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フリーデマン・フォーゲル <br><small>Photo: Carlos Quezada</small>

2022/03/02(水)Vol.441

公演直前! フォーゲルインタビュー
〈シュツットガルト・バレエ団の輝けるスターたち〉
2022/03/02(水)
2022年03月02日号
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バレエ

フリーデマン・フォーゲル
Photo: Carlos Quezada

公演直前! フォーゲルインタビュー
〈シュツットガルト・バレエ団の輝けるスターたち〉

公演まで2週間余と迫った〈シュツットガルト・バレエ団の輝けるスターたち〉。本公演ではシュツットガルト・バレエ団の伝統と今を凝縮したプログラムが披露されますが、なかでもフリーデマン・フォーゲルはまったく色合いの異なる複数の作品を踊り、ファンにとっては「フォーゲル祭り」と言えるほど多彩な魅力を堪能できる公演になりそうです。その彼がこのたびインタビューに答えて舞台への意気込みを語ってくれました。また、その他のダンサーたちの新着動画も紹介!

日本で「ボレロ」を踊る夢がかなう!

――モーリス・ベジャールの「ボレロ」は、古くは伝説のプリマであるマリシア・ハイデやそのパートナーだったリチャード・クラガンも主演した、バレエ団にとって縁の深い作品です。あなたのメロディ役もとても高い評価を得ていますね。

フォーゲル:東京で「ボレロ」を踊れることにワクワクしています。僕にとってずっと、大好きな作品の一つで、幸せなことにシュツットガルトでは何度も踊りました。今回、東京のお客さまに僕の「ボレロ」をお届けできるなんて、まさに夢がかないます。この短くもパワフルな傑作には何か不思議な力があって、自分の演技がつねに変化する。だからこそ何度も踊りたいと思う。自分でも本当に楽しみにしていますよ!

「ボレロ」
Photo: Stuttgart Ballet

――いっぽうバレエ団の創設者ジョン・クランコの「オネーギン」と、クランコと親交の深かったケネス・マクミランの「うたかたの恋」という二つの物語バレエのパ・ド・ドゥを踊ります。これらもあなたの十八番ですね。

フォーゲル:「オネーギン」と「うたかたの恋」のパ・ド・ドゥは、それぞれの作品のハイライトですが、スタイルと作品の色合いがずいぶんと違います。「オネーギン」で踊るのはタチヤーナの夢の中で繰り広げられるオネーギンとタチヤーナの柔らかなロマンスで、いっぽう「うたかたの恋」のほうは皇太子ルドルフと男爵令嬢マリー・ヴェッツェラが、ともに抱いている死への願望によって火に油が注がれた激しい熱情を表現しています。いずれもエリサ・バデネスと踊りますが、きっとご堪能いただけると思いますよ。

「うたかたの恋」
Photo: Stuttgart Ballet

――今回は自作のソロ「ノット・イン・マイ・ハンズ(Not in my hands)」も披露されます。

フォーゲル:僕自身がやむにやまれず、友とともに創作したソロです。その頃、僕は非常につらい時期にありました。母の死とパンデミック、その後の世界中の劇場閉鎖と公演の中止......。これらの出来事によって沸き起こる強烈な感情に圧倒され、文字通り「意のままにならない」感覚を持ちました。僕の私的な経験を語っていますが、きっと多くのアーティストが同じような経験をしたと共感してくれるのではないかと思っています。
今回踊るのはそれぞれ異なる作品ですが、いずれも僕にとってとても大切なものばかり。それらを大好きな日本のお客さまのために踊る舞台は特別なものになるはずです。僕にとって感動的な経験になることは間違いありません!

3月1日のDマガジン「婦人画報」で、フリーデマン・フォーゲルの特集ページが公開されます。
https://magazine.dmkt-sp.jp/list/1A20/7b94ceba18eaca6d97ff56b2603df6ea1c1343dab953f1ca74f99d432a211a52/

婦人画報より
Photo: Diradourian/Fujingaho
〈シュツットガルト・バレエ団の輝けるスターたち〉
新着動画で出演者紹介

vol.6 アレッサンドロ・ジャクイント&マッテオ・ミッチーニ

ともにイタリア人のジャクイントとミッチーニは、今回ハンス・ファン・マーネンの「ソロ」やマルコ・ゲッケの「スペル・オン・ユー」他で活躍が期待されるドゥミ・ソリスト。またそれぞれが創作にも挑戦し〈若手振付家の夕べ〉公演で自作を発表する若き振付家たちでもあります。

vol.7 クリーメンス・フルーリッヒ&ヘンリック・エリクソン

ドイツのメンスハイム生まれのフルーリッヒと香港生まれスイス育ちのエリクソンは、ともにジョン・クランコ・バレエ学校出身。フルーリッヒはノイマイヤーの「椿姫」のデ・グリューを、エリクソンはクランコの「オネーギン」のレンスキーを踊った経験があり、もちろんシュツットガルト・バレエ団の様々なレパートリーをこなします。動画では彼らの踊る姿も見ることができます。

vol.8 アグネス・スー&デヴィッド・ムーア

カリフォルニア出身のスーは2021年に昇進した新しいプリンシパルで、今回はクランコの「ホルベアの時代より」やマクミランの「コンチェルト」、フォーサイス「ブレイク・ワークスⅠ」でお目見え。英国人でロイヤル・バレエ学校出身のムーアはすでにバレエ団の顔として活躍するプリンシパル。「椿姫」のパ・ド・ドゥ等を披露してくれます。

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シュツットガルト・バレエ団
〈シュツットガルト・バレエ団の輝けるスターたち〉

公演日

2022年
3月19日(土)18:00
3月20日(日)15:00
3月21日(月・祝)15:00

会場:東京文化会館(上野)

予定される出演者

【プリンシパル】
ロシオ・アレマン
エリサ・バデネス
アグネス・スー
デヴィッド・ムーア
マルティ・フェルナンデス・パイシャ
フリーデマン・フォーゲル

【ドゥミ・ソリスト】
マッケンジー・ブラウン
ヘンリック・エリクソン
ガブリエル・フィゲレド
クリーメンス・フルーリッヒ
アレッサンドロ・ジャクイント
マッテオ・ミッチーニ

共演:東京バレエ団(「ボレロ」)

入場料[税込]

S=¥17,000 A=¥15,000 B=¥13,000
C=¥10,000 D=¥8,000 E=¥6,000
U25シート=¥3,000

*ペア割引あり[S,A,B席]
*親子割引あり[S,A,B席]