女性の功績に光を当てる一週間！

3月8日の国際女性デー*にちなみ、英国ロイヤル・オペラでは女性の功績に光をあてたさまざまなイベントを開催します。

興味深い企画の一つに、演劇、音楽、美術館においてキャリアをもつ5人の女性による、今年の国際女性デーのテーマ「挑戦することを選択する」に関するパネルディスカッションがあります。参加するのはイギリスの一般新聞ガーディアンの主任演劇評論家のアリファ・アクバル(Arifa Akbar)、オペラや演劇、ダンスでの受賞歴をもつ照明デザイナーで英国ロイヤル・オペラでも『ヴェニスに死す』や『魔笛』を手がけたポール・コンスタブル(Paule Constable)、地域の文化的多様性を反映した幅広い演劇の上演などを特徴とするロンドンのキルンシアター芸術監督のインドゥ・ルバシンガム(Indhu Rubasingham)、テート・モダンのディレクターであるフランシス・モリス(Frances Morris)、南アフリカ出身で英国ロイヤル・オペラほか、ミラノ・スカラ座やメトロポリタン・オペラでも活躍するソプラノ歌手のプリティ・イェンデ(Pretty Yende)の5人。
変化は挑戦から来るという前提に基づいて、彼女たちが自分の経験や課題、そしてそれぞれの分野で直面していることなどにどのような影響力を発揮できるか、前向きな変化を生み出せるかについて話し合われる予定。このディスカッションは3月8日の午後7時（英時間）からYoutubeで配信されることになっています。

また、アメリカの振付家パム・タノウィッツが英国ロイヤル・バレエ団のファースト・ソリスト　ベアトリス・スティックス＝ブルネルと対話します。英国ロイヤル・バレエ団は、2019年にマース・カニングハムの生誕100周年を祝し、パム・タノヴィッツに作品を委嘱しました。そのときの作品が9人のダンサーによって踊られる「Everyone Keeps Me」。出演ダンサーの一人であるスティックス＝ブルネルとタノヴィッツが、創作の過程を振り返るとともに、「国際女性デー」にちなんだ女性アーティストとしての対話を繰り広げることになりそうです。3月8日午後6時（英時間）からInstagramで視聴できる予定。

このほかにも、英国ロイヤル・オペラの若手育成のための研修機関ジェット・バーカー・ヤングアーティストの創作のパフォーマンスがFacebookで公開される企画もあります。

今年は特に、1年におよぶコロナ禍の状況にあることも、この企画に影響を与えています。英国ロイヤル・オペラのクリエイティブ・プロデューサーであり、オペラUKの創設ディレクターであるケイト・ワイアットがこの企画について寄せた言葉をご紹介しておきましょう。
「パンデミックが女性に不当な悪影響をおよぼしている現在、平等への意欲が後退しないようにすることが、これまで以上に重要になっています。「エンジェンダー**」は、女性が互いにつながり、支え合い、オペラにおける女性の仕事を増やし、集合的な声を持つための場所です。私たちは、ステージでの女性主導の仕事の量を増やし、より多くの女性が舞台裏で、制作、管理、企画に関与するようにしたいと考えています。パンデミック中の会員数の急増は、変化の必要性を示しているのです」