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Photo: Gregor Hohenberg _ Sony Music Entertainment.

2022/08/03(水)Vol.451

フアン・ディエゴ・フローレス
もうひとつの顔
2022/08/03(水)
2022年08月03日号
TOPニュース
オペラ

Photo: Gregor Hohenberg _ Sony Music Entertainment.

フアン・ディエゴ・フローレス
もうひとつの顔

〈旬の名歌手シリーズ〉での来日が待ち遠しいフアン・ディエゴ・フローレス。彼が美しい歌唱で世界中の人々を魅了し続ける卓越したリリック・テナーであることはもはや言うまでもないでしょう。衝撃的と言われるほどのデビューから四半世紀におよぶキャリアには、一点の曇りもありません。そうした歌手としての輝かしい活躍とともに、彼がユネスコの親善大使をつとめるなどの慈善活動を積極的に行っていることはご存じでしょうか。
今回は、そうしたフローレスのもうひとつの顔について、ご紹介してみましょう。

シンフォニア・ポル・エル・ペルー(Sinfonía por el Perú)は、2011年にフローレスが設立した音楽教育と社会変革プログラムです。これまでにペルーの多くのセンターで6000人以上の子どもたちに対応しているとのこと。フローレスは自身のホームページにシンフォニア・ポル・エル・ペルーのコンテンツを設け、こう記しています。「センターでは、子どもたちはオーケストラや合唱団で演奏したり歌ったりします。そこで高い自尊心を養い、一連の価値観、習慣、態度を身につけることで彼らは変わり、夢を止めるものは何もないという自信を持つことができます。音楽を演奏することで、子どもたちの心は豊かになり、大切にされ感謝されていると感じることができるようになります。そうしたことから、彼らは別の方法で世界と向き合うことができるのです」

世界遺産のマチュピチュ遺跡や荒野に描かれたナスカの地上絵が有名なペルーには、魅力的な観光地を思い浮かべる方も多いでしょう。しかし、そこでの生活は貧富の格差やそこに起因する治安問題などが多くあります。危険にさらされている子どもたちや貧困層の若者の生活を前向きに変えるこのプログラムはベネズエラのエル・システマと同様の意義をもつもの。フローレス自身も、エル・システマに着想を得たとのことです。

フローレスのサイトより
シンフォニア・ポル・エル・ペルーの活動を語るフローレス、子どもに話しかけるフローレスの動画

今年8月下旬、シンフォニア・ポル・エル・ペルーは、ヨーロッパ・ツアーを実施。180人からオーディションで選ばれた76名の若いミュージシャンによるユースオーケストラがフローレスとともにザルツブルク音楽祭、スイスのグシュタード・メニューイン音楽祭、ルツェルン音楽祭に出演します。
「これらの3つのフェスティバルは、世界最高のオーケストラとミュージシャンが演奏する場です。シンフォニア・ポル・エル・ペルーで訓練を受けたこれらの若いミュージシャンが組織全体を代表するだけでなく、すべてのペルー人を代表できることは誇りと名誉です。彼らは素晴らしいレベルを達成し、これらの都市で大きな成功を収めてそれを証明できることは間違いありません」と 、フローレスは語っています。

故国を思う心や子どもや若者たちの健全な成長を願う気持ちを、音楽を通して実践するフローレスの取り組みは、大きな成果をもたらすこととなるはずです。

シンフォニア・ポル・エル・ペルーの公式サイトより
2022年ツアーの紹介ではフローレスとの共演動画も
https://sinfoniaporelperu.org/en/the-youth-orchestra-of-sinfonia-por-el-peru-will-represent-the-country-in-a-european-tour/