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Photos: Seiichi Hasegawa

2021/04/21(水)Vol.420

第16回世界バレエフェスティバルの魅力(1)
2021/04/21(水)
2021年04月21日号
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第16回世界バレエフェスティバル

Photos: Seiichi Hasegawa

第16回世界バレエフェスティバルの魅力(1)

3年に一度のバレエの祭典〈世界バレエフェスティバル〉、開催概要の発表とともに、今夏の開催への期待が高まっています。16回目となる今回開催に向け、舞踊評論家の新藤弘子さんに、2回にわたりその魅力をご紹介いただきます。

〈世界バレエフェスティバル〉が特別な理由

〈世界バレエフェスティバル〉で「恋」に落ちた、と言ったら笑われるだろうか。
その第3回が開催された39年前、当時ブームを巻き起こしていたジョルジュ・ドンの『ボレロ』を目当てに初めて向かった会場で、世界のトップスターたちの競演に文字通り圧倒された。パリ・オペラ座バレエ団のフロランス・クレールとシャルル・ジュドが踊る『黒鳥のパ・ド・ドゥ』や、エヴァ・エフドキモワとペーター・シャウフスの『ゼンツァーノの花祭り』で、それまで何となく敬遠していた古典の優雅さに唸り、ジョイス・クォーコの連続ピルエットに驚きのあまり笑いながら拍手。『伝説』を踊るマリシア・ハイデとリチャード・クラガンの流れるような技と呼吸に魅了され、バレエの奥深い魅力の一端に触れたと感じた。

Photo: Seiichi Hasegawa
Photo: Ryu Yoshizawa

(左)マリシア・ハイデ&リチャード・クラガン『伝説』(1982年)
(右)モニク・ルディエール&パトリック・デュポン『ドン・キホーテ』(1985年)

その3年後、さらに深みにはまる。洗練されたフランスの香りをまとうドミニク・カルフーニとデニス・ガニオの『カルメン』『失われた時を求めて』でプティの世界に陶然とし、リン・チャールズとイヴァン・リスカの『椿姫』『くるみ割り人形』では、深みのある踊りはもちろん、繊細な衣裳の美しさにも見とれた。そしてベジャール振付『ライト』や『ギリシャの踊り』を踊る若きミシェル・ガスカールの、自ら光を発しているようなみずみずしさ!
以後、回を重ねるごとに、バレエへの「恋心」が深まったのは言うまでもない。花火のように技が弾けるパトリック・デュポンの『ドン・キホーテ』、モニク・ルディエールとマニュエル・ルグリが繰り返し見せてくれたパートナーシップの妙。断続的なストロボ・ライトを浴びて、ウラジーミル・マラーホフの美しい飛形が宙を移動してゆく『コート』の驚愕。古典も現代作品もすべては一期一会、全てが世界の最高峰だ。それが「いまここ」で観られるという奇跡。豪華な全幕公演や海外カンパニーの引っ越し公演とは違う、特別な面白さが、そこにはあった。バレエとは、その現在とはこういうもの、と教えてくれたのが〈世界バレエフェスティバル〉だったと言ってもいい。いずれ劣らぬダンサーの表現やテクニックを、全身が目になったように貪欲に観ていた、と思う。鮮烈な感動は心のフォルダに保存され、今も色褪せることはない。
参加するダンサーや演目が回を追うごとに増え、近年は観客が嬉しい悲鳴をあげるほどの充実ぶりだ。この数回の参加者には、イタリアの国民的スターになったロベルト・ボッレや、マチュー・ガニオら現在のパリ・オペラ座バレエ団を代表するエトワールたち、ロシアのエレガンスを体現するスヴェトラーナ・ザハロワやウリヤーナ・ロパートキナらが名を連ねており、まさに世界の舞踊界の縮図を見るよう。他に『オネーギン』などクランコ振付での輝きが印象的なアリシア・アマトリアンとフリーデマン・フォーゲル、可憐さと強さを併せ持つアリーナ・コジョカル、軽やかなダニール・シムキン...... 列挙していてはきりがない。この途方もなく贅沢な祭典の楽しみ方を、次回もう少し探ってみたい。

1982年第3回世界バレエフェスティバル
カーテンコールより
Photo: Seiichi Hasegawa

新藤弘子(舞踊評論家)

公式サイトへ チケット購入

第16回世界バレエフェスティバル

公演日

Aプログラム

8月13日(金)14:00
8月14日(土)14:00
8月15日(日)14:00
8月16日(月)14:00

Bプログラム

8月19日(木)14:00
8月20日(金)14:00
8月21日(土)14:00
8月22日(日)14:00

会場:東京文化会館(上野)

予定されるプログラム(順不同)

「海賊」
「ドン・キホーテ」
「チャイコフスキー・パ・ド・ドゥ」
「ジュエルズ」より“ダイヤモンド”
「グラン・パ・クラシック」
「マルグリットとアルマン」
「オネーギン」
「ロミオとジュリエット」
「3つのプレリュード」 ほか

※上記の演目はA・Bプロいずれかで上演されます。プログラム内容の詳細発表は6月の予定です。

指揮:ワレリー・オブジャニコフ、ロベルタス・セルヴェニカス
演奏:東京フィルハーモニー交響楽団

入場料[税込]

S=¥27,000
A=¥24,000
B=¥21,000
C=¥17,000
D=¥13,000
E=¥ 9,000

U25シート ¥4,500

※2演目セット券あり(S,A,B席)
期間限定発売

※ペア割引あり(S,A,B席)
※親子割引あり(S,A,B席)