NEW2026/06/03(水)Vol.543
| 2026/06/03(水) | |
| 2026年06月03日号 | |
| TOPニュース インタビュー バレエ |
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| バレエ英国ロイヤル・バレエ団 |
Photos: Toru Hiraiwa
英国ロイヤル・バレエ団のプリンシパル、マヤラ・マグリとマシュー・ボール。舞台でも私生活でもパートナーであるふたりが、この夏、日本で『リーズの結婚』に主演します。ロンドン在住の舞踊ライター・實川絢子さんのインタビューに、作品への思い、役へのアプローチ、そして共演者としての関係性について語ってくれました。
――昨夏の〈バレエ・スプリーム〉以来の来日となりますが、前回の来日で特に印象に残っていることはありますか?
マヤラ:マシューと『チャイコフスキー・パ・ド・ドゥ』を踊ったこと、そしてパリ・オペラ座のポール・マルクと初共演できたことが忘れられない思い出です。異なるカンパニーでも、バレエという同じ言語でつながれるのは素晴らしいことです。オペラ座のダンサーたちからは"シック"で洗練された雰囲気を学びましたし、私たちからは情熱や、より演劇的な表現、舞台のエネルギーを感じ取ってもらえたのではないかと思います。
マシュー:『ラ・バヤデール』で2つのバレエ団のダンサーが混ざりあって舞台を作り上げたことは、とても貴重な経験でした。スタイルはそれぞれ異なりますが、競い合うのではなく、謙虚に芸術を分かち合う場だったと思います。
――マヤラさんは、6月に『リーズの結婚』で主演デビューされます。
マヤラ:リーズ役は、ずっと待ち続けていた役でした。この作品は何度も観てきて、さまざまな役を踊ってきたので、役作りというより、すでに自分の中にあるものを自然に引き出す感覚で、一瞬一瞬をとても楽しんでいます。マシューには「リーズは君そのものだね」と言われるのですが、本当に演じるという意識があまりないんです。自分自身、母に反発する"じゃじゃ馬娘"でしたから(笑)。
――マシューさんは昨年、コーラス役でデビューされました。
マシュー:『リーズの結婚』はロイヤル・バレエのDNAのような作品で、プリンシパルにとっては通過儀礼のような存在です。ノーブルな役の方が自分にはしっくりくるので、最初は普段とは違う方向へ自分を押し出す必要がありました。ただ本番に立って初めて、観客とのやり取りの中で作品が完成することに気づいたんです。コメディや遊び心も含め、観客とのエネルギーの交換があって初めて"生きた作品"になる。実際に舞台に立って初めて、この作品の本質を深く理解できた気がします。
――この作品の見どころについて教えてください。
マヤラ:一番好きなのは第2幕の母と娘の場面です。母に子ども扱いされるリーズは「もう子どもじゃない」と反発しながらも、母が眠ってしまった瞬間、そっと近づいて寝息を確かめ、安堵する。同時に、母の寝顔に愛おしさを感じるんです。音楽に合わせて少しずつ離れていく場面には、娘が母親から少しずつ自立していくニュアンスがありつつも、母の愛情が娘にちゃんと伝わっているということがわかる。華やかさはない場面かもしれませんが、この温かさこそが作品の真髄だと思うので、ぜひ注目して観てほしいですね。
マシュー:コメディはタイミングがすべてです。ダンサーの時間感覚は観客とは違って、高い心拍数の中で何もかもが速く感じられる。だから意識して動作をゆっくりにしないと、観客には届かないんです。一方で、笑いに寄りすぎると作品の核である"愛"の深さが失われてしまう。リーズとコーラスの関係も同じで、ふざけあっているように見えて、その奥にある確かなつながりが重要になってきます。
――おふたりのパートナーシップについてもお聞かせください。
マヤラ:マシューは、私を深く理解してくれる存在です。心から信頼できる相手がいないと、自分の外側で無理にコントロールしようとしてしまい、とても苦しくなってしまう。だからこそ、安心して身を委ねられる相手がいることは本当に大切だと思います。
マシュー:マヤラは舞台上で常に"予想外"の魅力を見せてくれる存在で、一緒にいると新しいエネルギーが生まれます。この作品では特に、心からの喜びがあるかどうかが重要。彼女にはそれを自然に引き出す力があります。そして、彼女自身がまるで舞台にエネルギーを与える"火"のような存在。その火に自分が自然と引き込まれて燃えるような感じで、僕の方から火をつけにいく必要がないんです。
――今後の目標について教えてください。
マヤラ:来季一番楽しみにしているのはマクミラン振付『マノン』の主演デビューです。ここ数年の積み重ねを経た今だからこそ、マノン役を踊れると感じています。
マシュー:僕は来季マクミラン振付『大地の歌』に初めて挑戦することを楽しみにしています。それから、アシュトン振付『真夏の夜の夢』のオベロン役もやってみたいです。ロイヤル・バレエだけでなく、ベジャールやノイマイヤー、キリアンなどで英国ではまだあまり上演されていない振付家の作品にも興味がありますし、振付も継続したいですね。
――日本の観客へのメッセージをお願いします。
マヤラ:いつも温かく迎えてくださりありがとうございます。日本の観客の皆さんは細部まで見てくださるので、舞台上の一瞬一瞬をより丁寧に届けたいと思っています。
マシュー:日本の観客の皆さんとともに、魔法のような時間を共有できたら嬉しいです。
取材・文:實川絢子(在ロンドン・舞踊ライター)
7月3日(金) 18:30
7月4日(土) 13:00
7月4日(土) 18:00
7月5日(日) 13:00
7月5日(日) 18:00
会場:川口総合文化センター リリア
フカガワみらいホール(メインホール)
[公演日時と予定される主な配役]
7月3日(金) 18:30
リーズ:マリアネラ・ヌニェス
コーラス:ワディム・ムンタギロフ
7月4日(土) 13:00
リーズ:アナ・ローズ・オサリヴァン
コーラス:アクリ瑠嘉
7月4日(土) 18:00
リーズ:マヤラ・マグリ
コーラス:マシュー・ボール
7月5日(日) 13:00
リーズ:高田 茜
コーラス:カルヴィン・リチャードソン
7月5日(日) 18:00
リーズ:フランチェスカ・ヘイワード
コーラス:マルセリーノ・サンベ
指揮:ホセ・サラサール
演奏:東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団
S=¥29,000 A=¥26,000 B=¥23,000
C=¥18,000 U25シート=¥7,000
*親子割引[S,A,B席]あり
7月10日(金) 18:30
7月11日(土) 13:30
7月11日(土) 18:30
7月12日(日) 12:00
7月12日(日) 17:00
会場:NHKホール
[公演日時と予定される主な配役]
7月10日(金) 18:30
ジゼル:マリアネラ・ヌニェス
アルブレヒト:ウィリアム・ブレイスウェル
7月11日(土) 13:30
ジゼル:サラ・ラム
アルブレヒト:平野 亮一
7月11日(土) 18:30
ジゼル:ナターリヤ・オシポワ
アルブレヒト:リース・クラーク
7月12日(日) 12:00
ジゼル:金子 扶生
アルブレヒト:ワディム・ムンタギロフ
7月12日(日) 17:00
ジゼル:高田 茜
アルブレヒト:セザール・コラレス
指揮:マーティン・ゲオルギエフ
演奏:東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団
S=¥32,000 A=¥26,000 B=¥23,000
C=¥18,000 D=¥14,000 E=¥10,000
U39シート=¥9,000 U25シート=¥7,000
*親子割引[S,A,B席]あり