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2022/05/18(水)Vol.446

ウィーン国立歌劇場2022/2023シーズン
2022/05/18(水)
2022年05月18日号
世界の劇場を知ろう
特集

ウィーン国立歌劇場2022/2023シーズン

4月末、ウィーン国立歌劇場は2022/2023シーズンプログラムを発表しました。2022年は、グスタフ・マーラーが同劇場(ウィーン宮廷歌劇場)の総監督に就任してから125周年にあたることから、このシーズンはマーラーに捧げられるものとして位置づけられています。

プレミエ作の1本目は、それを最も象徴しています。9月29日初演予定の"愛の死"と題された作品は、マーラーの初期のカンタータ「嘆きの歌」と歌曲「亡き子をしのぶ歌」をカリスト・ビエイトの演出により舞台化するというもの。指揮をとるロレンツォ・ヴィオッティはベルリン・フィルのデビューもマーラーで成功した、1990年生まれのイタリアの若手。
2本目は2022年12月『ニュルンベルクのマイスタージンガー』。キース・ウォーナー演出、フィリップ・ジョルダン指揮。
3本目は2023年2月『サロメ』。シリル・テスト演出、フィリップ・ジョルダン指揮。マリン・ビストレムのタイトルロールが予定されています。
4本目は2023年3月『フィガロの結婚』。バリー・コスキー演出、フィリップ・ジョルダン指揮。ダ・ポンテのオペラにおけるレチタティーヴォの重要性を意識することから、ジョルダンは、ポネル演出版では自らチェンバロを弾きました。今回はいかに?
5本目は2023年4月『ウリッセの帰還』。ヨッシ・ヴィーラー&セルジオ・モラビト演出、パブロ・エラス=カサド指揮。今年6月に劇場初演となる『オルフェオ』を経ての、モンテヴェルディ3作上演が果たされる。
新制作の最後を飾るのは2023年5月『カルメル派修道女の対話』。演出はウィーン国立歌劇場デビューとなるマグダレーナ・フックスベルガー、指揮はベルトラン・ド・ビリー。プーランクのこのオペラは、もともと上演の機会は多くないが、ウィーン国立歌劇場でも60年以上ぶりの新制作。

レパートリー上演においても、コロナ禍以前に近いスター歌手の登場がラインナップされていますが、9月5日のシーズン開幕を飾るアレヴィ作曲『ユダヤの女』に、ソニア・ヨンチェヴァが登場することをご紹介しておきましょう。ヨンチェヴァはラシェル役のロール・デビューを果たします。

ウィーン国立歌劇場2022/2023シーズンプログラムライブ・ストリーミングでも紹介されました。
ロシチッチ総裁によるプレゼンテーションのほか、演出家のコメント、実際の演奏など、1時間半におよぶ全編は下記より。
https://youtu.be/ev8SqTDhjr8

PEACEのネオンサインが掲げられたウィーン国立歌劇場ファサード。
2022/2023シーズンプログラムはこちらから
https://www.wiener-staatsoper.at/die-neue-saison/