日本での初ソロ・コンサート開催を間近に控えるアスミク・グリゴリアン。そのレパートリーの広さ、それぞれの役柄に"なりきる"凄さは彼女の最大の魅力ですが、そんな彼女が世界中の劇場で引っ張りだこであることが、映画館でも証明されます!
映画館でオペラを楽しむことは、すでにオペラ・ファンの間ではお馴染みのところ。英国ロイヤル・オペラもメトロポリタン・オペラ(MET)も、世界各地での上映をシーズン・プログラムとして発表して行っています。それぞれの劇場が、全公演のなかでも誇るべき公演をラインナップすることは言うまでもありません。そうしたなか、2023/24シーズンの6月、なんと英国ロイヤル・オペラ・ハウス シネマシーズンとMETライブビューイングの両方で、立て続けにグリゴリアン主演による『蝶々夫人』が上映されることとなっているのです!
蝶々さんは15歳から3年後までという若い娘で、しかも健気な日本の少女という役どころ。どんな役においても柔軟に適応し、ずば抜けた表現力で演じるグリゴリアンの蝶々さんは、それぞれのプロダクションにおいて特徴を発揮することになるはず。コンサートを楽しんだ後も、2つの蝶々さんに会えます!
[6月7日(金)~6月13日(木)]
このプロダクションはモッシュ・ライザー&パトリス・コーリエによる演出で2003年に英国ロイヤル・オペラで初演され、その後、アジア文化を尊重するといった意味で改訂が施されたそうです。その結果、舞台上の所作は日本人が見ても自然で美しいと感じるものに仕立てられていると評されています。
グリゴリアンにとって英国ロイヤル・オペラでのロール・デビューとなった蝶々さん役には、何人もの評論家が過去の偉大な歌手の名と並べながら、新しい時代の蝶々さんの成功を賞賛しています。
指揮:ケヴィン・ジョン・エドゥセイ
演出:モッシュ・ライザー&パトリス・コーリエ
蝶々さん:アスミク・グリゴリアン
ピンカートン:ジョシュア・ゲレロ ほか
2024年3月26日
公式サイト
https://tohotowa.co.jp/roh/movie/?n=madama_butterfly2023
[6月21日(金)〜6月27日(木)] ※東劇のみ7/4(木)まで2週上映
2006年にMETで初演された『蝶々夫人』は、イギリスの映画監督で、映画「イングリッシュ・ペイシェント」でアカデミー監督賞を受賞したアンソニー・ミンゲラによる演出。『蝶々夫人』は、METで愛され続けている作品の一つとなっています。幻想的な照明やシルエットと鮮やかな衣裳のコントラストなどが印象的なプロダクションです。日本の文楽人形に着想を得たというミンゲラは「愕然とするほどの悲痛を描きたい」と語っていました。そうした意図をグリゴリアンが汲み取ったとき、観る者はその"悲痛"に耐えられるでしょうか!? また、女性指揮者シャン・ジャンにも注目が集まる公演となっています。
指揮:シャン・ジャン
演出:アンソニー・ミンゲラ
蝶々さん:アスミク・グリゴリアン
ピンカートン:ジョナサン・テテルマン ほか
2024年5月11日公演