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2020/12/16(水)Vol.412

ベートーヴェン『第九』の重要性
ムーティ&シカゴ響とみつめてはいかが?
2020/12/16(水)
2020年12月16日号
世界の劇場を知ろう
特集

ベートーヴェン『第九』の重要性
ムーティ&シカゴ響とみつめてはいかが?

師走に入り、またも"猛威"をみせるコロナ禍で、コンサート会場に出かけることをためらう方も少なくないかもしれません。「年末の『第九』だけは」という、毎年恒例の楽しみを奪われている方もあるでしょう。
ここでは、Youtubeで楽しめる数々の『第九』 のなかでもイチオシのクオリティを誇る1点をご紹介!
リッカルド・ムーティ指揮シカゴ交響楽団(CSO)による『第九』です。
この『第九』は、2014年9月のシーズンのオープニング・プログラムのライブ収録。翌年の5月7日=この作品が1824年にウィーンで初演された同日には全世界へオンデマンドビデオ配信が行われたことをご存じの『第九』ファン、ムーティ・ファン、そしてCSOファンも多いはず。
現在、Youtubeで全曲を聴くことができます。楽曲の視聴とともに当時のプロモーション用につくられたショートビデオをご覧いただくこともおすすめ。ここでは、ムーティほか、CSOのメンバーが『第九』という作品の重要性について語っているほか、実際の聴衆のコメントも。ムーティは「すべての人は兄弟姉妹になるべき、これが『第九』のメッセージ」と語り始めます。また、「トスカニーニの言葉の通り、第3楽章の崇高さには、指揮者は神の前に跪くように演奏するべき」、そして終わりには、「私はこの作品を指揮するたびに、自分は常に準備ができているか、この巨大な傑作を指揮するのにふさわしいかを思う」と。深く思慮しながらのムーティの表情からも、作品への大いなる敬意が感じられます。
聴衆のコメントからは、コンサート会場で体験する高揚感、素晴らしい演奏を聴いた後の笑顔などが、コロナ禍のいまでは恋しい臨場感として感じられるかもしれません。

ムーティ指揮シカゴ交響楽団『第九』
ムーティ、CSOメンバーが語る『第九』の意味と重要性