NBS News Web Magazine
NBS日本舞台芸術振興会
毎月第1水曜日と第3水曜日更新
Photo: Shoko Matsuhashi

NEW2026/02/18(水)Vol.536

上野水香が語る
〈上野水香オン・ステージ〉プログラムの魅力
2026/02/18(水)
2026年02月18日号
バレエ
TOPニュース
インタビュー
バレエ
東京バレエ団

Photo: Shoko Matsuhashi

上野水香が語る
〈上野水香オン・ステージ〉プログラムの魅力

3回目の開催を迎える〈上野水香オン・ステージ〉。東京バレエ団のゲスト・プリンシパルとして精力的な活躍を続ける上野を中心に、東京バレエ団一丸となってお送りする春に相応しい華やかなステージ。今回は東京、大阪、福岡の3都市での開催となりますが、すべて異なるプログラムが組まれているのも大きな見どころです。上演するプログラムについて上野自身がアツい想いを語ったインタビューをご紹介します。

フリーデマンとの科学反応が楽しみです

――3月には2年ぶりの〈上野水香オン・ステージ〉が上演されますね。上演されるプログラムは水香さん自身が決めているのでしょうか?

上野:〈オン・ステージ〉では『ボレロ』を踊ることだけを決めていて、ほかの演目はバレエ団と一緒に決めています。毎回お客さまにとても喜んでいただけるので、いつも頑張って絞り出していますね(笑)。今回は私のパートナーとして、フリーデマン・フォーゲルさんが来てくださるのも心強いです。

――フォーゲルさんと踊るのは久しぶりだそうですね。

上野:フリーデマンとは2009年、東京バレエ団で『ジゼル』を一緒に踊ったのが最初でした。それ以降、なかなかタイミングが合わなくて、今回やっとまた一緒に踊れることになったんです。私たちには、モナコのプリンセス・グレース・クラシック・ダンス・アカデミーの卒業生という共通点があります。私が卒業後に彼が入学したのですが、当時の校長だったマリカ(・ベゾブラゾヴァ)から「水香に組んでもらいたい、フリーデマンという素晴らしい子がいるの」と何度か電話をもらったのに、2009年までなかなか実現しなかったんですよ。

上野水香
Photo: Shoko Matsuhashi

――先日は水香さんがシュツットガルトに出向いてリハーサルをされましたが、いかがでしたか?

上野:フリーデマンは手脚が長いので、彼と組むと私は思いっきり手脚を伸ばせて伸びやかに踊れますし、雰囲気も合うものを感じています。今回はこちらから提案してAプロでは『白鳥の湖』第2幕のパ・ド・ドゥを踊ることになりましたが、Bプロでは彼からの提案で(ローラン・)プティの『レダと白鳥』も踊ることになりました。Aプロでは私が白鳥なのに対し、Bプロではフリーデマンが白鳥になります。上半身裸に白タイツという装いの彼は美しいこと間違いないので、私と一緒に踊ることで、どんな化学反応が起こるかが楽しみです!

『ボレロ』と『ルナ』は真逆のパッションを持つベジャール作品

――さらに今回、水香さんはベジャール振付の『ルナ』も踊られますね。

上野:『ルナ』は去年、神奈川で上演している公演〈ジュエルズ・フロム・ミズカ〉で初めて踊りました。以前、(ウラジーミル・)マラーホフさんに勧められたことがあったのですが、自信がなくて断っていたんです。でも、踊ってみたら大好きになりました。私が『ルナ』を踊ったことを知ったマラーホフさんからはすぐにメールが来て、「あのときやってほしかったのに!」と言われて謝りましたね(笑)。ちょうどジル・ロマンさんがいらしているタイミングだったので、作品を組み立てていくためのアドバイスもいただけました。

『ルナ』
Photo: Hidemi Seto

――踊ってみたら、どんなところが好きになりましたか?

