NEW2026/05/06(水)Vol.541
| 2026/05/06(水) | |
| 2026年05月06日号 | |
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| バレエパリ・オペラ座バレエ団 |
Photo: James Bort
パリ在住のエディター・大村真理子さんによるパリ・オペラ座の若手スターをご紹介するシリーズの第2弾をお送りします。第2弾では、昨年の〈バレエ・スプリーム〉でも華やかな舞台姿が印象的だったロレンツィオ・レッリをはじめとする期待の若手4名をご紹介します。
パリ・オペラ座バレエ団の11名のダンサーが出演する〈エスプリ・ドゥ・ラ・ダンス〉の若手7人のうち、ソリスト級の役割を担うスジェ、コール・ド・バレエのリーダー的役割を果たすコリフェ、計4人。
"控えめだが、ステージでは豹変する"と讃えられる次期エトワール候補の一人
ロレンツォ・レッリ(スジェ)
1年の契約団員を経て、2023年に入団し、その翌年早くもコリフェに上がったロレンツォ。そして次の年には芸術監督の任命によりスジェに。プルミエ・ダンスールに上がることが大いに期待された昨年のコンクールはあいにくと空きがなかったが、男性エトワールが不足している今、187cmと長身の彼は次期エトワールとの呼び声の高いダンサーである。マニュエル・ルグリの『シルヴィア』のエロス役で美しい体のラインと精悍な踊りが印象的だった。前シーズン、カン・ホヒュンをパートナーに『眠れる森の美女』のデジレ王子役を踊った彼は、ポール・マルクの降板を受けて彼はパク・セウンとの公演も託されたほどだ。『テーマとヴァリエーション』をともに踊ったロクサーヌ・ストヤノフが、彼が初役で挑む『ロミオとジュリエット』にパートナーである。将来を嘱望される若手ダンサーが選ばれる「カルポー賞」の授賞式で芸術監督は彼の熱心な仕事ぶりを褒めつつ、「控えめな彼だが、ステージ上では豹変する」と讃えていた。この夏、カン・ホヒュンと息のあったステージを見せてくれるに違いない。ちなみに彼は今年、会員の投票による「AROP賞」もニンヌ・セルピオンと共に獲得した。
強烈な個性を生かした見応えたっぷりのステージ
エンゾ・ソガール(スジェ)
強烈な個性の持ち主であるエンゾは、その個性を生かした見応えたっぷりのステージを見せる。突如彼が注目を集めることになったのはカドリーユ時代の2020年に、オペラ・バスティーユでモーリス・ベジャールが振付けた男性デュオの『さすらう若者の歌』を踊った時のことだ。これはAプログラムでギヨーム・ディオップと彼が踊る作品である。その当時プルミエ・ダンスールに上がりたてのアントワーヌ・キルシェールが青の男役で、その彼の後ろの暗がりから射るような悪魔的とも言える強い視線で観客を竦ませたのが赤の男役のエンゾだった。彼のこうした個性がオペラ座バレエ団のレパートリーの中で生かせる役として『白鳥の湖』のロットバルト役が挙げられるが、実際、この役を演じられる貴重な逸材である彼は2024年のシーズン末に配役された。今回のガラではブルーエン・バティストーニの黒鳥と組み、優しい王子ポール・マルクを絶望へ追い込む非情なロットバルトを見せることだろう。故郷のグラン・カナリー島でバレエを習い始めて以来回転や跳躍などに磨きをかけ続けていて、彼のテクニックはとても安定し、一つひとつのポーズに緩みがない。この点にも注目を! 最後に一つ。彼のインスタグラムのフォロワーなら、彼が公演後どんなプライベートルックで劇場の外に現れるかというのも気になるところでは?
"未知数"ながら期待高まる
リュシアナ・サジオロ(コリフェ)
ブラジルから参加した2022年度のローザンヌ国際バレエコンクールで第3位スカラシップ賞を得て、8つのオファーの中からリュシアナが選んだのはオペラ座のバレエ学校で学ぶことだった。学校卒業年の2023年に入団。2025年にコリフェに上がる前に、早くも『ジゼル』のペザントのパ・ド・ドゥ、『パキータ』のパ・ド・トロワに配役されている。芸術監督の彼女に対する評価がこの配役から察せられるのではないだろうか。芸術面についてはこれまで配役された作品において未知数であるが、このガラでは"ジル先生"の素晴らしい指導でシェール・ワグマンと共にテクニックだけにとどまらない味のあるステージを見せることを期待したい。
会場を沸かせるテクニシャン
シェール・ワグマン(コリフェ)
2024年に入団し、初参加したコール・ド・バレエ昇級コンクールにより2026年からコリフェである。カナダ出身の彼は、モナコのプリンセス・グレース・アカデミーの生徒だった2018年にローザンヌ国際バレエコンクールで一位を獲得。イングリッシュ・ナショナル・バレエで学んだ後、入団したミュンヘンの国立バレエ団で1年後にソリストに上がった。2024年にカンパニーを去った彼はパリ・オペラ座に入団したのだ。前シーズンは『眠れる森の美女』の青い鳥に配役されたが、テクニックで会場を沸かせる彼を生かせる作品はオペラ座バレエ団のレパートリーには少ないせいか、外部のガラに参加することが多いようだ。3月後半には南米の劇場に招待されて、イネス・マッキントッシュと『白鳥の湖』の全幕を踊っている。この公演では『海賊』のパ・ド・ドゥ、『パリの炎』『スカルラッティ・パ・ド・ドゥ』『タリスマン』をリュシアナをパートナーに踊る。超技巧ならお任せ! という彼。観客の思い出に残るステージを見せるに違いない。
文:大村真理子(パリ在住・エディター)
【Aプロ】
2026年
8月19日(水) 19:00
8月20日(木) 19:00
【Bプロ】
2026年
8月21日(金) 19:00
8月22日(土) 12:00
8月22日(土) 17:00
会場:昭和女子大学 人見記念講堂
S=¥20,000 A=¥17,000 B=¥15,000
C=¥13,000 D=¥11,000 E=¥9,000
U25シート=¥4,500
ブルーエン・バティストーニ(エトワール)
ギヨーム・ディオップ(エトワール)
ドロテ・ジルベール(エトワール)
ポール・マルク(エトワール)
カン・ホヒョン(プルミエール・ダンスーズ)
イネス・マッキントッシュ(プルミエール・ダンスーズ)
フランチェスコ・ムーラ(プルミエ・ダンスール)
ロレンツォ・レッリ(スジェ)
エンゾ・ソガール(スジェ)
リュシアナ・サジオロ(コリフェ)
シェール・ワグマン(コリフェ)
*プログラムについてはこちらをご覧ください。