昨年の2月以来1年7カ月ぶりにマエストロ・ムーティがシカゴ響の指揮台に立った。
シカゴ響の第10代音楽監督に2010年に就任して以来これほど長期にわたってシカゴを留守にしたことがなかったマエストロとマエストロの帰りを首を長くして待っていた団員たちがやっと再会を果たした。
そして、9月23日、ベートーヴェンの交響曲第3番「英雄」で2021/22年のシーズンがオープンした。続いて30日はベートーヴェンの交響曲第7番、10月7日はチャイコフスキーの「悲愴」が演奏される。
今シーズンの開始に先立って、マエストロ・ムーティの契約が1年延長された。本来なら2022年6月で音楽監督交代となるはずだったが、パンデミックで失われた1年が取り戻されることになった。
2022年にアジアツアーが 計画されていたが残念ながらキャンセルとなり、翌年に延期が検討されている。
マエストロは今後シカゴのコンサートホールの定期演奏会のために10週間、海外ツアーと国内ツアーのために4週間、そのほか音楽監督としての任務に就く。
2023年6月、音楽監督としての最後の演奏会は、今年8月にザルツブルク音楽祭で大成功を収めたベートーヴェンの『ミサ・ソレニムス』が予定されている。
80歳になってますます元気なマエストロ・ムーティの今後のご活躍が楽しみだ。
取材・文 田口道子
*CSOのプログラム解説者フィリップ・ハッシャーのインタビュー。ムーティは「9月がオーケストラ、シカゴ、世界の新しい未来の始まりになることを願っている」 と、新シーズンについて語っています。
*CSO音楽監督を2023年まで延長したと報告するニュースとともに、CSOとのシーズン開幕の模様の写真が掲載されています。
リハーサルではマエストロも黒いマスク着用。