上野:暗闇のなか、登場する白の総タイツの女性は月を表していて、その月はひとつしかない......とても孤独な存在だと感じました。〈ジュエルズ〉で踊ったとき、いろいろなことが重なって苦しい時期だったのです。だからこそ、悲しみを乗り越えて美しく輝く月ってなんて素敵なんだろうと感化されながら、毎日ひとりでリハーサルをしていました。『ルナ』という素敵な作品に身を委ねることで、自分が慰められる気がしたんです。今回は『ボレロ』と『ルナ』という真逆のパッションを持つベジャール作品を上演できるので、この2作品を同時に踊るとどうなるだろうとワクワクしています。

『ボレロ』
Photo: Kiyonori Hasegawa

東京バレエ団の仲間たちとともに

――Bプロでは柄本弾さんと『ジゼル』第2幕のパ・ド・ドゥも踊られますが、東京バレエ団で『ジゼル』を踊るのは久しぶりとお聞きしました。

上野:去年、外部公演(清里フィールドバレエ、さがみ湖野外バレエフェスティバル)で『ジゼル』を踊らせていただいたのですが、ジゼルを踊るのは13年ぶりだったんです! 久しぶりに踊れて、改めて私にとって大切なレパートリーのひとつだと確信したことが、今回の上演につながっています。東京バレエ団のコール・ド・バレエと一緒に踊れることも嬉しいです! また、長年バレエ団で組んでいて、お互い信頼の深い柄本弾さんとお届けできるのも楽しみです。彼とのパドドゥや表現はとても安心して身を任せられるのです。

『ジゼル』
Photo: Kiyonori Hasegawa

――久しぶりにジゼル役を踊ってみて、どんな発見がありましたか?

上野:私のジゼルはかなり純粋で......。裏切りを知った途端、ショックで心臓が止まってしまったので、ジゼルは彼を恨んだわけでも嫌いになったわけでもない。だから、亡くなったあともアルブレヒトへの愛はより大きく強固なものになっているはずで、彼が目の前に現れたら純粋に守りたいわけです。第2幕でのジゼルはアルブレヒトを許しているというより、愛しているという気持ちで動いているのだと考えると、その魂の尊さを感じられました。その感覚を今回はさらに深めながら踊れればと思います。

――ほかにも楽しみな演目が目白押しですね!

上野:地方公演のみですが、ブラウリオ(・アルバレス)が一昨年、振付けてくれた『ブエノスアイレスの夏』も踊ります。タンゴ風の曲でおしゃれな雰囲気で、私の好きな世界観。"白鳥"や"ジゼル"とはまた違う私の面をお見せしたいです。それから、フリーデマンが久しぶりに『モペイ』を踊るのも楽しみですね! 無駄ひとつない美しい体を使った、彼の真骨頂ともいえる作品だと思います。もちろん、東京バレエ団による『パキータ』や『ドン・キホーテ』も華やかに舞台を飾ってくれることでしょう。ぜひたくさんの方々に観にいらしていただきたいです!

取材・文=富永明子(編集者・ライター)

公式サイトへ チケット購入

〈上野水香オン・ステージ〉

公演日 【東京公演】

2026年
3月20日(金・祝)17:00 Aプロ
3月21日(土)14:00 Bプロ
3月22日(日)14:00 Aプロ

会場:東京文化会館(上野)

入場料[税込] ※東京公演

S=¥15,000 A=¥12,000 B=¥9,000
C=¥7,000 D=¥5,000 E=¥3,000
U25シート=¥2,000 U39シート=¥4,000
*ペア割引[S,A,B席]あり
*親子割引[S,A,B席]あり


【福岡公演】

3月25日(水) 18:30

会場:福岡市民ホール 大ホール

入場料[税込]
S=¥15,000 A=¥13,000 B=¥11,000
※福岡公演のNBSでの取扱いはございません。

【大阪公演】

3月26日(木) 18:30

会場:フェスティバルホール

入場料[税込]
S=¥15,000 A=¥12,000 B=¥9,000
C=¥7,000 D=¥5,000 E=¥3,000 
U25シート=¥2,000


[予定される主な配役]
東京公演Aプロ:「白鳥の湖」第2幕より、「パキータ」、「ルナ」、「モペイ」、「ボレロ」
東京公演Bプロ:「ジゼル」第2幕より、「パキータ」、「レダと白鳥」、「モペイ」、「ボレロ」
福岡公演:「白鳥の湖」第2幕より、「ブエノスアイレスの夏」、「ドン・キホーテ」(抜粋)、「ボレロ」
大阪公演:「ジゼル」第2幕より、「ブエノスアイレスの夏」、「パキータ」、「ボレロ」
ゲスト・アーティスト:フリーデマン・フォーゲル [東京公演のみ]

※上演作品と出演者の詳細は公式サイトをご覧ください。
※音楽は特別録音による音源を使用します。