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Photo: Toru Hiraiwa

NEW2026/02/18(水)Vol.536

ウィリアム・ブレイスウェル(英国ロイヤル・バレエ団プリンシパル)
アルブレヒト役デビュー
2026/02/18(水)
2026年02月18日号
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バレエ

Photo: Toru Hiraiwa

ウィリアム・ブレイスウェル(英国ロイヤル・バレエ団プリンシパル)
アルブレヒト役デビュー

この1月、〈Zenith of Ballet-至高の舞―〉に出演し、マリアネラ・ヌニェス、高田茜という2人の名花のパートナーを見事につとめあげ、ソロ作品でも確かな輝きを放つなど大活躍をみせたウィリアム・ブレイスウェル(英国ロイヤル・バレエ団プリンシパル)。実はこの2月14日にブレイスウェルは本人念願の『ジゼル』アルブレヒト役デビューを果たしました。そんなブレイスウェルのロール・デビューの様子をご紹介します。

英国ロイヤル・バレエ団で花開いた才能

ウィリアム・ブレイスウェルの経歴を改めて振り返ってみましょう。
英国のスウォンジーに生まれたブレイスウェルは英国ロイヤル・バレエ学校を経て英国バーミンガム・ロイヤル・バレエ団(以下BRB)に入団。2017年に英国ロイヤル・バレエ団にソリストとして移籍し、2019年に製作された映画『ロミオとジュリエット』では主役のロミオに抜擢されるなど、早くから将来を期待され、2022年にはプリンシパルに昇進。2024年には英国ナショナル・ダンス・アワードで最優秀ダンサー賞を受賞しています。

〈Zenith of Ballet - 至高の舞-〉より
Photo: Kiyonori Hasegawa

そんな華やかなキャリアを重ねているブレイスウェルが、意外なことにまだ踊っていなかった役の1つが『ジゼル』のアルブレヒト。これまで第1幕のパ・ド・シスは踊っていたという彼にとってアルブレヒトはまさに"憧れの役"とのこと。〈Zenith of Balletー至高の舞ー〉での共演の合間、ブレイスウェル、そしてヌニェスはお互いをこうコメント。
「この公演(〈Zenith of Ballet-至高の舞―〉)が終わってすぐ、その週にはロンドンで『ウルフ・ワークス』に出演します。そのあとすぐに『ジゼル』デビューです」と、目をキラキラと輝かせて語るブレイスウェル。このようなハードなスケジュールの中でのデビューについて不安はないのでしょうか?
どうやら、頼もしいパートナーが彼を支えているようです。
「マリアネラは、ダンス史上、最高峰のダンサーの一人ではないでしょうか。彼女がどんなダンサーか、言葉にするのは難しいですね。マリアネラはダンスのあらゆる側面で素晴らしいのですから。技術が完璧であることはもちろんですが、感情を見事に体現しながら、大きな自由があること、彼女の踊りには自由が溢れています」と、ヌニェスに対しての絶対的な信頼を寄せるブレイスウェル。
一方でヌニェスも若きパートナーについて「ウィリアムがとても素晴らしいから舞台上で私も役になりきることができるの」とにっこり。お互いに揺るぎない信頼があるからこそ、これまで『白鳥の湖』『ロミオとジュリエット』のような感情表現が肝となる作品において、数々の名舞台を生み出してこられたのでしょう。

〈Zenith of Ballet - 至高の舞-〉より
マリアネラ・ヌニェスとのカーテンコール
Photo: Kiyonori Hasegawa

速報!ブレイスウェル『ジゼル』デビュー

2月14日(土)、完全にソールド・アウトの客席にむかえられ、『ジゼル』の幕があきました。英国ロイヤル・バレエ団ではピーター・ライトの振付・演出版を採用していますが、この日はライト自身、そして本作の衣裳と装置のデザインを手がけた高名な美術デザイナーのジョン・マクファーレンもカーテンコールに登場するなど、客席は大いに盛り上がったとロンドンのメディアは報じています。

そして非常に評価が厳しいことで有名なロンドンのジャーナリストたちが五つ星*をつけるほど、この日の舞台は大きな成功をおさめました。ここでは代表的な公演評を2つご紹介します。

*ロンドンでは舞台の出来栄えを星の数1~5で評価する習慣があり、数が多いほど出来が良いとされています。評価はかなり厳しく、星5つの舞台は年間を通じてもそう多くはありません。

