2025/11/19(水)Vol.530
| 2025/11/19(水) | |
| 2025年11月19日号 | |
| TOPニュース バレエ |
|
| バレエ英国ロイヤル・バレエ団 |
Photo: NBS
去る11月11日(火)、NBSの2026年度のラインナップが発表され、7月の英国ロイヤル・バレエ団日本公演に胸を踊らせたバレエ・ファンの方も多いのではないでしょうか。
日本公演で上演されるのは、ヒロインが母親の勧める結婚計画を巧みにかわし愛する恋人との結婚を目指す『リーズの結婚』と、婚礼を前に死んだ若い女性の霊ウィリの伝説をもとにしたロマンティック・バレエの傑作『ジゼル』です。
日本公演での詳細なキャスティングはまだ発表されていませんが、この10月、同団の日本人プリンシパル高田茜と金子扶生が『リーズの結婚』でロール・デビューを果たすということで、NBSスタッフが現地取材に飛びました。二人のインタビューは追ってご紹介しますが、ここではリハーサルや本番の様子を速報でお届け!
まずはリハーサルの様子から。
この日のリハーサル室にはフランチェスカ・ヘイワードとマルセリーノ・サンベの主役カップルと指揮者ジョナサン・ロー。コーラス役のサンベのソロパートから始まりますが、途中何度も踊りが止められます。指揮者も立ち会っていることから、音の取り方やタイミングなどを細かく確認するためです。指揮者からだけではなく、サンベも指揮者に「ここはもっとプッシュしてほしい」などとリクエストを出していました。その後ヘイワードも合流し、第2幕のパ・ド・ドゥのリハーサルに。『リーズの結婚』は、のどかさや軽やかさをもつ作品ではありますが、アシュトンの振付は音楽に対してとても細かくステップが詰め込まれているので、音楽と振付が完全にあわなければ滑らかにみせることができません。サンベとヘイワードは何度もペアを組んでいますが、細かい点も妥協せず、踏み出す一歩にいたるまで何度も確認を重ねていきます。指揮者とピアニストも迅速に二人の音楽的な要求をとらえ、音をつむいでいきます。短時間のうちに、みるみる動きが滑らかになっていくことが感じられました。
パ・ド・ドゥに続いては、シモーヌとリーズの第1幕のマイム、リーズのソロと、一人で空想するシーンのマイムのリハーサル。一見、淡々とリハーサルをこなすヘイワードですが、時折動きを止めて「今のはどういうこと?」とマイムの細かいニュアンスを丁寧に確認します。英国ロイヤル・バレエ団では、登場人物の気持ちを実際に声に出してセリフのように話しながらリハーサルを行うこともあるとのこと。まさに演劇の国ならでは、と感じさせます。リハーサルでも、くるくると愛らしく表情を変化させるヘイワードは、まさにリーズ役にぴったり! 本番ではどのような表情をみせてくれるのか、期待が高まります。
『リーズの結婚』は、同バレエ団の"看板"演目の印象がありますが、実は現地ロンドンではこの10月までおよそ8年ほど上演がありませんでした。それだけに通常のレパートリー作品より密度の濃いリハーサルが行われたということなのかもしれません。
10月22日(現地)、いよいよ金子扶生のリーズ、ロール・デビューの本番。相手役はマシュー・ボール。華やかな存在感と卓越したテクニックが魅力の金子ですが、ところせましとばかりに舞台を跳びまわり、陽気で笑顔と愛にあふれるリーズを好演しました。これが初めてとは思えないほどの安定した演技で終演を迎えた彼女に、ロンドンの観客から盛大なブラボーと拍手が贈られ、何度もカーテンコールが繰り返されました。
バックステージで驚いたことの一つに、舞台美術の向日葵が非常に良くできており、そうした舞台美術の素晴らしさも、この作品ののどかな風景を自然に伝える魅力となっていると実感するところとなりました。
ちなみに、のどかな田園の恋愛騒動が描かれる『リーズの結婚』に"つきもの"でもあるのが白いポニー。英国ロイヤル・バレエ団の舞台では初演から65年の間に多くのポニーが登場してきました。"この役"を長く務めていたペレグリンは 2016年までで引退し、後任のオスカーは今回の公演がデビュー。ちなみにオスカーは非常にまじめなポニーで、舞台裏では出番までじーっといい子に待機している姿が印象的でした。こちらは来日メンバーというわけにはいきませんが。
今回、初演から65年を迎え、劇場に戻ってきたことを喜びながら、作品を愛するがゆえに厳しい目をもつ見巧者たちに認められた『リーズの結婚』。あらためて"看板"作品として披露される日本公演が待ち遠しくなります。
文責:NBS
『リーズの結婚』
7月3日(金) 夜公演
7月4日(土) 1日2回公演
7月5日(日) 1日2回公演
会場:川口総合文化センター リリア
『ジゼル』
7月10日(金) 夜公演
7月11日(土) 1日2回公演
7月12日(日) 1日2回公演
会場:NHKホール
※公演概要詳細は12月下旬頃、チケットの発売は2026年2月中旬予定。