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Photo: Tristram Kenton / ROH

2024/01/24(水)Vol.486

英国ロイヤル・オペラ2024年日本公演
アントニオ・パッパーノ インタビュー(1)
2024/01/24(水)
2024年01月24日号
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オペラ

Photo: Tristram Kenton / ROH

英国ロイヤル・オペラ2024年日本公演
アントニオ・パッパーノ インタビュー(1)

英国ロイヤル・オペラ2024年日本公演チケット発売開始!

2演目セット券
NBS WEBチケット先行発売
 
1/24(水)21:00~1/31(水)18:00
電話先行発売 
1/26(金)10:00~1/31(水)16:00
※電話受付:平日10:00~16:00、土日祝・休み

単独券NBS WEBチケット先行発売 
1/26(金)21:00~1/31(水)18:00

一般発売 
2/2(金)10:00より

今年6月、英国ロイヤル・オペラが『リゴレット』と『トゥーランドット』を携えて、待ちに待った来日を果たします。この2演目について、英国ロイヤル・オペラハウス(ROH)における22年間という最長の音楽監督としての在任期間を務め上げたアントニオ・パッパーノにインタビューを行いました。2つの演目について、マエストロが語ってくれた作品への思いや素晴らしさなどを2回に分けてご紹介します。まずは『トゥーランドット』から!

「この作品は、好きだ!と確信しました」

――マエストロがROHで『トゥーランドット』を指揮したのは2023年春が初めてのことと聞きました。これまで振ることのなかったのはなぜですか?

アントニオ・パッパーノ:私は演劇的要素の強い、つまり登場人物が互いに影響を与えながら物語が進んでいくような物語性の強い作品を主に取り上げてきました。でも『トゥーランドット』は違います。第一に儀礼的であり、作品そのものが独特の雰囲気を持っています。もちろん、プッチーニが明確な意図を持って作曲したのは明らかで、私自身、興味がなかったわけではありません。例えば、ペルシャの王子が処刑場に向かうところとか、トゥーランドットの登場するところは、儀礼的で、荘厳なテンポの行進曲が用いられています。そしてそれが作品そのもののしっかりとした歩みとなっています。
さらに特筆すべきは、合唱が非常に重要な役割を担っていることです。オペラの中心になっていると言ってもいいでしょう。他にもいろいろありますが、誤解を恐れずに言うならば、この作品はほとんど「オラトリオ」ともいえる作品なのです。

Photo: Tristram Kenton / ROH

――でも物語には3人の大臣ピン、パン、ポンが出てきて、ここは雰囲気が違いますね。

パッパーノ:ええ、第2幕にみられるコメディア・デラルテ(即興喜劇)を模した部分は、オペラの持つ荒涼とした荘厳さと素晴らしい対比を成しています。彼ら3人の多弁な歌い方はそれぞれにスタイルがあり、まるでオペレッタを見ているかのようです。彼らは儀礼、そこに漂う恐怖と暴力、人々の疲労感を説明する大事な存在であり、彼らの不平、不満さえもとても音楽的です。故郷を想うシーンなど、ある意味とても美しくて、演劇的というよりもまさに音楽的と言えましょう。

セシリア・マサバネ・ラングワナシャ演じるリューとピン、パン、ポンの3大臣
Photo: Marc Brenner / ROH

――実際にROHで指揮をして、どうでしたか?

パッパーノ:好きだ!と確信しました(笑)。と言うよりも、もっと好きになったと言うべきかもしれません。本当に魅力的な音楽です。日本に行ったことがないのに『蝶々夫人』を、中国に行ったことがないのに『トゥーランドット』を作曲したプッチーニは、耳にしたそれぞれの国の音楽のサンプルを基にその架空の世界を自分の音楽で見事に描き出しました。『トゥーランドット』の第一音を聴いた瞬間から人々は暴力、脅威、血に飢えた世界を垣間見ることとなるのです。
もう一つ、実際に指揮をして感じたことは、長きにわたって愛されているアンドレイ・セルバンの演出の素晴らしさです。オペラの本質をとてもよく捉えているだけでなく、スペクタクルな音楽に負けない劇的な華やかさも備えていて、大好きになりました。

――歌手についてもお話しいただけますか?

パッパーノ:まず、トゥーランドット姫役のソンドラ・ラドヴァノフスキーは鋭く、高貴な、まさにこの役にぴったりの声の持ち主で、とても繊細な歌唱もできる素晴らしい歌手です。まさに声楽家としての全盛期を迎えた彼女に歌ってもらうのは今から楽しみです。
そしてリュー役のマサバネ・セシリア・ラングワナシャは本当に素晴らしいキャリアを歩んでいて、彼女とはロンドン交響楽団とのヴェルディの「レクイエム」をはじめ、ローマやロンドンでの共演も控えています。
カラフ役のブライアン・ジェイドは劇的な声を持つテノールです。なんとも魅力あふれる高音の持ち主で、これはカラフ役には不可欠な資質です。まさに理想的なカラフです!

インタビュー・文:久野理恵子

公式サイトへ チケット購入

英国ロイヤル・オペラ2024年日本公演
『リゴレット』全3幕
『トゥーランドット』全3幕

公演日

ジュゼッぺ・ヴェルディ
『リゴレット』全3幕

指揮:アントニオ・パッパーノ
演出:オリヴァー・ミアーズ
6月22日(土)15:00 神奈川県民ホール
6月25日(火)13:00 神奈川県民ホール *横浜平日マチネ特別料金
6月28日(金)18:30 NHK ホール
6月30日(日)15:00 NHK ホール

[予定される主な出演者]
マントヴァ公爵:ハヴィエル・カマレナ
リゴレット:エティエンヌ・デュピュイ
ジルダ:ネイディーン・シエラ

ジャコモ・プッチーニ
『トゥーランドット』全3幕

指揮:アントニオ・パッパーノ
演出:アンドレイ・セルバン
6月23日(日)15:00 東京文化会館
6月26日(水)18:30 東京文化会館
6月29日(土)15:00 東京文化会館
7月2日(火)15:00 東京文化会館

[予定される主な出演者]
トゥーランドット姫:ソンドラ・ラドヴァノフスキー
カラフ:ブライアン・ジェイド
リュー:マサバネ・セシリア・ラングワナシャ

入場料[税込]

S=¥72,000 A=¥62,000 B=¥48,000
C=¥38,000 D=¥32,000 E=¥22,000
U29シート=¥10,000 [全公演対象]
U39シート=¥18,000 [6/22(土)『リゴレット』、6/26(水)『トゥーランドット』限定]
※サポーター席=¥122,000 [寄付金付きのS席 S席72,000円+寄付金50,000円]

横浜平日マチネ特別料金[6/25(火)限定]
S=¥49,000 A=¥42,000 B=¥35,000
C=¥30,000 D=¥25,000 E=¥20,000
U29シート=¥8,000 [全公演対象]
※サポーター席=¥99,000 [寄付金付きのS席 S席49,000円+寄付金50,000円]