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NBS日本舞台芸術振興会

2020/07/01(水)Vol.401

独占取材!リッカルド・ムーティ近況
2020/07/01(水)
2020年07月01日号
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オペラ

独占取材!リッカルド・ムーティ近況

コロナ禍に襲われて多くの感染者を出したイタリア。中でも北イタリアの状況は悲惨でマエストロ・ムーティのご自宅があるエミリア・ロマーニャ州はいち早く都市封鎖された。マエストロ・ムーティはお元気だろうかと思い近況をお聞きしてみた。

電話に出られたマエストロは大変ご機嫌で元気な声を聞かせてくださった。こんなに長い間自宅にいるのは人生で初めての経験であり、たくさん勉強ができたとのこと。6月3日からイタリアは欧州との往来規制を撤廃したのでやっと国外へ出られるようになった。早速マエストロの活動が再開する。

「6月10日からウィーンに行って、12日にニューイヤーコンサートのための録音をするんだ。ワルツとポルカの2曲。これはコンサートの間にバレエダンサーが踊る時に使う曲で、ウィーン・フィルから頼まれた。録音とは別に、楽友協会で14日の朝にこの2曲とシューベルトの交響曲第4番「悲劇的」を演奏するけれど、観客が入るのかどうかは知らない。日本でもライヴが見られればいいね。」と久しぶりのコンサートに意欲を燃やしておられた。

そして6月21日からラヴェンナ・フェスティバルが開催されるとのこと。マエストロ・ムーティ指揮のオープニングコンサートは「イタリアでの音楽会再開第一号になる」そうで、ケルビーニ管とともにモーツァルトの「ジュピター」がプログラムされている。フェスティバル中にはアカデミーも開催予定で、生徒はイタリア人が中心になるそうだが、詳細はまだ分からないとのことだった。

今年5月にウィーン国立歌劇場で上演予定だった『コシ・ファン・トゥッテ』は中止になったけれど「充分に稽古をして日本公演に参加する」とのことで安心した。コロナ禍が早く終息して、外国人アーティストが自由に来日出来るようになることを祈らずにいられない。(6月3日電話取材)

ラヴェンナ・フェスティバル オープニングコンサート

6月22日に行われたリッカルド・ムーティ指揮ケルビーニ管によるオープニングコンサートの模様は、7月30日まで、フェスティバルの公式サイトからご覧になれます。 (riccardomutimusic.comの無料登録の後、視聴可能。サイトから登録できます)


ラヴェンナ・フェスティバル公式サイト
https://www.ravennafestival.live/events/rmmusic-digital-streaming-platform/

6月21日のコンサートを終えて

マエストロの近況を電話でお聞きしてから早くも一か月が過ぎようとしている。

ウィーンでのコンサートも無事に終わり、待ちに待ったイタリアでの活動再開のコンサートが6月21日ラヴェンナの駅にほど近いロッカ・ブランカレオーネという城塞跡で開催された。イタリアにおける再開最初のコンサートということもあり、演奏の前にマエストロからの挨拶があった。

何よりもまず、コンサートを再開できたことに対して、関係した方々への感謝の気持ちを、そしてその勇気を称える言葉を述べられた。

モーツァルトのプログラムにスクリャービンがどう関係するのか疑問に思う人のために、この未曽有の期間に我々が生きて来た思いを、この曲「夢想」に託したと説明、最後に、世界中でこのコンサートをストリーミングで鑑賞中の皆さんへと英語で「愛と友情に満ちた最高の将来が訪れますように」と結んだ。

マエストロは7月3日に『友情の道』のコンサート(ベートーヴェン交響曲第3番)12日にドヴォルザーク「新世界」そして18日から31日まではイタリアン・オペラ・アカデミーと今後も盛んな活動を行う予定だ。

電話取材・文 田口道子