群を抜くテクニックと海外での経験を生かし、2年前の初役を見事に成功させた秋元康臣。顔世役の上野水香、奈良春夏ほか、充実のソリスト陣と圧倒的な群舞が不朽の名作をドラマティックに演じ踊ります。
季節はあたかも、赤穂浪士たちが討ち入りを果たした12月。四十七士の凛とした生き様と活躍をバレエでご堪能ください!
現代の若者が一振りの刀を手にした途端に『忠臣蔵』の世界にタイムスリップする。若者はそこで、将軍家の供応役となった塩冶判官が、妻への横恋慕から執権の師直に嫌がらせをされ、殿中でご法度の抜刀をして切腹へと追いつめられるまでをつぶさに目撃する。判官切腹の場に居合わせた若者は、仇討の遺言を託される。さらにお家断絶となった塩冶家の人々の悲劇を見た若者は、残された家臣たちのリーダー、“大星由良之助”となる決意を固めていく……。
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