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2026/06/17(水)Vol.544

英国ロイヤル・バレエ団2026年日本公演
日本から羽ばたいた注目のダンサーたち
2026/06/17(水)
2026年06月17日号
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バレエ

英国ロイヤル・バレエ団2026年日本公演
日本から羽ばたいた注目のダンサーたち

演劇性豊かなナラティブ・バレエから、スタイリッシュなコンテンポラリー・ダンスまで、卓越したレパートリーを持つ英国ロイヤル・バレエ団。世界中から溢れんばかりの才能が集結する中、ひときわ目を引くのが日本にゆかりのあるダンサーたち。そこで来日公演の配役リストから、ピーター・ライト版『ジゼル』第1幕のパ・ド・シスに注目し、リード・ダンサーにキャストされている6名を、舞踊批評家の隅田有さんに紹介していただきます。

アクリ瑠嘉(ファースト・ソリスト)

2013年の入団以来、主役からキャラクテールまで、幅広い役柄を踊っている。登場するだけで観客を笑顔にさせる、父マシモ・アクリ譲りの芝居のセンスは、『リーズの結婚』のコミカルなアラン役で大いに発揮されるだろう。さらに日本公演2日目には、スティーヴン・マックレーの代役で主役のコーラスを踊ることが発表された。ロンドンで5月から6月にかけて上演された同演目でも、アクリはコーラスを踊っている。もう一演目の『ジゼル』ではパ・ド・シスの他、最終日にはヒラリオン役でも出演。恋心ゆえにジゼルを追い詰める不器用な男が、ドラマを大いに盛り上げるだろう。

『リーズの結婚』でコーラスを踊るアクリ瑠嘉
(英国ロイヤル・バレエ団 2026年公演より)
Photo: Andrej Uspenski / RBO

中尾太亮(ソリスト)

愛嬌があり親しみを感じさせる持ち味に、無駄を削ぎ落としたソリッドな動きが組み合わさって、古典からコンテンポラリー・ダンスまで、どんな役にも中尾らしさが付加される。昨年11月、9年ぶりに本拠地ロイヤル・オペラハウスで上演された『リーズの結婚』では、アランを初役で務め好評を博した。5月から6月にかけての再演でもアランを踊っている。来日公演では3日目の夜に同役で出演予定だ。近年はガラ公演を中心に、国内のステージで観る機会も増えたが、"ロイヤル"の一員として全幕作品に出演する中尾の姿を、見逃すわけにはいかない。

『リーズの結婚』でアランを踊る中尾太亮
(英国ロイヤル・バレエ団 2025年公演より)
Photo: Andrej Uspenski / RBO

五十嵐大地(ソリスト)

昨年8月の〈バレエ・スプリーム〉にロイヤル・チームのメンバーとして出演。『ディアナとアクティオン』と『パリの炎』を踊り、ダイナミックなパフォーマンスが絶賛された。がっしりとした胸板と長くしなやかな手脚に恵まれ、強靭な軸を持ちながらも、パの端々にあえてアソビを加えてワイルドさを引き出す。13歳からロイヤル・バレエ学校に学び、2020年に首席で卒業。カンパニーに入団後は順調にキャリアを伸ばし『ロミオとジュリエット』のマキューシオ、『シンデレラ』の道化など、技術力と演技力の両方が求められる役を多く踊っている。

チェ・ユフィ(ファースト・ソリスト)

2005年の日本ツアーではコール・ド・バレエの一員ながら、マクミランの型を見事に踊る姿に注目が集まった。以降来日公演ごとに存在感を増し、2013年の東京公演ではウィールドン振付『不思議の国のアリス』で主演も果たした。今シーズンは『くるみ割り人形』に主演し、『うたかたの恋』では平野亮一のルドルフ皇太子を相手に高級娼婦ミッツィを踊っている。来日公演で上演されるピーター・ライト版『ジゼル』は、上半身の角度から脚を上げる高さまで、振付家ならではの美学に貫かれている。そのスタイルを表現することにおいて現役屈指のチェ・ユフィが、余すところなく振付の醍醐味を見せてくれるだろう。

佐々木万璃子(ファースト・ソリスト)

