この夏、全国ツアーで、各地で上演するはじめてのバレエ『白鳥の湖』。昨年〈めぐろバレエ祭り〉で初演され、初めてバレエを観る子どもたちにもわかりやすいよう、さまざまな工夫を凝らし、東京バレエ団の魅力をぎゅっと詰め込んだ作品になりました。今回はあらすじに加えて、本作の5つの見どころをご紹介します。
森のなかにある湖は「悪魔ロットバルトの呪いで娘を白鳥に変えられた母親たちの涙でできている」といわれています。母親とともに森にいたオデット姫も、白鳥に変えられてしまいました。
ある国の王子であるジークフリートは、王妃から翌日の舞踏会で花嫁を見つけ、王位を継ぐように言われ、心を沈ませます。気晴らしに狩りに出た王子は、夜になって人間の姿に戻ったオデット姫と出会い、恋に落ちました。オデットから「永遠の愛を誓ってくれる人がいれば、ロットバルトの呪いをとくことができる」と聞き、王子はオデットを舞踏会に招いて、愛を誓うと約束します。
オデットと王子が結ばれるのを邪魔したいロットバルトは、オデットそっくりに見せかけた娘オディールとともに舞踏会に登場し、王子をだまそうとします。王子はオディールをオデットだと思い込み、彼女に愛を誓ってしまうのでした。悪魔の計画によって、絶望の淵に立たされたオデットと王子の愛の行方は......?
通常版の『白鳥の湖』がおよそ2時間半の上演なのに対し、はじめてのバレエ『白鳥の湖』は1時間15分(休憩時間除く)とコンパクトな仕上がり。とはいえ、物語の重要なポイントはしっかり押さえているので「展開が速すぎてお話についていけない」なんてことはありません。
また、本作では、導入部に母と一緒にいたオデットが悪魔ロットバルトにさらわれるシーンが挿入されたことで、"親子の愛"も大切なテーマとなっており、親子で観るのにぴったりです。
なお、第1幕にある道化の踊りや王子の友人によるパ・ド・トロワ、第3幕の各国の踊り(ナポリ、スペイン)など、人気の踊りも披露されるので、見ごたえも十分です。
王子の友人である道化のひとりが客席に向かって物語を解説するのが本作の特徴! 物語の切れ目に登場し、これから舞台で起こることを教えてくれるので、バレエ初心者でもお話を理解しながら安心して観られます。感情移入しやすいので、最後は涙するお客さまの姿も......。
ストーリーテラーとなる道化役ももちろん、東京バレエ団のダンサーが務めます。舞台の役者かと思うほど、見事な語りを披露するダンサーにぜひご注目ください。
本公演は、オデット/オディール役やジークフリート役への抜擢が期待されるダンサーたちにとっての、いわば"試金石"のような作品。昨年の本作初演時は、秋山瑛や池本祥真らが主役デビューを果たしたことでも話題になりましたが、今回も錚々たるダンサーたちが主役に抜擢されています。
前回、金子仁美はオデットのみ、伝田陽美はオディールのみの出演でしたが、今回はついにオデットとオディールの両役を演じます(金子のパートナーは池本祥真、伝田のパートナーは生方隆之介)。また、中島映理子のオデットと長谷川琴音のオディールの相手として、ソリストに昇進したばかりの南江祐生がジークフリート王子として出演します。ぜひお見逃しなく!
『白鳥の湖』といえば、真っ白なチュチュに身を包んだ白鳥たちによるコール・ド・バレエが見どころのひとつ。本作では通常版より少なめの18羽の白鳥たちが登場しますが、見ごたえは十分。ぴたりとそろった美しい群舞にご注目ください。
第3幕のクライマックスに披露される、オディールの32回転(グラン・フェッテ)は最大の見どころ! ロットバルトとともに王子を誘惑するオディールの悪魔的な魅力には、客席も虜になるはず。
また、第1幕と第3幕、宮廷のシーンに登場する王子の友人や道化たちは大人気です。なにかとふざけ合う愛らしい道化たちですが、その踊りには高難度のテクニックが満載! 昨年は二山治雄が周囲に手を振りながら回転し、ファンの間で"お手振りピルエット"と名づけられて話題になりました。
「子ども向けということは簡易的な舞台なのでは......」なんて心配はご無用です。うっそうとした森から豪華な宮廷まで、美しい背景画が舞台を彩ります。観ているうちに、物語の世界に入り込めるはずです。また、オデットやオディール、王子はもちろん、宮廷にいる貴族のドレスから、民族舞踊(ナポリとスペイン)の衣裳まで上品で華麗なものばかりで、うっとりすること請け合いです。
たくさんの魅力がある『はじめての「白鳥の湖」』。お子さんやバレエ初心者はもちろん、もう何度も"白鳥"を観てきたお客さまにとっても、新鮮な見どころが多い作品になっています。ぜひ劇場で、あなたならではの楽しみ方を見つけてみてください!
文=富永明子(編集者・ライター)
2026年8月7日(金)15:00
8月8日(土)11:30
8月8日(土)15:00
8月9日(日)11:30
8月9日(日)15:00
会場:めぐろパーシモンホール 大ホール
※音楽は特別録音の音源を使用します。
大人:S=¥7,000 A=¥5,000
子ども:S=¥3,500 A=¥2,500
[予定される主な配役]
【東京公演】
オデット/オディール:伝田 陽美(8/7、8/9 午後)、金子 仁美(8/8午前、8/9午前)
オデット:中島 映理子(8/8午後)
オディール:長谷川 琴音(8/8午後)
ジークフリート王子:生方 隆之介(8/7、8/9 午後)、池本 祥真(8/8午前、8/9午前)、南江 祐生(8/8午後)
[全国ツアー]
6月19日(金)18:30
会場:札幌文化芸術劇場 hitaru
オデット:中島 映理子
オディール:長谷川 琴音
ジークフリート王子:南江 祐生
■入場料(税込)
大人:S=¥6,000 A=¥5,000
子ども:S=¥3,000 A=¥2,500
7月22日(水)14:00
7月23日(木)14:00
会場:福岡シンフォニーホール(アクロス福岡)
オデット/オディール:伝田 陽美(7/22)
オデット:中島 映理子
オディール:長谷川 琴音
ジークフリート王子:生方 隆之介(7/22)、南江 祐生(7/23)
■入場料(税込)
一般:¥5,000
子ども:¥2,500
7月25日(土)14:00
会場:サンポートホール高松 3階 大ホール
オデット/オディール:金子 仁美
ジークフリート王子:池本 祥真
*NBSでのチケット取扱いはございません。
7月28日(火)15:00
会場:三重県文化会館 大ホール
オデット:中島 映理子
オディール:長谷川 琴音
ジークフリート王子:南江 祐生
*NBSでのチケット取扱いはございません。
7月30日(木)14:00
会場:高槻城公園芸術文化劇場 南館 トリシマホール
オデット/オディール:金子 仁美
ジークフリート王子:池本 祥真
*NBSでのチケット取扱いはございません。
7月31日(金)15:00
会場:東大阪市文化創造館Dream House 大ホール
オデット/オディール:伝田 陽美
ジークフリート王子:生方 隆之介
■入場料(税込)
大人:S=¥5,000 A=¥4,000
子ども:S=¥2,500 A=¥2,000