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2025/12/17(水)Vol.532

Zenith of Ballet ―至高の舞―
2025/12/17(水)
2025年12月17日号
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バレエ

Zenith of Ballet ―至高の舞―

2026年、世界のバレエシーンで活躍する至高(Zenith)のダンサーたちが集い、年頭を飾ります。題して「 Zenith of Ballet ー至高の舞ー」。予定される出演者と演目の魅力を、舞踊評論家の高橋森彦さんにご紹介いただきました。

バレエ芸術の幅広さ、奥深さ、そして至上の高みに接する機会に!

「至高の舞」と銘打つだけに、並々ならぬ心意気を感じる。バレエの現在を沸かせる一等星たちによる「至芸」のみを届けたいという趣旨が明確で、予定される出演者・上演作品を眺めるだけでも心躍らずにはいられない。

マリアネラ・ヌニェスウィリアム・ブレイスウェルは、英国ロイヤル・バレエ団の好コンビ。クラシック・バレエの最高峰『眠れる森の美女』より第3幕のグラン・パ・ド・ドゥといえば、オーロラ姫とデジレ王子の結婚式のハイライトで、あまりにも有名であるが、女王ヌニェスと貴公子ブレイスウェルが贈る舞台は最高に優美で甘やかに違いない。

マリアネラ・ヌニェス
(英国ロイヤル・バレエ団)
ウィリアム・ブレイスウェル
(英国ロイヤル・バレエ団)

ヌニェスはパリ・オペラ座バレエ団のユーゴ・マルシャンとも組んで、ロマンティック・バレエの名作『ジゼル』より第2幕のパ・ド・ドゥも披露。両者が2024年のパリ・オペラ座『ジゼル』全幕で共演した際は大反響を呼んだだけに、日本での待望の舞台となる。ヌニェスの透明感あふれる踊り、マルシャンの心情のこもった演技を味わい尽くしたい。
マルシャンはジェローム・ロビンズがJ.S.バッハの無伴奏チェロ組曲に振付した『ダンス組曲』も踊る。生ける伝説ミハイル・バリシニコフのために創られ、以後数々の名ダンサーたちが踊り継ぐ。音楽といかに自在に戯れて舞うことができるのか。踊り心と至極の芸術性が求められるだけに、踊り盛りのマルシャンの好演が期待される。

『ジゼル』 マリアネラ・ヌニェスとユーゴ・マルシャン
Photo: Maria-Helena Buckley

英国ロイヤル・バレエ団きってのカリスマ演技派として君臨したエドワード・ワトソンも注目される。『A Single Man』より抜粋は、クリストファー・イシャーウッドの同名小説をジョナサン・ワトキンスがバレエ化し2025年に初演。ホットな日本初演作が楽しみだ。
英国ロイヤル・バレエ団の高田茜も今見ておきたいバレリーナだ。高田は2023年の日本公演『ロミオとジュリエット』全幕でジュリエット役をみずみずしく踊り、2025年には新国立劇場『不思議の国のアリス』アリス役(客演)でチャーミングに魅せるなど日本でも秀演が続く。ブレイスウェルとはクリストファー・ウィールドンの『冬物語』よりを、ワトソンとは現代作品を予定しており、持ち前の豊かな表現力を発揮するだろう。

高田 茜
(英国ロイヤル・バレエ団)

ロシアのマリインスキー・バレエで大活躍する永久メイの出演もうれしい。愛らしさと気品を兼ね備え、美しい身体のラインを磨き上げている若きプリマ。2025年4月、東京バレエ団『眠れる森の美女』にオーロラ姫として客演したときは、端正さが際立つ踊りによって観る者のため息を誘った。当初パートナーとしてマリインスキー・バレエの雄キム・キミンを予定していたが、怪我のため残念ながら降板。だが、代役のチョン・ミンチョルは稀に見る超大型新星である。2025年にマリインスキー・バレエにファーストソリストとして飛び級入団した逸材で、驚異的なしなやかさを誇り、抜群のプロポーションも映える。演目については調整中だが、永久とのフレッシュなコンビが話題沸騰になること必至だ。

永久メイ
(マリインスキー・バレエ)
Photo: TOWA
チョン・ミンチョル
(マリインスキー・バレエ)

20世紀バレエの大家モーリス・ベジャールの薫陶を受けたジル・ロマンは、大ベテランながらいつまでも若々しい。ロマンが踊るソロは、厚い信頼関係にあるヨースト・フルーエンレイツによる新作『bear's feather in the beak of the nightingale』(原題)。レジェンドの中のレジェンドの雄姿を目に焼き付けたい。
ロマンとディアナ・ヴィシニョーワ(マリインスキー・バレエ)が共演するベジャール作品『椅子』は大きな見物となろう。不条理劇によって名高い劇作家イヨネスコの戯曲「椅子」に基づき、ワーグナーの楽劇「トリスタンとイゾルデ」より「前奏曲」と「愛の死」を用いる。2027年に生誕100年を迎える巨匠が遺した、生と死をめぐる感慨がずしりと響いて迫り来る名編であり、長年第一線で輝きつつ深化し続ける名花ヴィシニョーワが、さらなる新境地を切り拓くのではないか。

ディアナ・ヴィシニョーワ
(マリインスキー・バレエ)
Photo: Irina Grigoryeva.
『椅子』ジル・ロマン、アレッサンドラ・フェリと
(2021年世界バレエフェスティバルより)
Photo: Kiyonori Hasegawa

日替わり演目(3日間各日異なる出演者・演目。詳細は当日発表)ほかも予定され、見どころ満載。バレエ芸術の幅広さ、奥深さ、そして至上の高みに接する好舞台となるだろう。

高橋森彦(舞踊評論家)

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Zenith of Ballet ―至高の舞―

公演日

2026年
1月30日(金) 19:00
1月31日(土) 18:30
2月1日(日) 14:00

会場:Bunkamuraオーチャードホール

入場料[税込] ※東京公演

S=¥20,000 A=¥17,000 B=¥14,000
C=¥10,000 D=¥7,000
U25シート=¥4,000
*ペア割引[S,A席]あり
*親子割引[S,A席]あり

[予定される出演者]
ウィリアム・ブレイスウェル(英国ロイヤル・バレエ団)
ユーゴ・マルシャン(パリ・オペラ座バレエ団)
永久メイ(マリインスキー・バレエ)
マリアネラ・ヌニェス(英国ロイヤル・バレエ団)
ジル・ロマン
高田 茜(英国ロイヤル・バレエ団)
ディアナ・ヴィシニョーワ(マリインスキー・バレエ)
エドワード・ワトソン
チョン・ミンチョル(マリインスキー・バレエ)

※表記は2025/12/8現在の予定です

*プログラムについてはこちらをご覧ください。