今シーズンは、英国ロイヤル・バレエ団として三作目の主演となる『ジゼル』を2月に成功させ、翌月にはマクミラン振付『うたかたの恋』の初日に、ルドルフ皇太子の愛人ミッツィを初役で務めた。同公演の公開リハーサルにおける、ラウラ・モレーラとの充実した稽古の様子が配信されている。華やかなアブストラクト・バレエも、ミステリアスな物語バレエのキャラクターも、自在に踊りこなす才能の持ち主で、仕草やポーズに現れるしなやかで美しい曲線が、ことさら魅力的なダンサーだ。

前田紗江(ファースト・ソリスト)

自然体の愛らしさが、ひときわ目を引くバレリーナ。今シーズンの『くるみ割り人形』は、金平糖の精、クララ、ローズフェアリー(薔薇の精)など大活躍だった。休むまもなく1月中盤からはマクレガー振付『ウルフ・ワークス』のヤング・クラリッサ、翌月は『ジゼル』のパ・ド・シスとモイナ、4月にはマクレガー作品を集めた《Alchemies》に出演。さらに『うたかたの恋』では第1幕最後に壮絶なパ・ド・ドゥを踊る、ステファニー王女を務めた。そして来日直前のロンドン公演では、なんと『リーズの結婚』に初主演! 次から次へと大役を射止めている。

『リーズの結婚』リーズの友人を踊る佐々木万璃子と前田紗江
(英国ロイヤル・バレエ団 2025年公演より)
Photo: Alice Pennefather / RBO

幕が開いた瞬間から有無を言わさずドラマに引き込まれる。同カンパニーの公演では、そんな忘れがたい瞬間をこれまで幾度も体験した。今夏のツアーは、日本にゆかりのあるダンサーたちが中心となって、そんな感動を連日生み出す熱いステージになるだろう。

文:隅田有(舞踊批評家)

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英国ロイヤル・バレエ団 2026年日本公演
『リーズの結婚』/『ジゼル』

公演日

『リーズの結婚』

7月3日(金) 18:30
7月4日(土) 13:00
7月4日(土) 18:00
7月5日(日) 13:00
7月5日(日) 18:00

会場:川口総合文化センター リリア
    フカガワみらいホール(メインホール)

[公演日時と予定される主な配役]
7月3日(金) 18:30
リーズ:マリアネラ・ヌニェス
コーラス:ワディム・ムンタギロフ

7月4日(土) 13:00
リーズ:アナ・ローズ・オサリヴァン
コーラス:アクリ瑠嘉

7月4日(土) 18:00
リーズ:マヤラ・マグリ
コーラス:マシュー・ボール

7月5日(日) 13:00
リーズ:調整中
コーラス:カルヴィン・リチャードソン

7月5日(日) 18:00
リーズ:フランチェスカ・ヘイワード
コーラス:マルセリーノ・サンベ

指揮:ホセ・サラサール
演奏:東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団

『リーズの結婚』入場料[税込]

S=¥29,000 A=¥26,000 B=¥23,000
C=¥18,000 U25シート=¥7,000
*親子割引[S,A,B席]あり

『ジゼル』

7月10日(金) 18:30
7月11日(土) 13:30
7月11日(土) 18:30
7月12日(日) 12:00
7月12日(日) 17:00

会場:NHKホール

[公演日時と予定される主な配役]
7月10日(金) 18:30
ジゼル:マリアネラ・ヌニェス
アルブレヒト:ウィリアム・ブレイスウェル

7月11日(土) 13:30
ジゼル:サラ・ラム
アルブレヒト:平野 亮一

7月11日(土) 18:30
ジゼル:ナターリヤ・オシポワ
アルブレヒト:リース・クラーク

7月12日(日) 12:00
ジゼル:金子 扶生
アルブレヒト:ワディム・ムンタギロフ

7月12日(日) 17:00
ジゼル:フランチェスカ・ヘイワード
アルブレヒト:セザール・コラレス

指揮:マーティン・ゲオルギエフ
演奏:東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団

『ジゼル』入場料[税込]

S=¥32,000 A=¥26,000 B=¥23,000
C=¥18,000 D=¥14,000 E=¥10,000
U39シート=¥9,000 U25シート=¥7,000
*親子割引[S,A,B席]あり

*表記のキャストは6月17日現在の予定です。