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2023/08/16(水)Vol.476

ローマ歌劇場2023年日本公演開催記念
日本橋髙島屋 ヴァレンティノによる『椿姫』衣裳展示、8月22日まで
2023/08/16(水)
2023年08月16日号
オペラ
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ローマ歌劇場2023年日本公演開催記念
日本橋髙島屋 ヴァレンティノによる『椿姫』衣裳展示、8月22日まで

ローマ歌劇場2023年日本公演開催を記念して、東京・日本橋の髙島屋正面入り口にソフィア・コッポラ演出、ヴェルディ『椿姫』の衣裳が8月22日(火)まで展示されています。

今回上演される『椿姫』は、世界的な人気を誇る映画監督ソフィア・コッポラのオペラ初演出となるものでしたが、コッポラ自身、作品への解釈とともに「ヴァレンティノの素晴らしい衣裳を前面に出す舞台にしたいと考えた」と語っています。

ローマでの初演の際には、オペラだけでなく、ファッション関係のマスコミやファンなども劇場に集う、華やかな場となったそうです。

19世紀パリの社交界に生きるヒロイン、ヴィオレッタをあでやかに際立たせる、ゴージャスで洗練されたドレスが、オペラの舞台に先駆けて髙島屋でご覧いただけます。舞台よりも間近で見られるチャンス!

展示の衣裳は、左から下記の場面のヴィオレッタの衣裳

第2幕第1場
パリ郊外でアルフレードとの愛のくらしに生きるヴィオレッタは、恋人の父親から「別れる」ことを懇願される。
Photo: Yasuko Kageyama

ヴィオレッタの部屋着は、細部のリボンにいたるまで全てシルク。素材の良さが品格を感じさせます。

第1幕
華やかな宴が終わり、アルフレードの出会いによって真の愛に気づきながらも、ヴィオレッタの心は複雑に揺れ動く。
Photo: Yasuko Kageyama

漆黒の生地に、差し色となるグリーンの長いトレーンがゴージャスなドレス。大階段を上がっていくヴィオレッタの後姿の美しさといったら!

第2幕第2場
愛のためにアルフレードのもとを離れ、社交界に戻ったヴィオレッタ。身を引いた理由を明かすことはできない。
Photo: Yasuko Kageyama

これぞヴァレンティノというべき赤いドレスは、ミラノ・コレクションに登場するオートクチュールのよう。腰から裾にかけての独特のふくらみをもたせたデザイン。胸元の個性的なブローチがアクセントに。

第3幕
病いに冒されたヴィオレッタは、ひたすらにアルフレードを待っている。真の愛に生きたヴィオレッタの最期が近づいている。
Photo: Yasuko Kageyama

シルク製のネグリジェと繊細な花飾りが織り込まれたレースの袖がついたナイトガウン。職人芸の細やかさが、ここでならしっかりと見ることができます。

オペラは総合芸術です。ヴァレンティノ・ガラヴァーニの衣裳はもちろん、ネイサン・クロウリーの舞台美術、ソフィア・コッポラの演出、そして歌手たちの声の饗宴をお楽しみください。

ローマ歌劇場2023年日本公演公式サイト
https://www.nbs.or.jp/stages/2023/roma/index.html