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2022/02/02(水)Vol.439

スカラ・フィル設立40周年コンサート開催
2022/02/02(水)
2022年02月02日号
世界の劇場を知ろう
特集

スカラ・フィル設立40周年コンサート開催

1月24日、スカラ・フィルハーモニー管弦楽団(スカラ・フィル)は設立40周年を祝すコンサートを、本拠地であるミラノ・スカラ座で開催しました。スカラ・フィルは、ミラノ・スカラ座の劇場付オーケストラとほぼ同じメンバーなので、設立40年と聞いて不思議に思う方もあるかもしれませんが、独立したオーケストラとしての正式な設立は1982年だったのです。
"スカラ座のオーケストラ"としての設立は劇場開場の1778年。その後、1920年代からアルトゥール・トスカニーニに率いられての北米ツアーなど、オーケストラとしての活動も盛んになりましたが、当時はまだ、オーケストラとして独立してはいませんでした。オーケストラとして独立するとは、組織として経済的基盤を充実させることや、レパートリーの拡充、団員の自律性と芸術的責任など、さまざまな要素をクリアすることが求められます。
1982年の設立の立役者は、クラウディオ・アッバードでした。一説には、この話が一気に本格化したのは、前年の1981年のミラノ・スカラ座日本公演中だったとかなかったとか.....。その真偽はともかく、彼らは実際に1982年1月25日、アッバード指揮によるスカラ・フィルとして最初のコンサートを開催したのです。
その後、スカラ・フィルは、数々の指揮者と協力し、ツアーを行い、レパートリーも広げ、世界でも有数のオーケストラの一つとなったことは周知の通り。日本には1995年がスカラ・フィルとしての初来日。率いたのはリッカルド・ムーティでした。

スカラ・フィルはスカラ座のオフ・シーズンとなる6月から10月を主な独自シーズンとして活動していますが、40周年を祝すコンサートは、設立当初と同じ1月に開催。シーズンを1月からに戻すという動きもあるようです。
メモリアル・コンサートの指揮にあたった現音楽監督のリッカルド・シャイーは、40回目のシーズン開幕にあたり、「クラウディオ・アッバードは、それまでのスカラ座のオーケストラの日常を変える勇気を持ち、当初から非常に野心的なプロジェクトとして取り組んだのだと感じています。40年後、特にこの2年間のパンデミックを経たいま、シーズンの始まりを祝うことができて、とても嬉しく思っています」と語ったことが報じられました。

スカラ・フィルハーモニー管弦楽団のFacebookには、
40周年を祝すコンサートの様子とともに、アッバードとの設立コンサートの写真も掲載されています。
https://www.facebook.com/filarmonicascala