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Photo:  Yuji Namba

NEW2021/09/15(水)Vol.430

モーリス・ベジャール・バレエ団
ジル・ロマン インタビュー
2021/09/15(水)
2021年09月15日号
バレエ
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インタビュー

Photo: Yuji Namba

モーリス・ベジャール・バレエ団
ジル・ロマン インタビュー

2度の延期を経て、2021年10月に4年ぶりの日本公演を実現するモーリス・ベジャール・バレエ団。『ボレロ』『人はいつでも夢想する』『ブレルとバルバラ』のトリプル・ビル3公演と、全編にクイーンの音楽を使用した人気作『バレエ・フォー・ライフ』を4公演、後者は13年ぶりの日本での上演となる。ベジャール亡き後、2007年から芸術監督を務めるジル・ロマンは、8月に開催された世界バレエフェスティバルに出演するため来日し、アレッサンドラ・フェリとの共演でベジャール振付の『椅子』(1981)を再演した。かつてベジャールが初演した役を憑依的に演じて会場を震撼させた彼に、10月の日本公演への期待やコロナ禍でのカンパニーの活動について聞いた。

ダンサーに糧を与えようと務めたコロナ禍の下での活動
芸術監督には彼らの成長を助ける役目がある

Photo: Yuji Namba

「カンパニーの活動を休止しなければならなかったのは幸い4週間ほどで、そこから小さなグループに分けてトレーニングを始めました。私自身が気に入っているモーリスの『わが夢の都ウィーン』という作品を掘り起こして、ダンサーに役を与えてみんなが踊れるようなところまで練習したんです。時間はかかりましたが、とても生産性の高い、いい時間を過ごせました。ローザンヌで行われる新作も準備し、私としてはとにかくダンサーに糧を与えようと、その期間も活動していました。時期を見ながらスタジオに30人規模の客席を作ってのプロジェクトも行い、ダンサーにはなるべくお客さんの前で踊る機会を設けさせたんです」

1979年に18歳で20世紀バレエ団に入団し、ダンサーとしてのみならず創作面でもベジャールの片腕として活動してきた。ベジャールの自伝には「私は彼(ジル)を三度解雇し、三度呼び戻した」という記述がある。
「少なくとも3回......ということです(笑)。私の性格として、若い頃は特に個性が強かったので、モーリス(・ベジャール)とはぶつかることが多かった。ぶつかっては和解するということの繰り返しで、入団して8年くらい経って、本当に彼と深い話し合いをして、お互いをよく理解することが出来ました。入団した当時は何度も去りたい、と思っていましたし、モーリスも当時のバレエ団に不満があって、悩みを抱えていたのです。向かい合って話す中で、互いに多くの共通点を見出し、関係が成熟し、それ以降はモーリスのすべてのクリエーションに携わりました。ダンサーは振付家とすぐに良好な関係を築けるとは限らないのです。時間が必要でしたが、今でもモーリスを双子のように感じています」

2007年にベジャールが80歳で亡くなり、その後14年にわたり芸術監督としてカンパニーを率いてきた。
(何が大変だったか)説明するのは難しいですね。ずっと副芸術監督という立場ではあったけれど、モーリスが亡くなってからは一から監督業を学んでいったというふうに思っています。ダンサーとどのように接していくか、どのように関係を築くのか、クリエーションをどのように作っていくか......少しずつ学んで、歩んでいって、自分のカンパニーになっていったのです。ダンサーの大変さと、ディレクターの大変さは全く異なります。ディレクターはダンサーの面倒を見て、彼らに幸せと糧をもたらし、どのような役を与えるのがいいかを考え、彼らの成長を助ける役目があります。大変といえば大変ですが、人生の中には大変なことはたくさんありますので......(笑)

ダンサーたちは家族のようなもの
つねにカンパニーは進化を遂げている

ジル自身、多くの創作も行ってきた。10月の日本公演では新作『人はいつでも夢想する』を上演する。
「原点は私が尊敬しているジョン・ゾーンの音楽でした。彼はたくさんの素晴らしいクオリティの音楽を作っている作曲家で、彼の音楽がこのバレエの霊感の源でした。私の他の作品もそうですが、テーマは「旅」で、自分自身を内観する旅が描かれています」

『人はいつでも夢想する』 Photos: BBL-Gregory Batardon

『バレエ・フォー・ライフ』では1996年の初演から、語りを含む中心的な役を踊ってきた。
「もう私は踊りませんが、最後の『ショー・マスト・ゴー・オン』には出演します。生前にベジャールが出ていたシーンです。私が演じていた役はガブリエル・アレナス・ルイスが演じます。他にも、馴染みのダンサーとともに若手ダンサーがダブルでキャスティングされ、日本のお客様の前でソロを踊ることになるでしょう」

『バレエ・フォー・ライフ』 Photos: BBL-Ilia Chkolnik

若いダンサーとともに、1990年代から活躍するエリザベット・ロスやジュリアン・ファヴローといったベテランもカンパニーを支えている。
「ダンサーたちのことは大好きです。でなければ一緒に活動は出来ませんし、家族のような存在です。ベテランには彼らの価値に寄り添うような役を与えたいと思っています。若いダンサーにもチャンスを与えていますし、つねにカンパニーは進化を遂げているのです」

計7回の公演には、子どもを無料で招待するプロジェクトもあり「若い人たちには、何かを実現することの素晴らしさを知ってほしい」と語る。待望の日本公演まで、あと1カ月。

取材・文 小田島久恵(フリーライター)

『バレエ・フォー・ライフ」プロモーション動画はこちらから
公式サイトへ チケット購入

モーリス・ベジャール・バレエ団2021年日本公演

人はいつでも夢想する」/「ブレルとバルバラ」/「ボレロ」
「バレエ・フォー・ライフ」

公演日

「人はいつでも夢想する」/「ブレルとバルバラ」/「ボレロ」
10月9日(土)14:00
10月10日(日)14:00
10月11日(月)18:30
*上演時間:約2時間30分(休憩含む)

「バレエ・フォー・ライフ」
10月14日(木)18:30
10月15日(金)14:00
10月16日(土)14:00
10月17日(日)14:00
*上演時間:約1時間45分(休憩なし)
*開演時間に遅れるとご自分の席に着席いただけませんので、時間に余裕をもってお越しください。

会場:東京文化会館

入場料[税込]

S=¥17,000 A=¥15,000 B=¥13,000
C=¥10,000 D=¥8,000 E=¥6,000
*ペア割引あり[S,A,B席]あり

U25シート=¥3,000
*NBS WEBチケットのみで?/??金)20:00から引換券を発売。

18歳以下限定・子ども無料招待あり 全日程/全3253席、要事前申し込み 詳細はこちらから
https://www.nbs.or.jp/stages/2021/bejart/u18.html