世界最高峰と謳われる英国ロイヤル・バレエ団がこの夏、3年ぶりに来日。フレデリック・アシュトンの『リーズの結婚』とピーター・ライトの『ジゼル』という、いずれも英国を代表する振付家による2演目を上演します。夢だったと語るジゼル役に初めて挑む日本人プリンシパルの金子扶生に、作品の魅力や日本で踊ることへの思いを聞きました。
――『ジゼル』のジゼル役は、金子さんのドリームロールだったそうですね。
金子:小さな頃に観た時、第2幕のジゼルの妖精のような、まるで人間ではなく魂が踊っているような姿に本当に感激したんです。第1幕では可愛らしく純粋だった女の子が、恋に落ち、その苦しみで命を失ってしまうというすごくドラマティックな役。観る度に感動します。
――そんなジゼルを、どのように踊りたいと思っていらっしゃいますか?
金子:こんなふうに踊りたい、という思いが出てくるのは、実際に踊ってみてからになると思います。ただ私はラッキーなことに、素晴らしいプリンシパルの方々のジゼルをたくさん観てきましたので、そんな役を自分も味わえることが本当に楽しみ。今はただただ、「挑戦してみたい」という気持ちでいます。
――英国ロイヤル・バレエ団の『ジゼル』の、特にここが素晴らしいというポイントを教えてください。
金子:振付、ドラマ、感情、コール・ド・バレエの美しさ......私にとっては本当に、バレエのすべてが詰まった作品。特に好きなシーンを挙げるなら、やはり第1幕と第2幕、それぞれの終わりでしょうか。第1幕でジゼルが死んでしまうところのダンサーの演技と、日が差してアルブレヒトが助かる最後のシーンは、音楽と振付がマッチしていて毎回心にグッと来ます。観る側と踊る側、どちらの心にも響く作品だと思っています。
――続いて、『リーズの結婚』についても少しお聞かせください。日本では上演機会の少ない演目なので、ぜひ金子さんから魅力を紹介していただきたいのですが...?
金子:本当に愉快で、陽気で楽しく、観ていて心が温まるバレエです。笑えるところがたくさんあるのですが、その中に愛情も詰まっている。母と娘の親子愛も、リーズとコーラスの恋愛もたっぷりなので、皆さまに心から楽しんでもらえると思います。バレエの中で一番と言えるほど小道具の多い作品でもあって、特にリボンを使って踊るシーンは、「すごい振付だなあ!」と感心してしまうほど。ダンサーたちが踊っているうちに、リボンがいつの間にか編み込まれて解けていきますので、見逃さないようにしてください(笑)。
――金子さんご自身、いくつかの役で出演されていますが、舞台に立つ側としてはどんな魅力があるのでしょうか。
金子:どのシーンも、本当に楽しいですね。コール・ド・バレエとして出ていた時は、特に第1幕の最後、リーズとコーラスの踊りを周りで座って見ているのが楽しくて、みんな演技ではなく心から笑っていました。あとは、本物のポニーが登場する作品ですので、そこも楽しみの一つ。すっごく可愛くて、リハーサルから気分が和みます(笑)。『ジゼル』とは雰囲気が大きく異なる作品ですので、ぜひ両方ご覧いただきたいですね。
――では最後に、日本で踊ることへの思いをお聞かせください。
金子:日本で踊ることは、私にとって一番特別なこと。家族やバレエの先生、そして日本の皆さまに踊りを観ていただけることはいつも大きな楽しみで、そのためにもっと頑張ろうと思える力にもなっています。それに私だけじゃなく、カンパニーのダンサーたちも日本ツアーが大好きなんですよ。みんなにとっても"第二の故郷"のような感覚で、今回もショッピングや観光をすることも含めて(笑)、今から楽しみにしています。夏の来日公演を一人でも多くの方に楽しんでいただけるよう、みんな毎日頑張っていますので、ぜひぜひ会いにいらしてください。
文:町田麻子(フリーライター)
7月3日(金) 18:30
7月4日(土) 13:00
7月4日(土) 18:00
7月5日(日) 13:00
7月5日(日) 18:00
会場:川口総合文化センター リリア
フカガワみらいホール(メインホール)
[公演日時と予定される主な配役]
7月3日(金) 18:30
リーズ:マリアネラ・ヌニェス
コーラス:ワディム・ムンタギロフ
7月4日(土) 13:00
リーズ:アナ・ローズ・オサリヴァン
コーラス:スティーヴン・マックレー
7月4日(土) 18:00
リーズ:マヤラ・マグリ
コーラス:マシュー・ボール
7月5日(日) 13:00
リーズ:高田 茜
コーラス:カルヴィン・リチャードソン
7月5日(日) 18:00
リーズ:フランチェスカ・ヘイワード
コーラス:マルセリーノ・サンベ
指揮:ホセ・サラサール
演奏:東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団
S=¥29,000 A=¥26,000 B=¥23,000
C=¥18,000 U25シート=¥7,000
*親子割引[S,A,B席]あり
7月10日(金) 18:30
7月11日(土) 13:30
7月11日(土) 18:30
7月12日(日) 12:00
7月12日(日) 17:00
会場:NHKホール
[公演日時と予定される主な配役]
7月10日(金) 18:30
ジゼル:マリアネラ・ヌニェス
アルブレヒト:ウィリアム・ブレイスウェル
7月11日(土) 13:30
ジゼル:サラ・ラム
アルブレヒト:平野 亮一
7月11日(土) 18:30
ジゼル:ナターリヤ・オシポワ
アルブレヒト:リース・クラーク
7月12日(日) 12:00
ジゼル:金子 扶生
アルブレヒト:ワディム・ムンタギロフ
7月12日(日) 17:00
ジゼル:高田 茜
アルブレヒト:セザール・コラレス
指揮:マーティン・ゲオルギエフ
演奏:東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団
S=¥32,000 A=¥26,000 B=¥23,000
C=¥18,000 D=¥14,000 E=¥10,000
U39シート=¥9,000 U25シート=¥7,000
*親子割引[S,A,B席]あり