Gramilano 評価:星5

ウィリアム・ブレイスウェル演じるアルブレヒトは、わがままな伯爵役として見事なデビューを飾った。彼のダンス、そしてヌニェスとのパートナーシップは見事だった。ソロで見せた模範的なアントルシャ・シスの美しさと確かな着地は感動的だった。アルブレヒトのキャラクターを、次第に農家の娘に深く恋に落ちたことに気づく特権意識の強い貴族として演じた。第1幕で特に印象的だったのは、ブレイスウェル演じるアルブレヒトがベルタ(ジゼルの母)との会話をいかに切望し、彼女の承認を得ようと必死になっているかだった。続く第2幕では、ジゼルの死に打ちのめされた男の姿を表現し、一連のデュエットとソロを通じて、ブレイスウェルは見事にアルブレヒトの疲れ果てていく様子を描き出した。


『LONDON UNATTACHED』 評価:星4.5

ヌニェスがロイヤル・バレエ団で初めてジゼルを踊ったのは2009年とは信じがたく、さらに驚くべきは、見事なキャラクター表現を見せたブレイスウェルがアルブレヒト役に初役でのぞんだことである。
(中略)
ブレイスウェルのアルブレヒトは完全に説得力がある。がっしりとした力強いヒラリオンには到底及ばない優雅さと魅力の片鱗を見せている。ジゼルとの関係には最初から欺瞞が築かれており、そこには脆さが存在する。彼は変装しているだけでなく、「愛している、愛していない」の花占いを偽装し、こっそり余分な花びらを取り除いてジゼルを口説き落とすのだ。

なお、ブレイスウェル本人も自身のInstagramでロール・デビューの喜びを語っています。
https://www.instagram.com/p/DUu-01WDHk-/

写真は英国ロイヤル・オペラハウスのInstagramより
Photos: Helen Maybanks

ブレイスウェルからは、来る7月、英国ロイヤル・バレエ団日本公演での活躍を約束するメッセージが届いています。
「日本のお客さまにはいつも心から感謝しています。日本の皆さんは心の底から私たちを応援して下さっていると感じています。それは決して当たり前のことではなく、とても貴重で有難いことです。いつも本当にありがとう。また7月にお会いしましょう!」

文責:NBS

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英国ロイヤル・バレエ団 2026年日本公演
『リーズの結婚』/『ジゼル』

公演日

『リーズの結婚』

7月3日(金) 18:30
7月4日(土) 13:00
7月4日(土) 18:00
7月5日(日) 13:00
7月5日(日) 18:00

会場:川口総合文化センター リリア
    フカガワみらいホール(メインホール)

[公演日時と予定される主な配役]
7月3日(金) 18:30
リーズ:マリアネラ・ヌニェス
コーラス:ワディム・ムンタギロフ

7月4日(土) 13:00
リーズ:アナ・ローズ・オサリヴァン
コーラス:スティーヴン・マックレー

7月4日(土) 18:00
リーズ:マヤラ・マグリ
コーラス:マシュー・ボール

7月5日(日) 13:00
リーズ:高田 茜
コーラス:カルヴィン・リチャードソン

7月5日(日) 18:00
リーズ:フランチェスカ・ヘイワード
コーラス:マルセリーノ・サンベ

指揮:ホセ・サラサール
演奏:東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団

『リーズの結婚』入場料[税込]

S=¥29,000 A=¥26,000 B=¥23,000
C=¥18,000 U25シート=¥7,000
*親子割引[S,A,B席]あり

『ジゼル』

7月10日(金) 18:30
7月11日(土) 13:30
7月11日(土) 18:30
7月12日(日) 12:00
7月12日(日) 17:00

会場:NHKホール

[公演日時と予定される主な配役]
7月10日(金) 18:30
ジゼル:マリアネラ・ヌニェス
アルブレヒト:ウィリアム・ブレイスウェル

7月11日(土) 13:30
ジゼル:サラ・ラム
アルブレヒト:平野 亮一

7月11日(土) 18:30
ジゼル:ナターリヤ・オシポワ
アルブレヒト:リース・クラーク

7月12日(日) 12:00
ジゼル:金子 扶生
アルブレヒト:ワディム・ムンタギロフ

7月12日(日) 17:00
ジゼル:高田 茜
アルブレヒト:セザール・コラレス

指揮:マーティン・ゲオルギエフ
演奏:東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団

『ジゼル』入場料[税込]

S=¥32,000 A=¥26,000 B=¥23,000
C=¥18,000 D=¥14,000 E=¥10,000
U39シート=¥9,000 U25シート=¥7,000
*親子割引[S,A,B席]あり