1909年、希代のインプレサリオ、セルゲイ・ディアギレフのもと、〈バレエ・リュス〉のパリでの初公演は、新時代のバレエを鮮やかに示して一大旋風を巻き起こした。その2年後の1911年、地中海を臨むモナコ公国のモンテカルロを本拠に得てバレエ団としての活動をスタートさせた。〈バレエ・リュス〉はこの地において多くの名作を準備し、パリ・オペラ座と同じ設計者ガルニエによる華麗な歌劇場で毎年春に公演を実施。「薔薇の精」をはじめ、この地で初演された作品も多い。
1929年、ディアギレフの死によって〈バレエ・リュス〉は解散。以後、何人かの関係者、振付家たちによってバレエ団はいくつかの名称をもって再生されるが、1951年に〈バレエ・リュス〉は完全に消滅した。
1985年、モナコ公国グレース公妃の遺志を継いだカロリーヌ公女が、ギレーヌ・テスマーとピエール・ラコットを芸術監督に招いてモンテカルロ・バレエ団を復活させ、1988年からのジャン=イヴ・エスケル時代を経て、1993年からは当時、気鋭の振付家であったジャン=クリストフ・マイヨーが現職に就任。
2000年、マイヨーは、幅広く豊富な公演、展覧会、ワークショップ、講演会を行うダンスの国際ショーケースである「モナコ・ダンス・フォーラム」を立ち上げる。バレエ団とプリンセス・グレース・アカデミーは定期的にこのフェスティバルに参加している。
2011年、ハノーファー公妃殿下のもと、マイヨー率いる新体制は3つの団体を統合。今日、モナコでは創作と教育と普及が一つに結びつき、これまでダンス界に存在しなかった方法で、ダンス芸術に寄与している。
振付家/芸術監督
ジャン=クリストフ・マイヨー
Jean-Christophe MAILLOT
※表記は2020年5月20日現在、モンテカルロ・バレエ団に所属するダンサーです。日本公演の際には変更が生じる場合がありますのでご了承ください。また配役はモンテカルロ・バレエ団の方針により、公演当日に発表いたします。